白金高輪の歯医者伊皿子おおね歯科医院。白金高輪駅、泉岳寺駅徒歩5分

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アフタ性口内炎とストレスの関係――子どもにも起こる繰り返し口内炎

はじめに

「子どもが口の中に白い潰瘍ができて痛がっている」
「食事のたびにしみてかわいそう」
保護者の方からよく聞かれる症状のひとつが「アフタ性口内炎」です。
アフタ性口内炎は、唇や頬の内側、舌、歯ぐきにできる浅い潰瘍で、多くの場合2週間ほどで自然に治癒します。
しかし、子どもに繰り返し発生する場合は、ストレスや免疫低下、口腔環境の問題などが深く関わっていることがあります。
本コラムでは、アフタ性口内炎が子どもに起こる仕組みやストレスとの関連、そして予防のポイントについて詳しく解説します。

アフタ性口内炎とは?

白い潰瘍が特徴的な粘膜の炎症

アフタ性口内炎は口腔粘膜に発生する浅い潰瘍(アフタ)が特徴です。
中央が白色〜黄色、周りが赤く縁取られた見た目になることが多く、触れると強い痛みを伴います。

子どもに見られやすい部位

•頬の内側
•舌の側面・先端
•下唇の内面
•歯ぐき付近

特に舌にできた場合、食事や会話に大きな支障が出ます。

なぜアフタ性口内炎が起こるのか?

原因は1つではなく、複合的な要因が関わるとされています。
特に子どもでは、以下が代表的です。

①ストレスと免疫機能の乱れ

意外かもしれませんが、精神的・身体的ストレスは子どもの口内炎を誘発する重要な要因です。
ストレスが加わると自律神経バランスが崩れ、

→ 唾液量が低下
→ 免疫力が弱まる
→ 粘膜バリアが脆弱になる

この流れが繰り返しアフタ性口内炎を起こす背景になると考えられています。

子どもの場合に見られるストレス例
•入園・入学、クラス替えなど環境変化
•生活リズムの乱れ
•習い事や宿題量の増加
•対人関係の不安
•保護者の状況変化(転居・仕事・出産など)
大人と同じように子どもも日々ストレスにさらされており、これが粘膜免疫の低下として現れることがあります。

② 栄養バランスの乱れ

特に以下の栄養素不足が指摘されています:
•ビタミンB群
•鉄
•葉酸
•亜鉛
成長期の食生活が偏ると粘膜機能が低下し、アフタ性口内炎を繰り返すリスクが高まります。

③ 口腔環境のトラブル

•歯ブラシの強い接触
•頬や唇の粘膜を噛んでしまう癖
•歯並びの不正で粘膜に擦れる
•矯正装置による接触刺激
粘膜の微細損傷から炎症が起きるケースもあります。

④ 免疫機能の低下時

風邪や感染症後、ワクチン接種後、睡眠不足などで免疫力が落ちた時に症状が現れやすくなることもあります。

ストレスとの関連性は医学的にも指摘されています

アフタ性口内炎の発生要因として最も有力視されているのが、免疫反応の乱れです。
ストレスは免疫細胞の働きを抑制するとともに、粘膜の再生能力も低下させます。
特に子どもは環境変化や気持ちの揺れに敏感で、ストレス反応が体に出やすい傾向があります。
「学校が忙しくなった頃から繰り返し起きている」
「新しい習い事を始めてから増えた気がする」
といった保護者の声は珍しくありません。

病気が隠れている場合もあります

多くは一過性ですが、以下の場合は他の病気を疑うこともあります:
•月に何度も繰り返す
•潰瘍の数が多い
•発熱や倦怠感を伴う
•3週間以上改善しない

ベーチェット病や腸疾患など、全身疾患の初発症状として現れることもあります。
反復する場合は歯科だけでなく医科との連携も必要です。

自宅でできる対策

①お口の清潔を保つ

歯磨きは刺激の少ないやわらかめのブラシで。

②栄養バランスを整える

•ビタミンB群(レバー・卵・魚)
•亜鉛(肉・ナッツ類)
•鉄分(赤身肉・豆類)

過度な偏食がないかも確認しましょう。

③規則正しい生活習慣

•睡眠不足
•不規則な生活
•運動不足

は免疫低下につながりやすい要因です。

④ストレスサインを見逃さない

「学校どう?」「最近困ってることある?」
些細な会話も、子どものストレス軽減につながります。

歯科でできるケア

①刺激源の確認

•歯の鋭縁が粘膜を刺激していないか
•抜歯や外傷後の傷はないか
•歯並びによる接触はあるか

原因となる部位を評価します。

②レーザー治療で痛みの緩和

口内炎部分へレーザーを照射することで

•痛みの軽減
•治癒促進
•再発予防

が期待できます。
照射は数分程度で、子どもも受けやすい処置です。

③再発予防の環境調整

唾液分泌、口呼吸傾向、磨き方、舌癖なども含め総合的に評価します。

ストレスと口内の不調は密接に関連しています

アフタ性口内炎は、子どもの心と体のバランスが崩れているサインであることも少なくありません。
•学校環境の変化
•生活リズムの乱れ
•保護者・兄弟との関係性
こうした背景を理解しながらケアする姿勢が大切です。
繰り返す場合や痛みが強い場合は、歯科医院での診察をおすすめします。

まとめ

✔ アフタ性口内炎は子どもにも繰り返し起こり得る
✔ 背景にはストレスや免疫低下が関係
✔ 栄養不足や口腔刺激も要因となる
✔ 再発性の場合は専門的評価が必要
✔ 歯科ではレーザー治療などで痛み緩和と回復促進が可能

「そのうち治る」と放置するのではなく、
頻度が多い場合は一度専門的なチェックを受けることで、原因を明確にし再発を抑えることができます。

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鼻づまりと歯並びの関係 ― アデノイド肥大がもたらす口腔機能への影響

はじめに

「子どもがいつも口を開けている」「寝ているときにいびきをかく」「口呼吸が多い」――
そんな様子に気づいたことはありませんか?
実は、その“鼻づまり”の裏に、歯並びや顎の成長に関わる深い問題が隠れていることがあります。
中でも代表的なのが、アデノイド肥大。鼻の奥にあるリンパ組織が大きくなることで、鼻呼吸を妨げ、長期的には口腔機能や歯列の発達に影響を及ぼします。
今回は、鼻づまりと歯並びの関係、そして歯科的視点からのアプローチについて詳しく解説します。

アデノイドとは?

アデノイドとは、鼻の奥(鼻咽頭)の上部にあるリンパ組織のことで、正式には「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」と呼ばれます。
免疫の働きを担う器官で、ウイルスや細菌をブロックする役割を果たします。
しかし、3〜6歳ごろに最も大きくなりやすく、成長に伴って自然に小さくなるのが一般的です。
それでも、肥大が強い場合や慢性的な鼻炎・アレルギーがある場合には、呼吸や睡眠、顔の成長にまで影響を及ぼすことがあります。

アデノイド肥大によって起こる「鼻づまり」

アデノイドが大きくなると、鼻の奥の通り道(上咽頭)が塞がれ、空気の流れが悪くなります。
その結果、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸をする癖がついてしまいます。

よくある症状

•常に口が開いている
•いびきや無呼吸が見られる
•鼻声(声がこもる)
•食事中に口が閉じられない
•集中力が続かない

これらは単なる“鼻づまり”ではなく、呼吸・睡眠・発達に関わるサインでもあります。

鼻づまりが歯並びに影響する理由

1. 口呼吸による顎の発育抑制

鼻づまりが続き口呼吸が習慣化すると、舌が下がった位置に固定され、上あご(口蓋)の発育が妨げられます。
本来、舌が上あごに触れることで内側から骨を押し広げ、横幅のある健全な歯列を作ります。
しかし、舌が下がるとこの力が働かず、上顎が狭く高く(狭窄歯列) なり、歯が並びきらなくなります。

2. 顔貌(がんぼう)への影響

口呼吸が続くと、下顎が後退し、口元が出て見える「出っ歯(上顎前突)」の傾向になります。
また、口が常に開いているため、“ロングフェイス(縦に長い顔)” になることも。
これは骨格形成期に多い特徴であり、早期介入が重要です。

3. 唾液分泌の低下と虫歯リスク

口呼吸では口腔内が乾燥し、唾液による自浄作用が低下します。
その結果、虫歯や歯肉炎が起こりやすくなり、さらに口臭の原因にもなります。

口腔機能への影響

アデノイド肥大による鼻づまり・口呼吸は、単に「歯並びの乱れ」だけでなく、口腔機能全体にも影響します。

舌・唇・頬の筋バランスが崩れる

•舌が下がることで舌圧が低下し、発音が不明瞭になる
•唇を閉じる筋肉(口輪筋)が弱くなる
•食べこぼしや「クチャクチャ食べ」などの咀嚼異常

嚥下(えんげ:飲み込み)の異常

舌を正しく使えないことで、飲み込みの際に前歯を押し出すような異常嚥下癖が定着します。
これも歯列不正の原因になります。

ご家庭で気づけるサイン

保護者の方が早期に気づくことが、口腔機能の健全な発達にとって非常に重要です。
チェックしてみましょう
•口をぽかんと開けている
•寝ているときにいびきをかく
•鼻声・発音がこもる
•食事中に口を閉じられない
•顔が長く見える、口元が出てきた
これらの症状が見られる場合、耳鼻科と歯科の連携が必要です。

歯科でできるサポート

伊皿子おおね歯科医院では、アデノイド肥大や鼻づまりによる口呼吸の影響を考慮し、口腔機能発達支援を行っています。

当院の取り組み

•スマイルキッズプログラム
定期検診のたびに、呼吸・姿勢・歯列・舌の位置を総合的にチェック。
•MFT(口腔筋機能療法)
舌や唇の筋力を鍛えるトレーニングを通じて、口呼吸から鼻呼吸への移行をサポート。
•矯正専門の女医による治療
歯列や顎の発育を専門的に評価し、必要に応じて早期矯正や拡大装置などで骨格の成長をサポート。
鼻づまりそのものの治療は耳鼻科領域ですが、歯科では「口呼吸によって崩れた機能の回復」を担います。

よくある質問(Q&A)

Q1. アデノイド肥大は自然に治りますか?

成長とともに小さくなるケースもありますが、長期間の鼻づまりや口呼吸が続く場合は医師の診察が必要です。

Q2. 鼻呼吸に戻すにはどうすればいいですか?

耳鼻科での鼻づまり治療と並行して、歯科でMFTや呼吸トレーニングを行うことが効果的です。

Q3. 歯列矯正で鼻呼吸も改善しますか?

骨格的な制限が緩和されることで鼻腔が広がり、結果的に呼吸しやすくなる場合もあります。

ただし、原因がアデノイドにある場合は耳鼻科での治療が優先です。

まとめ

鼻づまりやアデノイド肥大は、単なる「呼吸の問題」ではなく、歯並び・顎の成長・口腔機能の発達に密接に関わっています。
放置すると、出っ歯や開咬、口呼吸の固定化など、さまざまな形で将来的な影響を残すことがあります。
早期に気づき、耳鼻科と歯科の両面からアプローチすることで、
子どもの健やかな呼吸と美しい歯並びを守ることができます。
お子さまが「いつも口を開けている」「鼻づまりが続いている」ようであれば、
ぜひ一度、歯科医院でお口と呼吸の状態をチェックしてみてください。

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舌の位置が歯並びを変える? ― 安静時舌位と歯列発達の深い関係

はじめに

「舌の位置で歯並びが変わる」と聞くと、少し意外に感じるかもしれません。
しかし、実際には舌の位置(舌位:ぜつい)は、歯列や顎の発達に大きな影響を与えます。
特に成長期の子どもにとって、舌の正しい位置を保つことは、きれいな歯並びや正しい呼吸・発音を育む上で非常に重要です。
本コラムでは、安静時舌位(舌がリラックスしているときの位置) に焦点を当て、なぜ舌の位置が歯並びを左右するのか、そしてどのように改善できるのかを詳しく解説します。

舌の正しい位置(安静時舌位)とは?

安静時舌位とは、何もしていない状態――つまり「口を閉じて、リラックスしているとき」に舌がどこにあるかを指します。

正しい舌の位置

•舌の先端が上あごの「スポット」と呼ばれる部分(上の前歯のすぐ後ろ)に軽く触れている
•舌全体が上あご(口蓋)に沿ってぴったりくっついている
•唇は自然に閉じ、鼻で呼吸している

この状態を「正しい安静時舌位」と呼びます。

舌の位置が悪いとどうなるの?

舌の位置が下がったり、前に出ていたりすると、歯並びや顎の発達に悪影響を与えることがあります。

舌が下がると…

•上あご(口蓋)の成長が十分に広がらない
•口呼吸になりやすく、口腔乾燥を引き起こす
•噛み合わせが深くなる、出っ歯になりやすい

舌が前に出ると…

•「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」と呼ばれる癖がつき、歯を前方に押し出す
•前歯が閉じない「開咬(かいこう)」の原因になる
•発音が不明瞭になる(特に「さ行」「た行」「な行」など)

舌と歯並びの関係:なぜ影響するの?

歯並びは「舌・唇・頬の力のバランス」で保たれています。
舌が内側から歯を外へ押し出す力、唇や頬が外から内へ押す力が、互いに釣り合うことで歯が正しい位置に並びます。
しかし舌の位置が下がっていると、このバランスが崩れます。

バランスが崩れるとどうなる?

•舌の押し出し力が強い → 出っ歯(上顎前突)
•舌が下がりすぎる → 下顎が後退し、二重あごや口呼吸傾向に
•舌が左右どちらかに偏る → 歯列のゆがみ(交叉咬合)

つまり、舌の位置=歯並びの土台なのです。

舌位が悪くなる原因

1. 口呼吸

口で呼吸をしていると、舌が自然と下がった位置に固定されやすくなります。

2. 舌小帯短縮症

舌の裏にあるヒモ状の組織(舌小帯)が短いと、舌を上に持ち上げにくく、上あごにつけることができません。

3. 幼少期の食習慣

やわらかい食べ物ばかり食べていると、舌や顎の筋肉が十分に発達せず、正しい舌の位置を保ちにくくなります。

4. 姿勢の悪さ

猫背などで頭が前に出ると、舌が下方向へ引っ張られ、口呼吸になりやすくなります。

舌の位置を整えるためのトレーニング

舌の位置は意識とトレーニングによって改善できます。
歯科医院で行うMFT(口腔筋機能療法)は、舌・唇・頬の筋肉のバランスを整えるためのトレーニング法です。

基本的なトレーニング例

1.スポットトレーニング
舌の先を上あごの「スポット」に軽く当てて5秒キープ。これを1日数回繰り返します。
2.ポッピング練習
舌を上あごにつけて「ポン」と音を鳴らします。舌をしっかり上げる感覚を身につけます。
3.ストロー吸引練習
ストローを使って飲み物を吸う練習。舌と口輪筋を同時に鍛えられます。

これらは遊び感覚でできるため、小さなお子さまでも無理なく継続できます。

ご家庭で気をつけたいポイント

•食事中は「鼻呼吸」「口を閉じて噛む」ことを意識する
•柔らかい食事ばかりにならないよう注意する
•姿勢を正して食べる(足裏が床につくように)
•舌を出す・舌で歯を押す癖があれば早めに相談

当院での取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、お子さまの舌の動きや位置を定期的にチェックし、
スマイルキッズプログラムの一環として口腔機能の発達をサポートしています。
必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)を導入し、舌の正しい位置や動かし方をトレーニング。
また、矯正を専門的に行う女医の矯正医が在籍しており、歯列と顎の成長を総合的に評価しています。

よくある質問(Q&A)

Q1. 舌の位置は自分で意識すれば治りますか?

一定の改善は可能ですが、筋肉バランスや呼吸の癖が関係している場合は、MFTなどの専門的指導が効果的です。

Q2. 舌が上に届かないのは異常ですか?

舌小帯短縮症の可能性があります。歯科医院で舌の動きを確認してもらいましょう。

Q3. 何歳から舌のトレーニングを始められますか?

3~4歳頃から可能です。成長に合わせた軽いトレーニングで、自然に習慣化できます。

まとめ

舌の位置は、歯並びや顎の発達だけでなく、呼吸・発音・姿勢にも深く関わっています。
「舌が下がっている」「口が開いている」「食べ方が気になる」といったサインが見られたら、
それは口腔機能発達の乱れを知らせる“お口からのメッセージ”かもしれません。
お子さまの将来の歯並びと健康のために、まずは舌の位置を見直してみましょう。

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子どもの食べ方に現れるサイン ― クチャクチャ食べは口腔機能発達不全のサイン?

はじめに

「食事のときにクチャクチャ音を立てる」「口を開けたまま食べる」――
そんな食べ方が気になるお子さんはいませんか?
実はこのような「クチャクチャ食べ」には、口腔機能の発達に関わるサインが隠されている場合があります。
見た目のマナーだけでなく、噛む力・飲み込む力・口唇の閉じる力などが未発達であることが背景にあるのです。
本コラムでは、子どもの食べ方からわかる口腔機能の発達状態や、早期に気づくためのポイント、歯科医院での対応について詳しく解説します。

クチャクチャ食べとは?

「クチャクチャ食べ」とは、食事中に口を開けたまま咀嚼して音を立てる食べ方 のことです。
単なる癖やマナーの問題と考えられがちですが、実際には口唇閉鎖力(唇を閉じる力)や咀嚼機能、嚥下(飲み込み)の発達不足が関係していることが多くあります。

クチャクチャ食べの原因

1.口唇圧・口輪筋の未発達

唇をしっかり閉じる力が弱いと、咀嚼中に自然と口が開いてしまい、食べ物や空気が漏れてしまいます。

2.舌の動きの問題

舌の動きが未熟だと、食べ物を左右に移動させることができず、効率的に噛めません。結果的に、長時間クチャクチャ噛むことになります。

3.咀嚼筋の弱さ

やわらかい食べ物ばかり食べていると、咀嚼筋(咬筋・側頭筋など)が十分に発達せず、噛む力が弱くなります。

4.姿勢の悪さ

猫背や前かがみ姿勢では下顎の動きが制限され、正しい咀嚼リズムが崩れます。特に食卓の高さや椅子の位置が合っていないと、口の動きにも影響します。

5.鼻呼吸ができていない

鼻が詰まっている・口呼吸が習慣化していると、口を閉じて食事することが難しくなります。これもクチャクチャ食べの大きな要因です。

クチャクチャ食べがもたらす影響

1. 噛む力・飲み込む力の発達遅れ

食べ物をよく噛まないまま飲み込むため、咀嚼筋や舌筋の発達が遅れます。

2. 歯並びへの悪影響

口呼吸や唇の閉鎖不全が続くと、歯列が前に傾いたり、開咬や出っ歯を引き起こすことがあります。

3. 発音・構音への影響

舌や唇の使い方が不安定なまま成長すると、「さ行」「た行」などの発音が不明瞭になることがあります。

4. 消化への負担

しっかり噛まずに飲み込むため、胃腸に負担がかかり、消化不良を起こしやすくなります。

口腔機能発達不全症との関係

文部科学省や厚生労働省でも注目されている「口腔機能発達不全症」とは、食べる・話す・呼吸するなどの基本的な口の働きに問題が見られる状態を指します。
クチャクチャ食べは、その初期サインの一つ と考えられます。

•しっかり噛めない
•飲み込みが遅い
•食事中に口が開いている
•食べこぼしが多い

こうした行動が見られる場合、早期に対応することで発達の遅れを防ぐことができます。

ご家庭でできるチェックポイント

•食事中に口が開いていないか
•よく噛んでいるか、すぐ飲み込んでいないか
•食べこぼしが多くないか
•姿勢が崩れていないか
•食後に疲れた様子を見せないか

これらのサインが複数当てはまる場合は、口腔機能の評価をおすすめします。

改善のためにできること

1. 食事環境を整える

•椅子の高さを調整し、足裏が床につく姿勢で食べる
•スプーンや箸の持ち方を正しくサポートする
•テレビやスマホを消して、集中して食事する習慣を

2. 食材の工夫

•噛みごたえのあるメニューを少しずつ取り入れる
•よく噛む必要のあるおやつ(小魚・りんご・するめなど)を活用

3. 鼻呼吸を促す

鼻づまりがある場合は耳鼻科で治療を受けましょう。鼻で呼吸できることが正しい食べ方の基本です。

4. お口のトレーニング(MFT)

•ストローを使った吸う練習
•唇を閉じたまま風船を膨らませる
•舌を上あごにつけて「ポン」と音を出す

こうしたトレーニングで、口唇や舌、頬の筋力をバランスよく育てます。

歯科医院での対応

伊皿子おおね歯科医院では、お子さま一人ひとりの発達段階に合わせて口腔機能のチェックを行っています。
「スマイルキッズプログラム」を通じて、食べ方・飲み込み方・呼吸の状態などを総合的に評価し、必要に応じて MFT(口腔筋機能療法) を取り入れた改善指導を行います。
また、矯正を専門的に行う女医のドクターが在籍しているため、歯並びや顎の発育との関係についても専門的にサポートできます。

よくある質問(Q&A)

Q1.クチャクチャ食べは放っておくと治りますか?

一時的な癖で治る場合もありますが、長期間続く場合は筋力や機能の発達遅れが関係している可能性があります。

Q2.トレーニングは何歳から始められますか?

3歳頃から簡単な口の運動を取り入れることができます。小学校低学年までに始めると効果的です。

Q3.家で気をつけることはありますか?

「口を閉じて食べようね」と声かけするだけでなく、食事環境(姿勢・高さ・硬さ)も整えることが大切です。

まとめ

クチャクチャ食べは、単なるマナーの問題ではなく、口腔機能発達不全のサイン である可能性があります。
子どもの食べ方や姿勢、呼吸を日々観察し、気になる兆候があれば早めに歯科医院で相談しましょう。
正しい咀嚼と呼吸の習慣は、将来の歯並びや顔の発育、発音にも大きく関わります。

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口唇圧の弱さが引き起こす「口呼吸」の連鎖 ― お口の筋力と正しい呼吸の関係

はじめに

「いつも口が開いている」「口呼吸をしている」――そんなお子さんの姿を見たことはありませんか?
このような状態の背景には、口唇圧(こうしんあつ)=唇を閉じる力の弱さ が関係していることがあります。口唇圧が低下すると、自然と口が開き、呼吸の仕方や歯並び、顔の発育にまで影響が及ぶことがあります。
本コラムでは、口唇圧の重要性と、口呼吸との関係、そして改善のための歯科的アプローチについて解説します。

口唇圧とは?

口唇圧とは、上下の唇を閉じるための筋肉(口輪筋)の力のことです。
この筋力は、哺乳期からの吸啜(きゅうてつ)運動や咀嚼、発音などを通じて発達していきます。

口唇圧が弱いと起こること

•唇が常に開いている(口唇閉鎖不全)
•口呼吸が習慣化する
•食べ物をこぼしやすい
•発音が不明瞭になる
•顔の筋肉がたるみやすくなる

「口呼吸」の悪循環

口唇圧が弱くなると、口を閉じておくのが難しくなり、自然と口呼吸が習慣化します。
一見、軽い癖のように見えますが、口呼吸はお口や全身にさまざまな悪影響をもたらします。

口呼吸によるリスク

口腔乾燥:唾液が蒸発しやすく、虫歯・歯周病のリスクが上昇
歯並びの乱れ:舌や頬の力のバランスが崩れ、出っ歯・開咬などを引き起こす
感染症リスクの上昇:鼻のフィルター機能が使えず、ウイルスが直接喉へ侵入
集中力・睡眠の質の低下:浅い呼吸になり、酸素の取り込みが減少

口唇圧の発達と成長期の影響

口唇圧は、乳児期から学童期にかけて発達します。
離乳期に適切な咀嚼訓練が行われなかったり、やわらかい食事が中心になると、口唇や舌の筋肉が十分に使われず、発達が遅れてしまうことがあります。
特に、

•長期間の指しゃぶり
•頬杖
•舌突出癖

といった「口腔習癖」があると、口唇圧の低下を助長します。

歯並び・顔貌への影響

口唇圧が低下し、口呼吸が続くと、骨格的な変化にもつながります。

よく見られる特徴

•上顎前突(出っ歯)
•開咬(前歯が閉じない)
•下顎の後退(口元が前に出て見える)
•顔が縦に長くなる(ロングフェイス)

これらは成長期に形成されるため、早期の対応がとても大切です。

改善と予防のために

ご家庭でできること

•よく噛む習慣をつける(硬めの食材・小さめの一口)
•姿勢を正して食べる
•鼻づまりの改善(耳鼻科との連携)
•口を閉じる意識を促す声かけ

歯科医院でのアプローチ

MFT(口腔筋機能療法):口輪筋や舌の筋肉を鍛えるトレーニングを実施
口唇圧の測定:専用機器で客観的に評価し、経過を確認
歯列矯正:噛み合わせや顎の発育をサポート
姿勢・呼吸指導:全身のバランスも含めてトレーニング

当院での取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、お子さまの発達段階に合わせた口腔機能評価を行っています。
定期検診時に「スマイルキッズプログラム」を通じて、口唇圧・舌の動き・歯並びなどをチェックし、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)を取り入れています。
また、矯正を専門的に行う女医が在籍しているため、成長期における歯並びや呼吸の問題にも専門的な視点から対応が可能です。

「りっぷるくん」を導入しました

当院では、お子様からご年配の方まで、安全・簡単に口唇閉鎖力(唇を閉じる力)を測定できる装置「りっぷるくん」を導入いたしました。
詳細に関しましては、小児歯科のページをご確認ください。

よくある質問(Q&A)

Q1.口唇圧は自然に強くなりますか?

日常生活で適切な食習慣や姿勢が保たれていれば発達しますが、低下している場合はMFTなどの訓練が必要です。

Q2.口呼吸はすぐに治せますか?

原因が鼻づまりや歯並びの場合は、それぞれの治療を並行して行う必要があります。

Q3.家でできるトレーニングはありますか?

ストローを使った吸い込み練習や、唇を閉じて息を止める練習など、簡単なMFTを家庭でも実践できます。

まとめ

口唇圧の低下は、単に「口が開いているだけ」ではなく、呼吸・発音・歯並び・顔の成長 すべてに関わる問題です。
小さなうちから正しい呼吸とお口の筋力を整えることが、将来の健康な歯並びと美しい口元を育てる第一歩です。
気になる症状があれば、早めに歯科医院で相談してみましょう。

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口角炎の原因と対策 ― 栄養不足?口呼吸?見逃されがちな口周りの炎症

はじめに

「口の端が切れて痛い」「笑うとピリッと裂ける」――そんな経験はありませんか?
このような症状の多くは 口角炎(こうかくえん) と呼ばれる口の端の炎症によるものです。
乾燥や口呼吸、栄養不足、カンジダ菌など原因はさまざまで、放置すると痛みが悪化して食事や会話がしにくくなることもあります。
本コラムでは、口角炎の原因や悪化を防ぐポイント、そして歯科医院での治療について詳しく解説します。

口角炎とは?

口角炎とは、唇の端(口角)にできる炎症やただれのことをいいます。
正式には「口角びらん」「口角裂傷」などとも呼ばれ、乾燥や細菌・真菌感染などが関与して発症します。

主な症状

•口の端が切れる・かさぶたができる
•食事や会話で痛みが走る
•唇が乾燥して赤くなる
•時にかゆみや出血を伴う

症状が軽い場合は自然に治ることもありますが、繰り返す・長引く口角炎 は、体の不調や生活習慣が関係している場合もあります。

口角炎の主な原因

1.乾燥・口呼吸

乾燥した環境や口呼吸の習慣があると、口角の粘膜が常に外気にさらされ、ひび割れやすくなります。
特に、口唇閉鎖不全症(ポカン口) があるお子さんでは、睡眠中の乾燥が悪化要因となることがあります。

2.唾液の刺激

無意識に唇を舐める癖があると、唾液が蒸発する際に水分だけでなく皮膚の油分まで奪い、余計に乾燥を進行させます。

3.栄養不足

ビタミンB2・B6、鉄、亜鉛などの栄養素が不足すると、粘膜の修復機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。
成長期の子どもや偏食のある方では特に注意が必要です。

4.真菌(カンジダ)や細菌の感染

口腔内に常在するカンジダ菌や黄色ブドウ球菌が繁殖すると、炎症が長引いたり再発を繰り返すことがあります。
特に入れ歯のある高齢者や、口呼吸傾向のある方に多く見られます。

5.唇や皮膚への刺激

マスクの摩擦やリップクリームの成分、アレルギー反応などが原因となる場合もあります。

子どもや若年層にも多い「口角炎」

以前は高齢者に多い症状とされていましたが、近年は子どもや若い世代でも増加傾向にあります。
背景には以下のような要因が考えられます。

•口呼吸の増加(口唇閉鎖不全・アレルギー性鼻炎など)
•食事の偏り・栄養バランスの乱れ
•マスク生活による口周りの蒸れと乾燥
•唇を舐める癖や爪噛みなどの習慣

見た目の軽い炎症でも、繰り返すうちに「慢性口角炎」となり、皮膚が厚く硬くなって治りにくくなることもあります。

放置するとどうなる?

•痛みで食事や会話がつらくなる
•感染が拡大して頬や口唇に広がる
•唇を動かすたびに傷が開き、治りにくくなる
•子どもの場合、口呼吸や唇舐め癖がさらに悪化する

一度悪循環に入ると、なかなか自然治癒しにくくなります。

ご家庭でできるケア・予防法

1. 保湿ケア

ワセリンなど刺激の少ない保湿剤を使い、口角の乾燥を防ぎます。香料入りやメントール入りのリップクリームは避けましょう。

2. 食生活の見直し

•レバー・卵・納豆・緑黄色野菜などでビタミンB群を補給
•魚介類・赤身肉などで鉄や亜鉛を摂取
•水分をしっかり取り、口腔内の乾燥を防ぐ

3. 唇を舐めない

唾液が蒸発すると乾燥が進みます。お子さんには「唇を舐めないようにしようね」と優しく声かけを。

4. 鼻呼吸を促す

鼻づまりや口呼吸が原因の場合は、耳鼻科で治療を受けることも重要です。

歯科医院での対応

口角炎が長引く場合や繰り返す場合は、歯科医院でのチェックをおすすめします。

診察内容の一例

•口腔乾燥や口唇閉鎖不全の有無を確認
•栄養状態や生活習慣のヒアリング
•カンジダ感染の有無を検査
•必要に応じて抗真菌薬・抗菌薬の処方

また、口腔内や舌の状態、入れ歯・マウスピースなどの器具による刺激も原因となるため、合わせて確認します。

当院での取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、口角炎を単なる皮膚トラブルとしてではなく、口腔機能や生活習慣の乱れのサインとして捉え、総合的に診察しています。
お子さまの場合は、スマイルキッズプログラムの一環として口唇の閉鎖力や呼吸の状態をチェックし、必要に応じて**MFT(口腔筋機能療法)**を行うことで再発防止につなげています。
また、栄養指導や保湿・衛生管理の方法についても、年齢に合わせて丁寧にアドバイスしています。

よくある質問(Q&A)

Q1.口角炎はうつりますか?

基本的にはうつりませんが、カンジダや細菌感染が関係している場合は、家族間でタオルや食器の共有を避ける方が安心です。

Q2.リップクリームで治りますか?

軽症なら保湿で改善することもありますが、痛みや出血がある場合は薬剤による治療が必要です。

Q3.何科を受診すればいいですか?

歯科、皮膚科、耳鼻科のいずれでも対応できますが、口呼吸や咬合(噛み合わせ)などが関係する場合は歯科での評価が有効です。

まとめ

口角炎は「乾燥」や「唇の裂け」だけでなく、口呼吸・栄養状態・口腔環境と密接に関係する症状です。
再発を繰り返す場合は、根本的な原因を見極め、生活習慣・栄養・お口の機能を整えることが大切です。
気になる症状が続く場合は、早めに歯科医院へご相談ください。

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お口の健康は姿勢から ― 座り方・噛み方・呼吸の意外な関係

はじめに

「食事中に子どもが前かがみになっている」「背中を丸めて噛んでいる」「片方の歯ばかりで噛んでいる」――
そんな様子を見たことはありませんか?
実は、これらの“姿勢のクセ”はお口の健康と深い関係があります。
姿勢が悪いと噛み方や飲み込み方、そして呼吸の仕方まで影響し、結果的に歯並びや口腔機能の発達に悪影響を及ぼすことがあります。
今回は、「姿勢」と「お口の健康」の関係をわかりやすく解説し、家庭でできる予防と改善のポイントを紹介します。

姿勢が口腔機能に与える影響とは?

人間の身体は全体がバランスでつながっています。
そのため、姿勢が崩れると、顎・舌・唇などお口の動きにも影響が及びます。

不良姿勢による悪循環

1.猫背や前かがみ姿勢になる
2.顎が下がり、口が開きやすくなる
3.舌が下に落ち、口呼吸になりやすい
4.口の中が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが上昇

つまり、姿勢が悪い=口腔内のバランスが崩れるという構図です。

正しい姿勢で「噛む力」が変わる

咀嚼(そしゃく)において、姿勢は非常に重要です。
背中が丸まっている状態では、下顎の動きが制限され、効率的に噛むことができません。

姿勢が悪いと起こること

•片側だけで噛む「偏咀嚼(へんそしゃく)」になる
•顎関節に負担がかかる
•舌の動きが制限され、飲み込みにくくなる
•食べ物をよく噛めず、消化に悪影響

正しい姿勢で座るだけでも、顎の位置が安定し、噛む筋肉がしっかり働きます。

姿勢と呼吸の関係

姿勢が悪くなると、自然と呼吸も浅くなります。
特に猫背は胸郭(きょうかく)を圧迫し、肺が十分に広がらなくなるため、呼吸がしにくくなります。
このとき、鼻ではなく口から息をする「口呼吸」が習慣化しやすくなります。

口呼吸がもたらす影響

•口腔乾燥による虫歯・歯周病リスク増加
•口臭の悪化
•出っ歯・開咬など歯並びの乱れ
•睡眠時のいびきや無呼吸

鼻呼吸を保つには、姿勢を整えて気道を確保することが欠かせません。

子どもに多い「姿勢と噛み方のズレ」

成長期の子どもは、身体のバランスや筋力が未熟なため、姿勢の崩れがそのまま噛み方の偏りに直結します。

よくあるケース

•食事中に肘をつく
•片足を組む
•顔を片側に傾けて噛む
•足が床に届いていない椅子で食べる

これらの姿勢は、顎の発育の左右差や歯列のゆがみを招くことがあります。

ご家庭でできる「正しい姿勢」づくり

1.足の裏がしっかり床につく高さの椅子を使う

足が宙ぶらりんだと体が安定せず、前かがみになりやすくなります。

2.テーブルの高さは、肘が90度に曲がる程度に

高すぎると肩が上がり、低すぎると背中が丸まります。

3.背もたれに軽く背中を預ける

背筋を無理に伸ばす必要はなく、自然に座れる姿勢を意識しましょう。

4.口を閉じて鼻呼吸を意識

食事中・安静時ともに「口を閉じる」が基本です。

5.食後に姿勢チェック

家族で鏡を見ながら姿勢を確認するのもよい習慣です。

歯科医院でのサポート

伊皿子おおね歯科医院では、噛み合わせや顎の動き、姿勢との関連を含めた総合的な口腔機能チェックを行っています。
お子さまには「スマイルキッズプログラム」を通じて、歯並びや咀嚼習慣、呼吸の状態を定期的に確認し、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)を導入しています。
また、矯正を専門的に行う女医ドクターが在籍しており、成長段階に応じた姿勢・咬合の指導も可能です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 子どもの姿勢は自然に治りますか?

成長とともに改善することもありますが、長期間悪い姿勢が続くと、骨格の発育や歯並びに影響します。早めの介入が大切です。

Q2. 姿勢矯正ベルトや椅子は必要ですか?

一時的なサポートにはなりますが、根本的な改善には「正しい姿勢を保つ意識」と「筋力の発達」が不可欠です。

Q3. 歯科で姿勢まで見てもらえるのですか?

はい。当院では咬合(噛み合わせ)や呼吸と姿勢の関係を重視し、必要に応じて専門的に評価・アドバイスを行っています。

まとめ

姿勢は見た目の問題だけでなく、噛む力・呼吸・発音・歯並びなど、口の健康と密接に関わっています。
毎日の食事や勉強中の姿勢を少し意識するだけで、お口の発達や全身の健康が大きく変わります。
お子さまの「食べ方」や「姿勢」に気になる点があれば、早めに歯科医院でチェックを受けてみましょう。

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「噛めない子」が増えている? ― 現代の子どもに起こる咀嚼発達異常

はじめに

「最近の子どもはよく噛まない」「すぐ飲み込んでしまう」――
そう感じたことはありませんか?
近年、子どもの“噛む力(咀嚼機能)”の低下が問題視されています。
食生活の変化や生活環境の影響によって、咀嚼筋や顎の発達が不十分なまま成長し、「噛めない子」「噛まない子」が増えているのです。
本コラムでは、現代の子どもに見られる咀嚼発達異常の背景と、歯科から見た改善のヒントについて解説します。

咀嚼発達とは ― 噛む力は自然に育つもの?

子どもは生まれたときから噛む力を持っているわけではありません。
乳歯が生え始め、離乳食を通じて「飲み込む」「噛む」動作を経験しながら、徐々に口の筋肉や顎の発達が進んでいきます。
咀嚼の発達は大きく分けて次のステップで進みます。

1.ごっくん期(生後5〜6か月):舌を使って食べ物を喉へ送る
2.もぐもぐ期(7〜8か月):舌を上下に動かし、歯ぐきでつぶす
3.かみかみ期(9〜11か月):上下の顎を動かして噛む動作が始まる
4.完了期(1歳半〜3歳):奥歯を使ってしっかり噛み、咀嚼機能が発達

この一連の流れの中で、舌・頬・唇の筋肉が協調して働くようになります。

現代の子どもに多い「咀嚼発達異常」

本来なら自然に発達するはずの咀嚼機能。
しかし、近年では「うまく噛めない」「噛む回数が極端に少ない」など、発達の遅れが目立つ子どもが増えています。

よく見られる症状や特徴

•食べ物をすぐ飲み込む
•硬いものを嫌がる
•片側だけで噛む(偏咀嚼)
•食事に時間がかかる、もしくは極端に早い
•顎が小さく、前歯が出ている
•発音が不明瞭

これらは単なる「食べ方の癖」ではなく、口腔機能の発達不全が背景にある場合も少なくありません。

なぜ「噛めない子」が増えているのか?

1.食生活の変化

やわらかい食事、加工食品、ファストフードの普及により、顎を使う機会が減少しています。
昔と比べると、噛む回数はおよそ半分以下に減っているとも言われています。

2.姿勢や体幹の弱さ

姿勢が悪いと顎の動きが制限され、うまく噛むことができません。
体幹の筋肉が弱い子どもは、噛む力も弱くなる傾向があります。

3.鼻づまりや口呼吸

鼻呼吸ができないと、口が常に開いた状態(口唇閉鎖不全)になります。
その結果、舌が下がり、正しい咀嚼運動ができなくなります。

4.乳幼児期の離乳食の与え方

離乳食を「のどごし重視」で早く終わらせてしまうと、噛む経験が不足します。
本来は段階的に「噛む練習」を積むことが重要です。

咀嚼の発達が遅れるとどうなる?

噛む力が育たないと、単に食事の問題にとどまりません。

● 歯列・顎の発育への影響

•顎の成長が不十分で、歯が並びきらない
•開咬(前歯が閉じない)や出っ歯のリスク上昇
•舌の位置が低くなり、口呼吸の癖が固定化

● 消化・栄養吸収への影響

よく噛まないことで食べ物が細かくならず、消化器への負担が増えます。
また、満腹中枢が刺激されにくく、肥満傾向になることも。

● 発音・表情・集中力への影響

口周りの筋肉が発達しないと、発音が不明瞭になりやすく、表情筋の発達にも影響します。
さらに、咀嚼刺激が脳の活性化につながるため、噛まない子は集中力や学習意欲にも影響する可能性があります。

ご家庭でできる「噛む力」育成の工夫

1. 食材を変える

柔らかい食事ばかりではなく、繊維質や弾力のある食材を意識的に取り入れましょう。
例:にんじん・れんこん・きのこ・するめ・フランスパンなど

2. よく噛む習慣をつける

•「30回噛もう!」と声かけする
•一口量を少なくしてよく噛む
•家族で一緒にゆっくり食べる

3. 姿勢を整える

食事中は足が床につく椅子を使用し、背筋を伸ばして座るようにしましょう。
姿勢が崩れると、顎が下がって噛みにくくなります。

4. 鼻呼吸を促す

鼻づまりがある場合は耳鼻科で治療を。
食事中・睡眠中に口呼吸をしているようなら、歯科でも口唇閉鎖のチェックを受けましょう。

歯科医院でのチェックとサポート

伊皿子おおね歯科医院では、定期検診の際に咀嚼機能や口腔筋の発達状態も確認しています。
お子さまには「スマイルキッズプログラム」の一環として、噛み方・舌の動き・呼吸の状態などを総合的に評価。
必要に応じて、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れ、噛む力・飲み込み方・舌の位置を正しく導く訓練を行っています。
また、矯正を専門的に行う女医の矯正医が常勤しており、咬合発達と顎の成長を見守りながら、早期の介入・アドバイスを行っています。

よくある質問(Q&A)

Q1. 噛む力は自然に強くなりますか?

ある程度は自然発達しますが、食生活や姿勢などの影響を強く受けます。
意識的に「噛む練習」を取り入れることが重要です。

Q2. どのくらい噛めばいいの?

目安は一口につき「20〜30回」。
ゆっくり食べることが、咀嚼筋の発達と消化の両面に効果的です。

Q3. 噛まない癖は歯並びに影響しますか?

はい。特に偏咀嚼は、顎の成長バランスを崩し、将来的な歯列不正につながる可能性があります。

まとめ

現代の子どもたちの「噛む力」は、生活環境や食習慣の変化によって大きく影響を受けています。
噛むことは単なる食事動作ではなく、歯並び・顎の発達・脳の発育・姿勢・集中力にまで関係する、まさに“全身の発達を支える基本動作”です。
日々の食事の中で「よく噛む」習慣を育て、咀嚼機能の発達をサポートすることが、健やかな成長の第一歩です。
お子さまの「食べ方」「噛み方」「口呼吸」が気になる方は、ぜひ一度、歯科医院でチェックを受けてみてください。

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萌出性歯肉炎とは? ― 永久歯が生える時期に見られる歯ぐきの炎症

はじめに

「子どもの歯ぐきが腫れている」「歯が生えかけのところが赤くなって痛そう」――そんなとき、もしかするとそれは萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)かもしれません。
萌出性歯肉炎は、永久歯が生えるタイミングで起こる一時的な歯ぐきの炎症です。子どもの成長期によく見られる症状ですが、放置すると痛みや腫れが強くなり、歯磨きが難しくなって虫歯や歯周病につながることもあります。
今回は、萌出性歯肉炎の原因や症状、家庭での対処法、歯科医院での治療について詳しく解説します。

萌出性歯肉炎とは?

萌出性歯肉炎とは、歯が生えてくる際に歯ぐきの周囲で炎症が起きる状態をいいます。
特に、6歳前後に生えてくる「第一大臼歯(6歳臼歯)」や、前歯・犬歯・第二大臼歯が萌出する時期に多く見られます。

主な症状

•歯ぐきが赤く腫れる
•触れると痛む
•歯磨きのときに出血する
•一部の歯ぐきが盛り上がっている
•口臭が出ることがある

これらの症状は、歯の一部がまだ歯ぐきに覆われている段階で起こりやすく、汚れが溜まりやすい環境が原因となります。

萌出性歯肉炎が起こる原因

1. 歯ぐきの清掃不良

生えかけの歯の周囲は、歯ブラシが届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい場所です。細菌が繁殖して炎症を起こします。

2. 萌出スペースの狭さ

歯の生えるスペースが狭いと、歯ぐきが押し広げられて腫れやすくなり、炎症が長引くことがあります。

3. 噛み合わせの刺激

生えかけの歯が一部だけ当たると、歯ぐきが傷つき、痛みや炎症の原因になることがあります。

4. 口呼吸・口腔乾燥

口呼吸の習慣があると、歯ぐきが乾燥して炎症を起こしやすくなります。特に口唇閉鎖不全があるお子さんでは注意が必要です。

放置してはいけない理由

萌出性歯肉炎は自然に治ることもありますが、放置はおすすめできません

•炎症が強くなり、歯ぐきが化膿する(膿瘍形成)
•歯磨きができず、虫歯のリスクが上昇
•永久歯の萌出が遅れる
•口臭や不快感が続く

炎症を抑えながら、正しいケアで清潔な環境を保つことが重要です。

ご家庭でのケア方法

1.やさしく丁寧に歯磨きをする

腫れている部分は痛みがあるため、やわらかめの歯ブラシで優しく磨きましょう。歯ぐきと歯の境目を意識して、短いストロークで動かします。

2.うがいを活用

抗菌性のあるうがい薬や、ぬるま湯でのうがいを取り入れると、炎症の悪化を防げます。

3.食生活の工夫

刺激の強い食べ物(熱い・辛い・酸っぱいなど)は避け、歯ぐきを刺激しない食事を心がけましょう。

4.観察を続ける

腫れや痛みが長引く場合や、膿が出てきた場合はすぐに歯科を受診してください。

歯科医院での治療

1.プラーク・歯石の除去

専用器具で生えかけの歯の周囲を清掃し、炎症の原因を取り除きます。

2.消毒・洗浄

抗菌性の薬液で歯ぐきを洗浄し、炎症を抑えます。

3.レーザー治療

痛みや出血を抑えながら、炎症組織を除去することができます。近年では小児歯科でも導入が進んでいます。

4.ホームケア指導

歯磨きの方法や、口腔環境を整えるためのアドバイスを行います。

当院での取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、お子さまの歯の生え変わり時期に合わせて、スマイルキッズプログラムを通じた定期的なチェックと指導を行っています。
萌出期に起こりやすい炎症や歯並びの異常を早期に発見し、矯正を専門的に行う女医が在籍しているため、必要に応じて矯正的観点からの評価も可能です。
また、痛みに配慮した治療やレーザー機器による低侵襲治療にも対応しており、お子さまが安心して通える環境を整えています。

よくある質問(Q&A)

Q1. 萌出性歯肉炎は自然に治りますか?

軽度であれば自然に治まることもありますが、プラークが残ると長引くことがあります。早めの受診がおすすめです。

Q2. 痛みが強いときはどうすればいいですか?

冷たいタオルで軽く冷やす、刺激物を避けるなどで一時的に和らげられますが、歯科医院での消炎処置が確実です。

Q3. 永久歯の生えるスピードには個人差がありますか?

はい。成長や体質によって異なります。左右で時期がずれることもあるため、焦らず観察しましょう。

まとめ

萌出性歯肉炎は、永久歯の生え始めという成長の証でもありながら、同時にトラブルの起きやすい時期でもあります。
歯ぐきの腫れや痛みを見逃さず、早めにケアすることで健康的な歯の萌出をサポートできます。
もし「歯ぐきが腫れている」「歯磨きを嫌がる」といった様子が見られたら、早めに歯科医院へご相談ください。

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歯周病レーザー治療の効果とは? ― 炎症・出血を抑える低侵襲治療

はじめに

「歯磨きのときに出血する」「歯ぐきが腫れている」――こうした症状の多くは歯周病が原因です。歯周病は成人の約8割がかかるとされる国民病で、進行すると歯を失う大きな要因となります。これまで歯周病の治療は歯石除去や外科的処置が中心でしたが、近年はレーザー治療が注目されています。本コラムでは、歯周病におけるレーザー治療の効果や特徴について詳しく解説します。

歯周病とは?

歯周病は歯と歯ぐきの境目にプラーク(細菌の塊)がたまり、炎症が起きる病気です。

主な症状

•歯磨き時の出血
•歯ぐきの腫れ・赤み
•口臭の悪化
•歯がグラグラする

進行段階

1.歯肉炎:歯ぐきだけが炎症している状態
2.軽度歯周炎:歯槽骨が少し溶け始める
3.中等度歯周炎:歯の動揺が出てくる
4.重度歯周炎:歯槽骨が大きく失われ、歯が抜けてしまう

従来の治療法

歯周病治療の基本は歯石・プラークの除去です。

•スケーリング(歯石取り)
•ルートプレーニング(歯根の清掃)
•外科的治療(歯周ポケット掻爬やフラップ手術)

これらで改善することが多いですが、出血や痛み、治癒に時間がかかることもありました。

レーザー治療とは?

レーザーは光エネルギーを利用した治療機器で、歯科では軟組織(歯肉)の処置によく用いられます。歯周病治療においては、歯周ポケット内にレーザーを照射し、炎症組織や細菌を除去することで効果を発揮します。

歯周病レーザー治療の効果

1.炎症の抑制

レーザーには抗炎症作用があり、歯ぐきの赤みや腫れを改善します。

2.出血の抑制

止血作用があるため、処置中の出血を抑え、術後も腫れや痛みが少なくなります。

3.殺菌効果

歯周ポケット内の細菌を減らし、再感染を防ぐ効果が期待できます。

4.治癒促進

組織の再生を助け、治りを早めます。

メリットとデメリット

メリット

•痛みや不快感が少ない
•出血が少なく処置がスムーズ
•薬に頼らず治療できる
•短時間で施術可能

デメリット

•重度歯周病ではレーザー単独では限界がある
•医院によっては対応できない場合がある
•自費診療になることもある

ご家庭での予防が不可欠

レーザー治療は炎症や出血を抑える効果がありますが、歯周病そのものを完全に防ぐわけではありません。

予防のためにできること:

•毎日の丁寧な歯磨き
•デンタルフロス・歯間ブラシの活用
•定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア
•規則正しい生活とバランスの良い食事

当院での取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、歯周病の状態に応じてレーザー治療を取り入れています。できるだけ痛みを抑えた低侵襲な治療を心がけ、患者さまの不安を軽減するよう配慮しています。また、定期検診やメンテナンスを通じて歯周病の再発防止にも力を入れています。

よくある質問(Q&A)

Q1.レーザー治療は痛くありませんか?

照射中は温かさを感じる程度で、強い痛みはほとんどありません。

Q2.保険は使えますか?

症状や処置内容によって異なります。保険外(自費)になる場合もあるため、事前に確認してください。

Q3.どれくらいで効果が出ますか?

数日で腫れや出血が改善する方が多く、継続的に治療を行うことで再発予防につながります。

まとめ

歯周病は放置すると歯を失う恐れのある深刻な病気ですが、レーザー治療を取り入れることで炎症や出血を抑え、快適に治療を進めることができます。低侵襲で安全性が高いため、従来の治療に不安がある方や痛みに敏感な方に特におすすめです。
「歯ぐきから血が出る」「腫れている」と感じたら、ぜひ早めに歯科医院へご相談ください。

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