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歯科治療を支える“もうひとりの専門家” ― 歯科技工士の重要性について

歯科医院で治療を受けた際、患者さんが目にするのは歯科医師や歯科衛生士など、診療に直接かかわるスタッフがほとんどです。しかし、その治療の質を陰で大きく左右している“もうひとりの専門家”がいます。それが「歯科技工士」です。歯科技工士は患者さんと直接対面することは少ないものの、詰め物や被せ物、入れ歯、インプラントの上部構造など、口腔内に装着される“人工の歯”をつくり出すプロフェッショナルです。
本コラムでは、歯科技工士の役割や重要性について、一般の方にもわかりやすくご紹介します。

歯科技工士とはどんな職業か?

歯科技工士とは、歯科医師の指示のもと、義歯(入れ歯)や補綴物(詰め物・被せ物)、矯正装置などの製作を専門に行う国家資格保有者です。歯科技工士になるには、厚生労働省認定の専門学校や大学で所定の課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。
一見、モノづくりの職人のようにも思えますが、単なる「形をつくる」作業ではなく、医療の一部として患者さんの健康や生活の質(QOL)に直結する、非常に重要な役割を担っています。

歯科技工士の主な仕事

歯科技工士が製作するものには、以下のようなものがあります。
● クラウン(被せ物)・インレー(詰め物)
虫歯などで歯が欠損した部分を補うための人工物です。見た目やかみ合わせ、耐久性などを考慮し、素材もセラミック、ジルコニア、金属など様々あります。
● 義歯(入れ歯)
歯を失った場合に使用される部分入れ歯や総入れ歯も、歯科技工士が一つひとつ手作業で作ります。
● インプラントの上部構造
人工歯根(インプラント体)に装着する“歯”の部分。咬み合わせや周囲の歯との調和を考え、非常に高い精度と審美性が求められます。
● 矯正装置
歯並びやかみ合わせを整えるための装置も、患者さん一人ひとりの口腔内に合わせてカスタマイズされます。
これらの技工物はすべてオーダーメイドで、ミリ単位の精密な作業が求められます。

歯科技工士が重要とされる理由

1. 治療結果の質を左右する
どれほど歯科医師が丁寧に治療しても、最終的に口腔内に装着される技工物の出来が悪ければ、治療の効果は十分に発揮されません。審美性や機能性に優れた補綴物を提供するためには、歯科技工士の技術と経験が不可欠です。
2. 審美性と機能性の両立
前歯など見た目が重視される部位では、歯の色、形、透明感を自然に再現することが求められます。一方で奥歯では、咀嚼機能を重視した形態が必要です。こうした複雑な要求に応えるのが、歯科技工士の技術力です。
3. 患者ごとに異なるニーズへの対応
歯の大きさ、口の動き、咬合のクセなどは人それぞれ異なります。歯科技工士は、歯型や咬み合わせのデータをもとに、患者ごとに最適な形や構造を設計・製作します。

院内に歯科技工士がいなくても、質の高い補綴治療は可能です

当院には常勤の歯科技工士はおりませんが、長年連携している信頼性の高い外部歯科技工所と密に協力し、精度の高い補綴物をご提供しています。
技工所との連携においては、単に技工物の製作を依頼するだけでなく、写真や模型、咬合データの共有、治療設計に関する詳細なコミュニケーションを行っています。また、色合わせが必要な場合には、患者様に直接技工所に出向いていただき、技工士が立ち会って確認を行うことも可能です。
このような綿密な連携により、院内に技工士が常駐していなくても、高水準の補綴治療を提供する体制を整えております。

歯を「家」に例えると…

歯科医師と歯科技工士の関係をわかりやすく例えると、次のように表現されます。
• 歯科医師は「土台」を整える建築士・施工者
• 歯科技工士は「上物(家)」を美しく仕上げる職人
たとえば、虫歯や根の病気で大きく歯を削った場合、歯科医師が基礎工事を行い、土台を整えます。そして、その上に被せ物という“家”を建てるのが歯科技工士の役割です。どちらが欠けても、快適な“住まい”=お口の健康は実現しません。

おわりに ― 見えないところにこそ技術が宿る

普段、患者様の目に触れることのない歯科技工士ですが、私たちが口の中で毎日使う「人工の歯」は、すべて彼らの手によってつくられています。審美性・機能性・快適性を兼ね備えた補綴物の完成には、歯科医師と歯科技工士の信頼と連携が不可欠です。
当院では、確かな技術を持つ歯科技工所と協力し、患者様一人ひとりに適した、質の高い補綴治療を心がけております。治療後も自然な見た目と噛み心地が長く続くよう、見えない部分にもこだわった治療を提供しています。気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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