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離乳食と小児口腔機能発達 ― 食べ方から始まる予防法

はじめに:離乳食期は「口の発達」が始まる重要な時期

赤ちゃんの健やかな成長にとって、離乳食は単なる栄養補給ではありません。この時期は、噛む・飲み込む・舌を動かすなど、「口腔機能」が本格的に発達を始める極めて大切なステージです。つまり、離乳食の与え方や赤ちゃんの“食べ方”が、将来の歯並びや発音、さらには集中力や学習能力にもつながる基盤になるのです。

離乳食と小児口腔機能の深い関係

口腔機能とは、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった基本的な口の働きを指します。離乳食期はこれらの機能の“土台作り”の期間です。ミルクを吸う動きから、舌を動かし、唇を閉じ、咀嚼し、飲み込むといった一連の動作を学ぶ中で、自然と舌や唇、顎などの筋肉が育まれます。

離乳食のステップと口腔機能の発達段階

離乳食は「初期」「中期」「後期」「完了期」とステップを踏んで進めますが、これは栄養面だけでなく口腔機能の発達とも密接に関係しています。

– 初期(5〜6ヶ月)… 舌を前後に動かす練習
– 中期(7〜8ヶ月)… 舌を上下に動かし、口の中で食べ物を移動させる
– 後期(9〜11ヶ月)… 歯ぐきでの咀嚼が始まり、舌や頬の筋力が発達
– 完了期(12〜18ヶ月)… 前歯でかじる、奥歯で潰す、唇を閉じて飲み込む動作が完成

このステップを飛ばしたり遅らせたりすると、口腔筋機能の発達に偏りが生じることがあります。

よくある誤解とその影響

「むせないように」と、とろとろの食事を長期間与えすぎてしまうと、舌や唇、頬の筋肉を使うチャンスを逃してしまいます。また、前歯が生えてきても「食べやすいように」と細かく切って与えすぎると、かじる動作が育たず、発音や歯並びにも影響を与える可能性があります。

舌・唇・頬の筋力を育てる食べ方とは?

正しい口腔発達には、赤ちゃん自身が「自分で食べる」ことが重要です。スプーンを口に突っ込むのではなく、赤ちゃんが自分から口を閉じて取り込むようにしましょう。また、もぐもぐする回数が増えるように少しずつ固さを変え、筋肉を自然と使うように促していくことが大切です。

手づかみ食べと姿勢の重要性

「汚れるから…」と手づかみ食べを避けていませんか? 手で食べ物をつかみ、口に運ぶ過程は、手先の発達だけでなく口腔機能の発達にも大きな影響があります。特に、姿勢を正し、足裏がしっかり床についている状態で食事をすることで、噛む力・飲み込む力が安定し、全身の成長にもつながります。

食べる力が育つと将来にどうつながるか

離乳食期に正しい食べ方を身につけた子どもは、口呼吸や誤嚥のリスクが減少し、集中力・姿勢の安定にもつながるとされています。また、口腔機能が十分に発達することで、歯並びの問題や発音障害の予防にも効果があるといわれています。

歯科医院でのサポート

小児歯科では、食べ方や口腔の発達状況をチェックし、必要に応じて食育指導や口腔筋機能療法(MFT)を行うことができます。特に、口がポカンと開いている、よくむせる、食事に時間がかかるといったサインがある場合は、早期の相談がおすすめです。

まとめ:予防は離乳食から始まっている

むし歯や歯並びの問題、そして集中力や学力の低下――。これらはすべて、離乳食期の“食べ方”が深く関係しています。離乳食を単なる栄養補給ではなく、「お口の機能を育てる大切なトレーニング」と捉えて、日々の食事に向き合っていくことが、お子さんの健やかな未来につながる第一歩となるのです。

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