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「噛む力」が集中力を支える?― 口腔機能発達不全と学力低下の意外な関係

はじめに:口の発達が“脳の働き”に影響する?

「うちの子、集中力がないんです」「すぐにぼーっとしてしまう」――そうした悩みを抱える保護者は少なくありません。その原因のひとつに、“お口の機能”が関係していることをご存じでしょうか。実は、噛む・飲み込む・呼吸する・話すといった「口腔機能」がきちんと発達していないと、脳への酸素供給が滞り、集中力や学習効率に悪影響を与えることがあるのです。本コラムでは、口腔機能発達不全と学力・集中力との関連について詳しく解説します。

口腔機能発達不全とは?

口腔機能発達不全症とは、噛む・飲み込む・発音する・呼吸するなど、口に関する基本的な機能が年齢相応に発達していない状態を指します。この状態が続くと、栄養摂取や言語発達だけでなく、姿勢・睡眠・集中力など全身の発達にも影響を及ぼすことが知られています。

噛む・飲み込む・呼吸する ― 基本機能の未発達が及ぼす影響

口の機能は相互に連携しています。例えば、噛む力が弱いと食事に時間がかかり、エネルギー摂取や咀嚼刺激による脳の活性化が不十分になります。また、正しい飲み込みができないと誤嚥のリスクや、舌・頬・唇の筋力低下を招きます。そして特に重要なのが「呼吸」の問題。口呼吸の子どもは常に酸素が不足気味になり、睡眠の質が低下して、日中の集中力にも大きく影響を与えるのです。

咀嚼と脳の血流・集中力の関係

しっかりと「噛む」ことは、単なる消化の第一歩ではありません。咀嚼刺激は脳の前頭前野(思考・判断・記憶に関与)を活性化し、集中力や記憶力の向上に関与していることが、近年の研究でも明らかになっています。実際に、ガムを噛みながら学習したグループの方が、記憶テストの成績が高かったという報告もあります。

口呼吸の子はなぜぼんやりしやすいのか

口呼吸は、鼻呼吸と異なり、空気が直接のどや肺に入るため加湿やろ過の機能が働きません。その結果、風邪をひきやすく、また浅い呼吸になることで脳への酸素供給が不足しがちになります。慢性的な酸素不足状態にあると、疲れやすさ・倦怠感・集中力の低下を招くほか、口を常に開けている状態が続くと歯並びや姿勢の乱れにもつながります。

発音と学習の関係 ― 言語発達の遅れからくる学力低下

口腔機能のひとつである「発音」も、学力と深い関係があります。発音に問題があると、語彙力や読解力の発達が遅れる傾向があります。また、正確に話す力が弱いことで、国語を中心とした教科学習や友人とのコミュニケーションにも消極的になる場合があります。

よくある家庭のサイン(食事中の様子、姿勢、会話)

以下のような様子が見られる場合、お子さんの口腔機能発達に注意が必要です:

– 食事が極端に遅い/早い
– 噛まずに飲み込んでいる
– 食事中に口を開けたまま噛んでいる
– 話し方が不明瞭で、発音が気になる
– 口がいつもポカンと開いている
– 姿勢が悪く、猫背になりがち

これらのサインは、口腔機能発達不全の可能性を示す重要な手がかりとなります。

歯科医院でできるアプローチ(MFT、姿勢指導、早期介入)

歯科医院では、お口の発達状態を評価する検査を通じて、口腔機能発達不全の兆候を早期に見つけることができます。とくに有効なのが「MFT(口腔筋機能療法)」です。これは、舌・唇・頬などの筋肉をトレーニングすることで、正しい嚥下・発音・呼吸を身につける療法です。さらに、姿勢指導や生活習慣のアドバイスを通じて、総合的なサポートを受けることができます。

保護者が家庭でできる取り組み

– よく噛む習慣づけ(食材の固さや調理法の工夫)
– 姿勢を正して食事をする
– 鼻呼吸を意識させる遊び(風車、風船)
– 音読や発声練習で口の動きを促す
– ポカン口を見かけたら声かけを

日常生活の中で、さりげない声かけや工夫を加えることで、お子さんの口腔機能は大きく改善されていきます。

まとめ:学力の基礎は「よく噛める」ことから

お口の機能が未発達だと、噛む力・飲み込む力・話す力が十分に育たず、それが脳の働きや学習能力にまで影響することが分かってきました。歯科は「むし歯を治す」だけの場所ではなく、お子さんの将来の集中力・学力を支える重要な役割を担っています。気になる症状があれば、ぜひ一度歯科医院に相談してみてください。

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