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前歯が閉じない?――開咬(かいこう)の原因と治療法

「口を閉じても前歯が合わない」「食べ物を噛みにくい」「発音がしにくい」――こうした症状の背景にある可能性があるのが「開咬(かいこう)」です。見た目の問題にとどまらず、咀嚼・発音・呼吸・顎関節などさまざまな機能に影響を及ぼすことがあるため、早期の対応が求められる咬合異常のひとつです。
本コラムでは、開咬の基本的な理解から、原因、リスク、そして矯正歯科での治療法に至るまでをわかりやすく解説します。

第1章:開咬とは?

■ 定義

「開咬(open bite)」とは、上下の前歯が噛み合わず、前歯の間に隙間ができる咬合状態のことを指します。口を閉じた状態でも、前歯が接触せず、奥歯のみで咬んでいる状態が特徴です。

■ 分類

•前歯部開咬:もっとも一般的で、上下の前歯が開いている。
•側方開咬:左右の奥歯が接触せずに開いている。
•部分開咬:一部の歯のみが噛み合わない状態。

第2章:開咬の原因

■ 1. 習癖(くせ)

•指しゃぶりや**舌突出癖(舌で前歯を押すクセ)**が、長期間にわたって開咬を引き起こす主な要因です。
•口呼吸も開咬の形成に影響するとされ、慢性的な鼻づまりやアレルギーも関与します。

■ 2. 遺伝的要因

顎の骨格の大きさや形は遺伝するため、親子で同じような咬合異常が見られることもあります。**顎が垂直方向に長い骨格タイプ(過長顔型)**は開咬になりやすい傾向があります。

■ 3. 発育不全・歯の位置異常

•歯の位置や角度に異常がある場合、咬み合わせの異常を招くことがあります。
•乳歯の早期喪失や、永久歯の萌出障害が引き金になることも。

■ 4. その他の要因

•長期の哺乳瓶・おしゃぶりの使用
•頬杖などの習慣
•口腔周囲筋のバランス不全

第3章:開咬がもたらすリスク

■ 1. 咀嚼・咬合機能の低下

前歯が噛み合わないため、食べ物をうまく噛み切れない・噛み砕けないなどの機能障害が生じます。咀嚼不良は胃腸への負担増加にもつながります。

■ 2. 発音障害

「サ行」「タ行」など、舌先を前歯に当てて発音する音に支障をきたすことがあります。構音障害(発音が不明瞭になる症状)として、幼少期から現れることも。

■ 3. 顎関節症のリスク

奥歯にばかり負荷がかかることで、顎関節に負担が集中し、顎関節症の原因となることがあります。口が開けにくい、カクカク音がするなどの症状が現れる場合もあります。

■ 4. 見た目への影響

開咬は、口が開き気味になる、唇が閉じにくいといった審美的な問題も引き起こします。特に笑ったときの印象が大きく変わるため、本人のコンプレックスにつながることも。

第4章:開咬の治療法(矯正歯科のアプローチ)

■ 1. 観察と習癖除去(乳歯期〜混合歯列期)

小児期の開咬は、指しゃぶりや舌癖、口呼吸などの原因を取り除くことで自然に改善することもあります。矯正治療を始める前に、口腔筋機能療法(MFT)や生活習慣の見直しを行うのが第一段階です。

■ 2. 小児矯正(第一期治療)

永久歯が生えそろう前の段階(およそ6歳〜12歳)で、歯列と顎の成長をコントロールする矯正治療を行います。主な治療内容には以下のようなものがあります。

•舌癖の改善指導・MFT
•プレオルソなどの機能的矯正装置
•上下顎の成長バランスを促す装置(拡大床など)

開咬の原因が筋機能や骨格的なものである場合、早期の対応が予後を大きく左右します。

■ 3. 成人矯正(第二期治療)

永久歯が生えそろった後は、ブラケット矯正やマウスピース矯正を使って開咬を治療します。成人の開咬は骨格的要因が大きい場合もあり、治療の難易度が上がる傾向にあります。

•表側・裏側ブラケット装置
•インビザライン(マウスピース矯正)
•開咬専用のスプリント治療

※ 開咬は歯だけでなく**骨格の異常(上顎の後退、下顎の前突など)**が関与していることが多いため、重度の場合は外科矯正(顎骨の手術)を併用するケースもあります。

■ 4. リテーナーによる保定

治療後にはリテーナー(保定装置)による後戻り防止が重要です。特に開咬は再発しやすい不正咬合のひとつであるため、継続的な観察が不可欠です。

第5章:当院での開咬治療の特徴

当院では、開咬に対する専門的な診断と治療計画を行っております。

矯正歯科専門医(女医)による丁寧な診断と説明
•口腔習癖(指しゃぶり・舌癖など)の評価と改善指導
•必要に応じたMFT(口腔筋機能療法)の提案
•患者さまのライフスタイルに合わせた矯正方法の選択(目立たない装置・取り外し可能な装置など)

また、当院ではスマイルキッズプログラムを通じて、成長期の定期検診で歯列の発育や口腔筋機能のチェックを継続的に行っています。気になる「クセ」や「咬み合わせ」がある場合も早期発見・早期対応が可能です。

まとめ:開咬は治療できる。早期発見と正しい対処が鍵

開咬は「見た目」の問題にとどまらず、食べる・話す・呼吸するといった基本的な口腔機能に大きな影響を与える可能性がある不正咬合です。特に成長期のお子さまにとっては、習癖や生活習慣の見直しが早期改善のカギとなります。
お子さまの前歯が閉じない、舌がよく出る、食べにくそうにしている――そんなサインに気づいたら、お早めにご相談ください。当院では、歯並びの専門家がチームでサポートし、健やかな口腔環境の育成をお手伝いいたします。

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