口腔カンジダ症とは? ― 高齢者に多いお口のトラブルと治療法
はじめに
「口の中がヒリヒリする」「舌が白っぽくなっている」――そんな症状に心当たりはありませんか?それは口腔カンジダ症かもしれません。口腔カンジダ症は、真菌(カビ)の一種であるカンジダ菌が口の中で増殖することで起こる感染症です。特に高齢者や全身疾患のある方で発症しやすく、口腔内の健康や生活の質に大きな影響を与えることがあります。
口腔カンジダ症とは?
口腔カンジダ症は、常在菌であるカンジダ菌が異常に増えて炎症を起こす病気です。健康な人の口の中にも存在しますが、免疫力の低下や唾液量の減少によりバランスが崩れると、症状が現れます。
主な症状
•舌や頬の粘膜に白い苔のような付着物ができる
•口の中がヒリヒリ・灼熱感がある
•味覚異常(味が薄く感じる)
•入れ歯の下が赤くただれる
高齢者に多い理由
1.唾液分泌の低下
加齢や薬の副作用により口腔乾燥が進む。
2.入れ歯の使用
清掃不良や長時間の装着がリスクを高める。
3.全身疾患
糖尿病やがん治療中の患者は免疫力が低下しやすい。
4.栄養状態の不良
ビタミンや鉄分の不足も発症要因になる。
口腔カンジダ症の種類
•偽膜性カンジダ症:白い苔状の付着物が特徴
•紅斑性カンジダ症:赤くただれたような見た目で、痛みが強い
•肥厚性カンジダ症:粘膜が厚く硬くなり、慢性化する
放置するとどうなる?
•食事や会話がつらくなる
•二次感染を起こしやすくなる
•全身状態の悪化を招くこともある(特に免疫力低下時)
治療法
1.抗真菌薬の使用
塗り薬やうがい薬でカンジダ菌を抑制する。
2.義歯の清掃と管理
入れ歯洗浄剤の使用や夜間の取り外しを徹底する。
3.口腔ケアの徹底
歯磨き・舌清掃・うがいを日常的に行う。
4.全身疾患の管理
糖尿病コントロールや免疫抑制治療の調整が必要になる場合も。
予防のポイント
•入れ歯は毎日洗浄し、清潔に保つ
•唾液腺マッサージや水分摂取で乾燥を防ぐ
•栄養バランスの取れた食事を心がける
•定期的に歯科医院で口腔ケアを受ける
当院での対応
伊皿子おおね歯科医院では、高齢者の患者さまに多い口腔乾燥や義歯性口内炎のケアを含め、カンジダ症の早期発見・早期治療に取り組んでいます。定期検診やクリーニングを通じて、再発予防や日常生活でのケア方法についても丁寧にご説明いたします。
よくある質問(Q&A)
Q1. カンジダ症はうつりますか?
通常はうつりませんが、免疫力が低い方では発症リスクがあります。
Q2. どのくらいで治りますか?
軽症なら1〜2週間で改善することが多いですが、全身疾患がある場合は長期的なケアが必要です。
Q3. 繰り返すことはありますか?
入れ歯の管理や生活習慣の改善ができないと再発しやすいです。
【以下Q&A:2026年1月22日追記】
Q4. 口腔カンジダ症は何科を受診すればいいですか?
基本的には歯科・口腔外科が適しています。
口腔カンジダ症は「お口の中の感染症」であるため、歯科医院での診断・治療が可能です。
特に、入れ歯の使用や口腔乾燥が関係している場合は、歯科での義歯調整や口腔ケアの指導が再発予防につながります。
全身疾患や免疫低下が強く関係している場合は、内科や主治医と連携して治療を行うこともあります。
Q5. 舌の白い苔はこすって取っても大丈夫ですか?
無理にこすって取ることはおすすめできません。
口腔カンジダ症による白い苔は、強くこすると粘膜を傷つけ、痛みや出血、症状悪化の原因になることがあります。
見た目が気になる場合でも、自己処理は避け、歯科医院での診断を受けることが大切です。必要に応じて、専用の薬剤や安全な清掃方法をご案内します。
Q6. 市販薬やうがい薬だけで治りますか?
軽症であれば一時的に症状が和らぐことはありますが、根本治療には不十分な場合が多いです。
市販の口内炎用薬やうがい薬は、炎症を抑える効果はありますが、カンジダ菌そのものを抑制する抗真菌作用は限定的です。
症状が続く場合や再発を繰り返す場合は、歯科医院で抗真菌薬を用いた治療を受けることが改善への近道です。
Q7. 口内炎や白板症とどう違うのですか?
見た目が似ていても、原因と治療法が異なります。
•口腔カンジダ症:真菌(カビ)が原因。白い苔やヒリヒリ感が特徴
•口内炎:ストレスや外傷、栄養不足などが原因
•白板症:粘膜が白く厚くなり、前がん病変の可能性もある
自己判断は難しいため、白い症状が長引く場合は歯科での鑑別診断が重要です。
Q8. 入れ歯を使っていると治りにくいですか?
入れ歯の管理状態によっては、治りにくく再発しやすくなります。
入れ歯の裏側はカンジダ菌が繁殖しやすく、清掃不足や長時間装着が続くと、治療しても再発を繰り返す原因になります。
治療と並行して、
•入れ歯の毎日の洗浄
•夜間は外して休ませる
•必要に応じた義歯調整
を行うことが、改善と再発防止に重要です。
Q9. 抗真菌薬はいつまで使えばいいですか?
症状が改善しても、指示された期間は継続することが大切です。
症状が軽くなった段階で薬を中断すると、菌が完全に除去されず再発の原因になります。
通常は1〜2週間程度使用しますが、症状や全身状態によって調整されます。必ず歯科医師の指示に従いましょう。
Q10. 口腔カンジダ症は予防できますか?
日常の口腔ケアと生活習慣の見直しで、予防・再発防止が可能です。
特に重要なのは、
•口腔乾燥を防ぐ
•入れ歯を清潔に保つ
•定期的な歯科受診で早期発見する
といった点です。「再発させないこと」こそが治療の一部といえます。
まとめ
口腔カンジダ症は、高齢者や免疫力が低下している方に多く見られるお口のトラブルです。早期に治療を受ければ改善しますが、再発予防のためには 日常の口腔ケアと生活習慣の改善 が欠かせません。「口の中がしみる」「舌が白っぽい」と感じたら、早めに歯科医院で相談しましょう。
2025年10月16日 カテゴリ:未分類


