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口腔機能トレーニングで姿勢も変わる? ――嚥下・発音・筋力の相関

はじめに

「姿勢が悪いのは体の問題」
「発音や飲み込みはお口の問題」
このように、姿勢と口腔機能は別々のものとして考えられがちです。
しかし近年、歯科の分野では
嚥下(飲み込み)・発音・口腔周囲筋の働きと、全身姿勢には深い関連がある
ことが注目されています。
特に成長期の子どもでは、口腔機能のアンバランスが姿勢の崩れにつながり、
逆に姿勢不良が口腔機能の発達を妨げるという「負の連鎖」が起こることもあります。
本コラムでは、口腔機能トレーニングが姿勢にどのように関係するのか、
嚥下・発音・筋力という観点から詳しく解説します。

口腔機能トレーニングとは?

口腔機能トレーニングとは、舌・唇・頬・顎などのお口周りの筋肉を正しく使えるようにするための訓練を指します。
歯科では、MFT(口腔筋機能療法)として行われることが多く、小児から成人まで幅広く用いられています。
主な目的は以下の通りです。

•正しい嚥下(飲み込み)を身につける
•発音時の舌・唇の動きを整える
•安静時の舌位や口唇閉鎖を安定させる
•噛み合わせや歯並びを機能面から支える

これらは一見「お口の中だけの問題」に見えますが、実は姿勢とも密接に関係しています。

姿勢と口腔機能はなぜつながるのか

頭と顎は体の上に乗っている

頭部は背骨の最上部にあり、顎や舌、口腔周囲筋はその位置関係の影響を強く受けます。
猫背や前傾姿勢になると、

•頭が前に突き出る
•下顎が後退する
•舌が後方・下方へ落ちる

といった変化が起こりやすくなります。
その結果、嚥下や発音、呼吸が不安定になり、口腔機能の乱れが生じます。

嚥下(飲み込み)と姿勢の関係

正しい嚥下には「安定した体幹」が必要

嚥下は単に舌を動かす動作ではなく、

•舌
•口唇
•咽頭
•首・体幹

が協調して行われる運動です。
姿勢が崩れていると、嚥下時に余分な力が入りやすくなり、

•舌が前に突き出る
•唇や顎に力が入りすぎる
•飲み込みのたびに体が動く

といった「異常嚥下癖」が起こりやすくなります。

異常嚥下が姿勢に及ぼす影響

嚥下のたびに首や肩、背中の筋肉を使ってしまうと、
その動きが日常化し、姿勢の歪みとして固定されてしまうことがあります。
特に成長期では、
間違った嚥下パターンが、首の前傾・猫背姿勢の助長要因になることもあります。

発音と姿勢の関係

発音は「全身運動」の一部

発音は舌や唇だけでなく、呼吸と姿勢の安定が不可欠です。
姿勢が不安定だと、

•声量が小さい
•滑舌が悪い
•話すと疲れやすい

といった特徴が現れやすくなります。
特に、パ行・マ行・サ行などは、
口輪筋・舌・呼気のコントロールが重要で、姿勢の影響を受けやすい音です。

姿勢不良が発音に与える影響

前かがみ姿勢では胸郭が圧迫され、呼吸が浅くなります。
その結果、舌や唇で無理に音を作ろうとし、
余計な力が入った発音パターンが定着することがあります。

口腔周囲筋の筋力と姿勢の相関

筋力バランスが崩れると姿勢も崩れる

口腔機能トレーニングで注目される筋肉には、

•舌筋
•口輪筋
•頬筋
•舌骨周囲筋

などがあります。
これらは首や肩、体幹の筋肉と連動しており、
口腔周囲筋のアンバランスは姿勢保持にも影響します。

口腔機能が弱いと起こりやすい姿勢の特徴

•頭が前に出ている
•顎が下がりやすい
•肩が内側に巻き込まれる
•背中が丸くなる

これらは、舌位の低下や口唇閉鎖力の弱さと関連していることがあります。

口腔機能トレーニングが姿勢改善につながる理由

口腔機能トレーニングを行うことで、

•舌が本来の位置(上顎)に収まりやすくなる
•口唇が自然に閉じやすくなる
•呼吸が安定する
•嚥下時の余分な力が減る

これらの変化により、頭部と体幹の位置関係が安定し、姿勢全体が整いやすくなると考えられています。
姿勢を直接矯正するのではなく、
「口腔機能という土台を整えることで結果的に姿勢が改善する」
という点が特徴です。

歯科で行う口腔機能評価とサポート

歯科では、歯や歯並びだけでなく、

•安静時舌位
•嚥下パターン
•発音時の舌・唇の動き
•口唇閉鎖力
•口呼吸の有無

といった機能面を総合的に評価します。
必要に応じて、口腔機能トレーニングを取り入れ、
成長発育に合わせたサポートを行います。

家庭で意識できるポイント

口腔機能と姿勢の関係を意識することが大切です。

•食事中に背中が丸まっていないか
•飲み込むときに顎や首が動きすぎていないか
•話すときに口がしっかり動いているか
•口が無意識に開いていないか

日常の小さな気づきが、早期対応につながります。

まとめ

  • 口腔機能と姿勢は密接に関連している
  • 嚥下・発音・筋力の乱れは姿勢不良につながることがある
  • 口腔機能トレーニングは姿勢改善の土台になり得る
  • 成長期は特に早期介入が重要
  • 歯科は口腔機能の専門的評価ができる場所

姿勢の問題は「体だけの問題」と考えられがちですが、
その背景にお口の機能のアンバランスが隠れていることも少なくありません。
嚥下や発音、口元の使い方が気になる場合は、
歯並びだけでなく口腔機能の視点からの評価を受けることで、
将来の姿勢や健康を支える大きな一歩となります。

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