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子どもの咀嚼力低下がもたらす発達の遅れ ― やわらか食が引き起こす口腔機能不全

はじめに

「うちの子、あまり噛まない」「すぐ飲み込んでしまう」――
そんな相談を歯科医院で受けることが増えています。
現代の子どもたちは、食事のやわらか化や生活習慣の変化により、咀嚼力(そしゃくりょく:噛む力) が低下しています。
その結果、顎の発達が遅れ、歯並び・発音・姿勢、さらには集中力や学習面にまで影響を及ぼすケースもあるのです。
本コラムでは、咀嚼力低下の背景と、それが子どもの発達に及ぼす影響、そして歯科からできる対策について解説します。

咀嚼力とは? ― 食べるだけでなく「成長」を支える力

咀嚼とは、単に「食べ物を噛み砕く」動作ではありません。
噛むことで口周りの筋肉が発達し、顎や顔の骨格、さらには脳の働きまで活性化させる重要な機能です。

咀嚼の役割

1.栄養の吸収を助ける:食べ物を細かくし、消化をスムーズにする
2.顎や歯列の発達を促す:噛む刺激が骨の成長を促進
3.脳の働きを活発にする:咀嚼刺激が集中力・記憶力に関係
4.発音の土台をつくる:舌・唇・頬の協調運動を養う

つまり、咀嚼は「身体」「脳」「心」のすべてに関わる基本動作なのです。

「噛めない子」が増えている現状

日本咀嚼学会の調査によると、現代の子どもが1回の食事で噛む回数は、昭和40年代と比べて約半分以下に減っていると報告されています。
たとえば――

•昔の子ども:一口につき約1,500回
•現代の子ども:一口につき約600~700回

これは「食のやわらか化」が大きな要因です。

やわらか食がもたらす問題

•顎を使わない → 顎の成長不足
•舌や唇の筋肉が育たない → 発音・嚥下に影響
•噛む刺激が少ない → 満腹感が得られず肥満傾向に

特に幼児期は、咀嚼を通じて口腔機能を鍛える最も重要な時期。
ここでの経験不足は、後々まで影響を残すことがあります。

やわらか食が引き起こす「口腔機能不全」

歯科では、口の働きが正常に発達していない状態を口腔機能発達不全症と呼びます。
この背景には、咀嚼力低下が深く関わっています。

主な症状

•食べ物をうまく噛めない・飲み込めない
•口を閉じられない(口唇閉鎖不全)
•発音が不明瞭
•歯並びが乱れている
•よく口を開けている

つまり、やわらか食ばかり食べていると、「噛む」「飲み込む」「話す」「呼吸する」といった基本動作の発達が阻害されるのです。

咀嚼力低下がもたらす身体への影響

1. 顎の成長不足

噛む力が弱いと、顎の骨に十分な刺激が伝わらず、発育が遅れます。
結果として、歯が並ぶスペースが足りず歯列不正(乱ぐい歯・出っ歯など)につながります。

2. 姿勢の悪化

噛むときには背筋や首の筋肉も使います。
噛む習慣が少ないと体幹が弱くなり、猫背や頭部前傾姿勢(ストレートネック)の原因になります。

3. 集中力・脳機能への影響

咀嚼刺激は脳の前頭葉を活性化させます。
噛む回数が少ない子どもは、学習時の集中力や記憶力に影響が出るとする報告もあります。

4. 食習慣・肥満への影響

よく噛まないと、満腹中枢の刺激が遅れ、食べすぎにつながります。
また、飲み込みやすい甘い食品・飲料を好む傾向も強くなります。

ご家庭でできる「噛む力」育成法

1. 食材の工夫

やわらか食一辺倒にならないよう、噛む回数が必要な食材を意識的に取り入れましょう。
おすすめ食材例:
•にんじん、れんこん、ブロッコリーなどの根菜・繊維質野菜
•するめ、干し芋、りんご、きゅうり
•ご飯(玄米・雑穀米)や全粒粉パン

2. 食べ方を見直す

•「よく噛もうね」と声かけする
•ひと口を小さくして、30回を目標に噛む
•家族で一緒に食卓を囲む

3. 姿勢を整える

足がしっかり床につく椅子で食事をすることがポイント。
不安定な姿勢では顎の動きが制限され、正しい噛み方ができません。

4. おやつの選び方

スナック菓子よりも、噛み応えのある干し果物やナッツ(年齢に応じたもの)を取り入れましょう。

歯科医院でできるサポート

伊皿子おおね歯科医院では、スマイルキッズプログラムの中で、お子さまの咀嚼力や口腔機能の発達状況を定期的にチェックしています。

当院での取り組み

•咀嚼・嚥下・呼吸の連動を観察
•噛み癖・偏咀嚼の有無を確認
•必要に応じて MFT(口腔筋機能療法) を導入し、舌・唇・顎の動きをトレーニング
•矯正を専門的に行う女医による早期介入も可能

歯科的な視点から「噛む力」と「発達の関係」を分析し、成長段階に合わせたサポートを行っています。

よくある質問(Q&A)

Q1. 噛む回数を増やすだけで歯並びは改善しますか?

軽度のケースでは顎の成長を促す効果が期待できますが、骨格的な問題がある場合は矯正治療を併用する必要があります。

Q2. やわらか食を完全にやめるべきですか?

いいえ。必要に応じて柔らかいものも取り入れつつ、段階的に噛む練習を増やすのが理想です。

Q3. 家でできるトレーニングはありますか?

ストロー吸引・ガム噛み・風船膨らましなどが効果的です。遊びの中で自然に筋力を育てましょう。

まとめ

「やわらかくて食べやすい」は一見やさしい食事のように見えますが、実は子どもの咀嚼力・発達に深刻な影響を与えることがあります。
咀嚼力は「歯並び」「姿勢」「集中力」「発音」――さまざまな成長の土台です。
食事の中で「噛む」機会を増やし、自然に口腔機能が発達する環境を整えてあげましょう。
お子さまの噛み方・食べ方・口呼吸が気になる方は、早めに歯科医院へご相談ください。
伊皿子おおね歯科医院では、咀嚼力の育成を通じて「食べる力」「生きる力」を育てるサポートを行っています。

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