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舌の動きが制限される?――舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)とは

赤ちゃんの授乳がうまくいかない、お子さまの発音がはっきりしない、大きくなっても舌を前に出せない――これらの症状の背景にあるかもしれないのが、「舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)」という状態です。
近年では歯科・耳鼻咽喉科・小児科など多方面から注目されており、必要な対応を見極めることが重要になっています。

舌小帯とは何か

舌小帯(ぜつしょうたい)とは、舌の裏側で、舌と口の底をつなぐ薄いスジのような組織です。舌の動きを支える役割がありますが、このスジが「短すぎる」「太すぎる」「先端近くに付着している」と、舌の動きが制限されてしまいます。これが「舌小帯短縮症」です。

舌小帯短縮症の主な症状とサイン

症状は年齢によって異なりますが、以下のような点が気になる場合は注意が必要です。

■ 新生児〜乳児

•授乳時にうまく吸えない・すぐに疲れてしまう
•母乳育児がうまくいかず、体重が増えにくい
•母親が乳頭の痛みを感じやすい

■ 幼児〜学童期

•舌を前に出すとハート型になる(舌先がくびれる)
•舌を上あごにしっかりつけられない
•発音が不明瞭(「ラ行」「タ行」「サ行」など)
•食べ物を舌で押しつぶせず、丸のみしてしまう
•唾液が口にたまりやすく、口が開きがちになる

■ 成人

•発音のクセが抜けない
•舌の動きが制限されて疲れやすい
•舌圧(ぜつあつ)が低く、口腔機能が全体的に弱い

舌小帯短縮症がもたらすリスク

● 授乳障害・哺乳不良

新生児期では、舌の動きが制限されることで母乳をうまく飲めない場合があり、母子ともにストレスになります。

● 発音障害(構音障害)

舌の位置が適切に取れないため、「ラ行」や「サ行」などの発音に支障が出ることがあります。学校での会話や音読にも影響が出ることがあり、言語発達に関わる問題として見過ごせません。

● 口呼吸・開口癖・歯列不正

舌が上あごにつかないため、舌の位置が低くなり、口呼吸や開口癖(常に口が開いている状態)を引き起こします。これは歯並びの異常や顎の発育不良につながる可能性もあります。

● 嚥下や咀嚼の障害

食事時に舌の動きが悪いと、食べ物をうまく口内で操作できず、噛みにくい・飲み込みにくいといった症状を招きます。

舌小帯短縮症の見分け方

家庭でも簡単に確認できるチェック方法として、以下のような方法があります。

•舌を前に出したときに「ハート型」に見える
•舌が下前歯を超えて出ない
•「べー」と舌を出しても真っすぐに伸びず、動きが小さい
•上あごにつけようとしても届かない

ただし、見た目だけで判断するのは難しく、舌の可動域や筋力、口腔内全体の機能を総合的に評価する必要があります。

歯科医院での対応

当院では、舌小帯短縮症の診断・観察・治療を段階的に行っております。

1. 検査・診断

•舌小帯の長さ・位置・可動域の測定
•発音や食事、生活上の影響の有無をヒアリング
•必要に応じて言語聴覚士や小児科との連携

2. 経過観察とMFT(口腔筋機能療法)

軽度であれば、筋機能訓練(MFT)によって舌の使い方を改善することで対応できる場合もあります。成長とともに舌小帯の影響が軽減されることもあるため、経過観察が第一選択となることもあります。

3. 手術的処置(舌小帯切除術)

明らかに発音・嚥下・歯列に悪影響がある場合は、局所麻酔下での舌小帯切除術(フレノトミー/フレノプラスティー)を行います。

•レーザーまたは電気メスにより安全に処置
•手術時間は10〜20分ほど、縫合の必要があることも
•術後はMFTなどで再癒着防止と機能改善を行うことが重要

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 赤ちゃんでも手術は必要ですか?

A. 基本的には哺乳に大きな支障があり、体重が増えないなどのケースに限って、早期に処置を検討します。見た目だけでの手術は推奨されません。

Q2. 手術後はすぐに発音が良くなりますか?

A. 多くの場合、手術後の訓練(MFT)との併用が効果的です。舌の使い方のクセは習慣的なものであるため、再学習が重要です。

Q3. 大人でも手術できますか?

A. はい、可能です。発音や舌の疲れ、口腔機能の改善を希望される場合は、年齢に関わらずご相談いただけます。

当院での取り組み

当院では、舌小帯短縮症に関する正確な診断と、患者さまに合った治療計画の提案を行っております。また、必要に応じて口腔筋機能療法(MFT)指導や矯正歯科、言語発達に関するご相談にも対応可能です。
さらに、定期検診プログラム「スマイルキッズプログラム」の中でも、舌の動きや筋力、姿勢、習癖などをチェックし、早期発見・予防的な指導を実施しています。

まとめ:舌小帯短縮症は早めの気づきと正しい対処が大切

舌小帯短縮症は、軽度なものであれば問題がないことも多い一方で、授乳・発音・歯並び・口腔機能のトラブルにつながるケースもあります。まずは、舌の動きや発音、生活上の困りごとに気づいた段階で専門的な診察を受けることが大切です。
「舌の動きが気になる」「話し方が少し気になる」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。当院では、成長に寄り添った丁寧な対応を心がけ、お子さまの健やかな発育をサポートいたします。

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