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見落としがちな「子どもの歯周病」:思春期性歯肉炎から始まる危険性

はじめに:歯周病は大人だけの病気ではない

歯周病といえば、大人や高齢者の病気というイメージが強いかもしれません。しかし、実際には子どもでも歯周病の初期症状が見られるケースがあります。特に、思春期に差しかかる小学校高学年から中学生の時期に注意が必要です。この時期にはホルモンバランスの変化により「思春期性歯肉炎」と呼ばれる症状が現れやすく、そのまま放置すると将来深刻な歯周病につながることもあります。本コラムでは、見落とされがちな子どもの歯周病の兆候とそのリスク、予防・対応方法について詳しく解説します。

子どもの歯ぐきに起こる変化とは?

子どもは歯が生え変わる時期や成長期に、口腔内の環境も大きく変わっていきます。乳歯から永久歯への移行、唾液の分泌量の変化、食生活の変化などが歯ぐきに大きな影響を与えます。また、小学校高学年以降になると歯の本数も増え、磨き残しが多くなりやすいことから、歯肉に炎症が起きやすくなります。

思春期性歯肉炎とは何か

思春期性歯肉炎は、第二次性徴の始まる思春期に多く見られる歯肉炎の一種で、性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)の分泌が増えることにより、歯ぐきの炎症が起きやすくなる現象です。特にプラーク(歯垢)がたまっている状態でホルモンの影響を受けると、歯肉が赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。

思春期性歯肉炎の原因と特徴

– ホルモン変化による歯肉組織の感受性の上昇
– プラークコントロールの不十分さ
– 部活動や受験勉強などで歯みがきの時間が短くなりがちな生活習慣
– 甘いものや間食が増えることによる虫歯・歯肉炎リスクの増加

特に前歯や奥歯の歯肉が赤くなって腫れている、歯みがきのときに出血するなどの症状が見られます。

子どもの歯周病の進行と「若年性歯周炎」のリスク

思春期性歯肉炎が長期にわたって改善されない場合、まれに「若年性歯周炎(現在はStage分類におけるGrade分類で評価される)」へと進行することがあります。この病態は10代〜20代前半で歯周組織の破壊が急速に進行する特徴があり、場合によっては永久歯の喪失につながることもあります。早期の対応が極めて重要です。

どこで気づく?保護者と歯科医のチェックポイント

家庭では、お子さんが「歯みがきの時に血が出る」「歯ぐきがムズムズする」などと訴えていないか、よく観察することが大切です。また、歯並びが乱れている、ブラッシングが雑になりがちな場所(奥歯の後ろ側など)がないかもチェックしてください。歯科医院では、専門的な歯周ポケット測定やプラークの状態チェックなどを通じて早期発見が可能です。

こんな症状は要注意

– 歯みがき時の出血が2週間以上続く
– 歯ぐきが赤く腫れている
– 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
– 口臭が強くなった気がする
– 歯の根元が見えるようになってきた

これらの症状は軽視されがちですが、放置すると重度化する可能性があるため、歯科医師の診察を受けるようにしましょう。

予防の基本はやはり「正しい歯みがき」

子どもの歯周病予防の第一歩は、毎日の正しいブラッシングです。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに磨く方法を身につけることが重要です。年齢が低いうちは保護者の仕上げ磨きが必要であり、中高生になっても定期的に歯みがき方法を見直す機会を設けると効果的です。

歯科医院でできること:早期発見と適切なケア

歯科医院では、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯垢・歯石の除去、フッ素塗布、歯磨き指導などを行い、歯周病の進行を食い止めることができます。また、思春期性歯肉炎は一時的なものであっても、慢性化する可能性があるため、歯科医院での定期的なチェックが不可欠です。

矯正治療との関係:装置の影響とケアのコツ

矯正治療中の子どもは、ブラケットやワイヤーが口腔内にあるため、どうしても歯磨きが難しくなりがちです。その結果、歯ぐきに炎症が起きやすくなり、思春期性歯肉炎を悪化させる要因にもなりえます。当院のように矯正専門医が在籍している歯科医院では、矯正と歯周管理を一体で進めることができ、安心して治療を受けられます。

子どもの歯ぐきを守るために家庭でできること

– 朝晩2回の丁寧な歯みがき(特に寝る前)
– 定期的な仕上げ磨きの実施
– 甘いお菓子やジュースを控える食習慣
– 3ヶ月〜半年に一度の定期検診を習慣化
– 歯ぐきの色や腫れの変化に日々目を向ける

これらの生活習慣を見直すことで、子どもの歯周病予防につながります。

まとめ:今こそ「子どもの歯周病」に目を向けて

「子どもの歯周病」は決して珍しい病気ではありません。むしろ、成長期特有のリスクを抱えるため、保護者と歯科医が連携して見守る必要があります。思春期性歯肉炎を単なる一時的な炎症と見過ごさず、早期に気づいて正しく対応することで、将来の口腔トラブルを予防できます。毎日のケアと定期的なプロの診察で、お子さまの健やかな口腔環境を守っていきましょう。

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