白金高輪の歯医者伊皿子おおね歯科医院。白金高輪駅、泉岳寺駅徒歩5分

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歯肉肥厚症とは? ――薬の副作用や遺伝が関係する歯ぐきの異常

はじめに

「歯ぐきが分厚くなってきた気がする」
「歯は痛くないのに、歯ぐきが盛り上がっている」
このような症状で来院される方の中に、**歯肉肥厚症(しにくひこうしょう)**と呼ばれる状態が見つかることがあります。
歯肉肥厚症は、歯周病のように炎症が強く出るケースもあれば、**薬の副作用や体質(遺伝)**によって起こることもあり、原因が一つではありません。
特に小児や若年者でも見られる点が、一般的な歯肉炎・歯周病と異なる特徴です。
本コラムでは、歯肉肥厚症の基本的な考え方から原因、注意点、歯科での対応までをわかりやすく解説します。

歯肉肥厚症とは?

歯肉肥厚症とは、歯ぐき(歯肉)が通常よりも厚く、盛り上がったように増殖する状態を指します。
炎症による一時的な腫れとは異なり、

•歯肉そのものが増殖している
•歯の表面を覆うように歯ぐきがかぶってくる

といった特徴があります。
見た目としては

•歯が短く見える
•歯ぐきがもこもこしている
•歯間部が埋まっている

と感じられることが多く、見た目や清掃性に大きな影響を及ぼします。

歯肉肥厚症の主な原因

① 薬の副作用による歯肉肥厚

歯肉肥厚症で特に重要なのが、特定の薬剤による副作用です。
代表的な薬剤には以下があります。

•抗てんかん薬(フェニトインなど)
•免疫抑制薬(シクロスポリンなど)
•一部の降圧薬(カルシウム拮抗薬)

これらの薬を長期間服用していると、歯肉の線維芽細胞が刺激され、歯ぐきが過剰に増殖することがあります。
特に小児期から服薬を続けている場合、永久歯が生えそろう時期と重なり、歯列や噛み合わせに影響することもあります。

② 遺伝性(遺伝性歯肉線維腫症)

まれではありますが、遺伝的な要因によって歯肉が肥厚するタイプも存在します。
この場合、
•炎症が少ない
•痛みがほとんどない
•家族内で似た症状が見られる
といった特徴があり、歯肉線維腫症と呼ばれることもあります。
乳歯列期や混合歯列期から症状が現れることがあり、歯の萌出が妨げられる原因になることもあります。

③ 歯周病・慢性炎症との関連

歯肉肥厚症は、歯周病や歯肉炎と完全に別の病気というわけではありません。
歯垢(プラーク)や歯石による慢性的な刺激が加わることで、肥厚がさらに目立つこともあります。
つまり
「薬の影響+清掃不良」
「体質+慢性炎症」
といった複合的な要因で症状が進行するケースも少なくありません。

歯肉肥厚症で起こりやすい問題

① 歯磨きがしにくくなる

歯ぐきが歯を覆うことで、歯ブラシが届きにくくなります。
結果としてプラークが溜まりやすくなり、

•歯肉炎
•虫歯
•口臭

といった二次的なトラブルを引き起こします。

② 歯の萌出障害

小児の場合、歯肉肥厚によって永久歯が正常に生えてこないことがあります。
歯が歯ぐきの中に埋まったままになったり、ずれた位置から萌出したりする原因となります。

③ 見た目への影響

歯肉が厚くなることで、

•歯が短く見える
•笑ったときに歯ぐきが目立つ

といった審美的な悩みにつながることもあります。

歯肉肥厚症は自然に治る?

歯肉肥厚症は、原因によって経過が異なります。

•炎症が主体の場合:清掃改善で軽減することあり
•薬剤性・遺伝性の場合:自然に完全に改善することは少ない

特に薬剤性の場合、自己判断で服薬を中止することは絶対に避ける必要があります。
主治医との連携が不可欠です。

歯科医院での対応

① 原因の評価

まずは

•服薬状況
•全身疾患の有無
•家族歴
•歯周状態

を丁寧に確認し、歯肉肥厚の背景を把握します。

② 口腔衛生管理の徹底

歯肉肥厚症では、プラークコントロールが非常に重要です。

•歯磨き指導
•専門的クリーニング
•定期的なメンテナンス

によって炎症の悪化を防ぎます。

③ 必要に応じた外科的対応

歯肉の増殖が強く、

•歯磨きが困難
•萌出障害がある
•機能・審美に支障が出ている

場合には、歯肉整形などの処置が検討されることもあります。

④ 医科との連携

薬剤性が疑われる場合は、処方医と相談し、

•薬の変更が可能か
•服薬継続の必要性

を踏まえた上で歯科的対応を進めます。

家庭で気づけるサイン

保護者やご本人が気づきやすいポイントには以下があります。

•歯ぐきが厚く、歯が短く見える
•歯ぐきが歯にかぶさってきた
•歯磨き時にブラシが入りにくい
•歯が生えてくるのが遅い

これらが見られる場合は、早めの歯科相談が大切です。

まとめ

  • 歯肉肥厚症は歯ぐきが過剰に増殖する状態
  • 薬の副作用や遺伝が関与することがある
  • 小児から成人まで幅広く見られる
  • 清掃不良が重なると症状が悪化しやすい
  • 歯科では原因評価と継続的管理が重要

歯肉肥厚症は「腫れているだけ」と見過ごされがちですが、
背景に全身疾患や薬剤、成長発育の問題が隠れていることもある重要なサインです。
歯ぐきの形や厚みが気になる場合は、歯周病だけでなく、歯肉肥厚症の可能性も含めて評価を受けることが、将来的なトラブル予防につながります。

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子どもの咀嚼力低下がもたらす発達の遅れ ― やわらか食が引き起こす口腔機能不全

はじめに

「うちの子、あまり噛まない」「すぐ飲み込んでしまう」――
そんな相談を歯科医院で受けることが増えています。
現代の子どもたちは、食事のやわらか化や生活習慣の変化により、咀嚼力(そしゃくりょく:噛む力) が低下しています。
その結果、顎の発達が遅れ、歯並び・発音・姿勢、さらには集中力や学習面にまで影響を及ぼすケースもあるのです。
本コラムでは、咀嚼力低下の背景と、それが子どもの発達に及ぼす影響、そして歯科からできる対策について解説します。

咀嚼力とは? ― 食べるだけでなく「成長」を支える力

咀嚼とは、単に「食べ物を噛み砕く」動作ではありません。
噛むことで口周りの筋肉が発達し、顎や顔の骨格、さらには脳の働きまで活性化させる重要な機能です。

咀嚼の役割

1.栄養の吸収を助ける:食べ物を細かくし、消化をスムーズにする
2.顎や歯列の発達を促す:噛む刺激が骨の成長を促進
3.脳の働きを活発にする:咀嚼刺激が集中力・記憶力に関係
4.発音の土台をつくる:舌・唇・頬の協調運動を養う

つまり、咀嚼は「身体」「脳」「心」のすべてに関わる基本動作なのです。

「噛めない子」が増えている現状

日本咀嚼学会の調査によると、現代の子どもが1回の食事で噛む回数は、昭和40年代と比べて約半分以下に減っていると報告されています。
たとえば――

•昔の子ども:一口につき約1,500回
•現代の子ども:一口につき約600~700回

これは「食のやわらか化」が大きな要因です。

やわらか食がもたらす問題

•顎を使わない → 顎の成長不足
•舌や唇の筋肉が育たない → 発音・嚥下に影響
•噛む刺激が少ない → 満腹感が得られず肥満傾向に

特に幼児期は、咀嚼を通じて口腔機能を鍛える最も重要な時期。
ここでの経験不足は、後々まで影響を残すことがあります。

やわらか食が引き起こす「口腔機能不全」

歯科では、口の働きが正常に発達していない状態を口腔機能発達不全症と呼びます。
この背景には、咀嚼力低下が深く関わっています。

主な症状

•食べ物をうまく噛めない・飲み込めない
•口を閉じられない(口唇閉鎖不全)
•発音が不明瞭
•歯並びが乱れている
•よく口を開けている

つまり、やわらか食ばかり食べていると、「噛む」「飲み込む」「話す」「呼吸する」といった基本動作の発達が阻害されるのです。

咀嚼力低下がもたらす身体への影響

1. 顎の成長不足

噛む力が弱いと、顎の骨に十分な刺激が伝わらず、発育が遅れます。
結果として、歯が並ぶスペースが足りず歯列不正(乱ぐい歯・出っ歯など)につながります。

2. 姿勢の悪化

噛むときには背筋や首の筋肉も使います。
噛む習慣が少ないと体幹が弱くなり、猫背や頭部前傾姿勢(ストレートネック)の原因になります。

3. 集中力・脳機能への影響

咀嚼刺激は脳の前頭葉を活性化させます。
噛む回数が少ない子どもは、学習時の集中力や記憶力に影響が出るとする報告もあります。

4. 食習慣・肥満への影響

よく噛まないと、満腹中枢の刺激が遅れ、食べすぎにつながります。
また、飲み込みやすい甘い食品・飲料を好む傾向も強くなります。

ご家庭でできる「噛む力」育成法

1. 食材の工夫

やわらか食一辺倒にならないよう、噛む回数が必要な食材を意識的に取り入れましょう。
おすすめ食材例:
•にんじん、れんこん、ブロッコリーなどの根菜・繊維質野菜
•するめ、干し芋、りんご、きゅうり
•ご飯(玄米・雑穀米)や全粒粉パン

2. 食べ方を見直す

•「よく噛もうね」と声かけする
•ひと口を小さくして、30回を目標に噛む
•家族で一緒に食卓を囲む

3. 姿勢を整える

足がしっかり床につく椅子で食事をすることがポイント。
不安定な姿勢では顎の動きが制限され、正しい噛み方ができません。

4. おやつの選び方

スナック菓子よりも、噛み応えのある干し果物やナッツ(年齢に応じたもの)を取り入れましょう。

歯科医院でできるサポート

伊皿子おおね歯科医院では、スマイルキッズプログラムの中で、お子さまの咀嚼力や口腔機能の発達状況を定期的にチェックしています。

当院での取り組み

•咀嚼・嚥下・呼吸の連動を観察
•噛み癖・偏咀嚼の有無を確認
•必要に応じて MFT(口腔筋機能療法) を導入し、舌・唇・顎の動きをトレーニング
•矯正を専門的に行う女医による早期介入も可能

歯科的な視点から「噛む力」と「発達の関係」を分析し、成長段階に合わせたサポートを行っています。

よくある質問(Q&A)

Q1. 噛む回数を増やすだけで歯並びは改善しますか?

軽度のケースでは顎の成長を促す効果が期待できますが、骨格的な問題がある場合は矯正治療を併用する必要があります。

Q2. やわらか食を完全にやめるべきですか?

いいえ。必要に応じて柔らかいものも取り入れつつ、段階的に噛む練習を増やすのが理想です。

Q3. 家でできるトレーニングはありますか?

ストロー吸引・ガム噛み・風船膨らましなどが効果的です。遊びの中で自然に筋力を育てましょう。

まとめ

「やわらかくて食べやすい」は一見やさしい食事のように見えますが、実は子どもの咀嚼力・発達に深刻な影響を与えることがあります。
咀嚼力は「歯並び」「姿勢」「集中力」「発音」――さまざまな成長の土台です。
食事の中で「噛む」機会を増やし、自然に口腔機能が発達する環境を整えてあげましょう。
お子さまの噛み方・食べ方・口呼吸が気になる方は、早めに歯科医院へご相談ください。
伊皿子おおね歯科医院では、咀嚼力の育成を通じて「食べる力」「生きる力」を育てるサポートを行っています。

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乳歯の早期脱落が与える影響 ― 将来の噛み合わせと発音へのリスク

はじめに

「乳歯はいずれ抜けるから大丈夫」
そう思われている保護者の方は少なくありません。
しかし実際には、乳歯は将来の永久歯の生え方、顎の発育、噛み合わせ、そして発音機能に深く関わる重要な役割を持っています。
特に、虫歯や外傷、進行した歯肉炎などで乳歯が“想定より早く抜けてしまう”こと(早期脱落)は、子どもの成長にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
本コラムでは、乳歯の早期脱落が引き起こすリスクと、歯科でできる対策について解説します。

乳歯が果たす大切な役割

乳歯は永久歯の「土台」となる存在です。
その役割は単なる“仮の歯”ではなく、以下のような発育に欠かせない要素を担っています:

•噛む機能の獲得
•発音の形成
•顎骨の正常な発達
•永久歯が生えるスペースの確保
•正しい噛み合わせ形成のサポート

つまり乳歯は、これから生える永久歯を正しい位置に導く“ガイド”でもあるのです。

「早期脱落」が起こる主な原因

•進行した乳歯の虫歯
•外傷による歯の破折・脱臼
•歯周炎や噛む力不足による歯の動揺
•生え変わり時期のトラブル(根吸収の異常など)

特に乳歯虫歯は、進行が早く痛みに気づきにくい場合も多く、知らないうちに神経や根にダメージが及ぶこともあります。

乳歯の早期脱落がもたらす影響

① 永久歯の生えるスペース不足

乳歯には、後から生えてくる永久歯の位置を確保する重要な役割があります。
早く抜けるとそのスペースが閉じてしまい、永久歯が正しい位置に生えられなくなることがあります。
その結果:

•歯並びがガタガタになる
•永久歯がねじれて萌出する
•八重歯・叢生が起こりやすい

さらに歯列の乱れは噛む能力低下や顎の成長にも影響します。

② 噛み合わせの乱れ

乳歯のスペースが失われて永久歯の並ぶ位置がズレ始めると、上下の噛み合わせにもズレが生じます。

•上下の歯が正しく噛み合わない
•奥歯の位置関係が狂う
•顎の偏位が起こりやすい

噛み合わせは顔の成長にも関与するため、放置すると骨格的特徴にも影響を残すことがあります。

③ 発音への影響

特に前歯の早期脱落は、発音形成に影響することがあります。
影響しやすい発音例

•「サ行・タ行・ナ行」が不明瞭になる
•空気が抜ける感じの発音になる
•舌が正しい位置に置けない

子どもの発語学習は、舌の位置や歯列の形態と密接な関係があります。
乳歯が早く抜けてスペースが変化すると、舌の使い方そのものが変わってしまうこともあります。

④ 咀嚼力の低下

乳歯が抜けた場所は噛む面積が減り、食べ物をしっかり噛めなくなります。

•咀嚼回数が減る
•食べ物を丸飲みしやすくなる
•消化器系への負担
•衛生環境の悪化(噛み砕き不足)

しっかり噛む習慣は顎の発育にも影響します。
噛む力が不足すると、顎骨の成長が進みにくい傾向もあるとされています。

歯科医院での対策

乳歯の早期脱落が起きた場合でも、適切な対策を行うことで将来のリスクを軽減できます。

✔ スペース管理(保隙装置の検討)

永久歯の生えるスペースを守るために、必要に応じて保隙装置(ほげきそうち)を使用します。
これは、空いたスペースを維持し、永久歯が正しい位置へ萌出するよう誘導する装置です。

✔ 噛み合わせと顎の成長を経過観察

成長期の子どもは顎の発育が活発な時期。
歯並びや噛み合わせの変化を定期的にチェックし、必要であれば小児矯正も検討します。

✔ 発音・舌の位置の評価

前歯の欠損による舌の位置変化が疑われる場合、
•正しい舌の運動
•発音のサポート
•飲み込み(嚥下)トレーニング
などの指導を行うこともあります。

✔ 食事指導

乳歯欠損による咀嚼力低下が見られる場合は、
噛む回数を意識した食材選びや食べ方指導もサポートします。

ご家庭で注意したいポイント

① 乳歯の「ぐらつき」や痛みを見逃さない

痛がらずに進むことも多いため、しっかり観察を。

② 外傷時は必ず歯科受診を

転倒などで乳歯が揺れる・抜けた場合は早急な診断が必要です。

③ 歯磨きと定期検診で虫歯予防

乳歯虫歯の進行は早く、根まで一気に影響することもあります。

乳歯が抜ける時期は?

正常な交換時期を知ろう

一般的に、乳歯は5~12歳頃にかけて徐々に永久歯へと生え変わります。
この時期よりも大きく前倒しで脱落した場合、必ず歯科医による評価が必要です。

よくある質問(Q&A)

Q1:乳歯が抜けた場所が空いていれば問題ない?

一見空いていても、その後すぐスペースが閉じてしまう場合があります。
評価と経過観察が必要です。

Q2:乳歯虫歯で自然に抜けたら放置して良い?

早期脱落の場合は、永久歯の生える位置や方向に影響する可能性があります。

Q3:いつ受診すればいい?

「予定より早い時期の乳歯脱落」や、痛み・腫れ・外傷の後は早めにご相談ください。

まとめ

乳歯の早期脱落は「よくあること」ではありますが、
歯並び・噛み合わせ・発音・顎の発育に影響する大切なサインでもあります。
適切なスペース管理や経過観察を行うことで、
将来の歯並びの乱れや発音の問題を防ぎ、健全な成長を支えることができます。
「乳歯が抜けるのが早い気がする…」
「歯並びが少し変わってきた気がする」
そんな気づきは、歯科に相談すべきタイミングです。
伊皿子おおね歯科医院では、
口腔機能や顎発達、永久歯の生える方向まで丁寧に評価し、
お子さまの未来の健康につながるサポートを行っています。

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子どもの睡眠中の口呼吸がもたらす集中力低下 ― 歯科でできる早期対応

はじめに

「朝起きても疲れている」「集中力が続かない」「日中ボーッとしている」――
そんな子どもの様子に心当たりはありますか?
その背景に、“睡眠中の口呼吸”が隠れていることがあります。
睡眠時に口が開き、鼻ではなく口で呼吸する習慣は、
脳への酸素供給・睡眠の質・日中のパフォーマンスに大きな影響を与えることが知られています。
さらに歯科の視点から見ると、口呼吸は歯並びや顎の成長、口腔機能にも影響する重要なサインです。
本コラムでは、睡眠中の口呼吸が集中力低下を招くメカニズムと、歯科でできる早期介入について解説します。

なぜ睡眠中の“口呼吸”が問題なのか?

呼吸は「鼻」が本来の通り道です。
鼻にはフィルター機能や加湿・加温作用があり、きれいな空気を適切な状態で肺に送る役割があります。
一方で、口呼吸はこれらの機能を通らず空気が直接体内へ。
その結果、身体にも脳にも負担がかかりやすくなります
特に睡眠中、口呼吸は

•睡眠の質を下げ
•酸素供給を低下させ
•成長期の集中力や学習能力に悪影響

を与える可能性があります。
歯科が口呼吸に注目する理由は、この呼吸習慣が単なる睡眠の問題ではなく、口腔機能発達と歯並びの警告サインでもあるからです。

睡眠中の口呼吸と集中力低下の関係

① 酸素供給量の低下

口呼吸は鼻呼吸と比較して吸入効率が低く、血中酸素濃度が低下します。
脳は酸素を大量に必要とする臓器で、酸素不足は集中力の低下・学習意欲の低下につながると考えられています。

② 睡眠の質が低下する

口呼吸は以下の問題を引き起こします:

•いびき
•浅い睡眠
•中途覚醒
•睡眠時低換気

深い睡眠が不足すると、日中の集中力はもちろん、記憶力・情緒安定にも影響します。
睡眠は子どもの脳発達に不可欠な時間。
その質が落ちることは、成長全体にとって大きな痛手です。

③ 自律神経バランスの乱れ

質の高い睡眠は副交感神経(リラックス)が優位になった状態で得られます。
しかし口呼吸は交感神経優位を招き、
「落ち着かない」「ソワソワする」「集中が難しい」といった日中の影響につながります。

子どもの口呼吸に見られる特徴

睡眠中だけでなく、日常にもヒントがあります。
当てはまる項目があれば、口呼吸の傾向が強い可能性があります。

•寝ているとき口が開いている
•いびきや呼吸音が大きい
•朝起きたとき口が乾いている
•慢性的な鼻づまり
•日中も口が開いていることが多い
•姿勢が猫背気味
•食事中クチャクチャ音がする
•前歯が出てきた/歯並びがガタガタ

これらは口腔機能発達不全症のサインであることも。
特に「口がぽかんと開いている」は、歯科が最も注意するポイントです。

なぜ口呼吸になるのか?

① 鼻づまり(アレルギー・副鼻腔炎・アデノイド肥大)

鼻で息ができない状況では、口呼吸が習慣化します。
この場合、耳鼻科との連携が必要です。

② 舌の位置の問題(低位舌)

舌が下に落ちている状態では、自然と口元が開きやすくなります。

③ 口唇の筋力低下

口を閉じる筋肉が弱いと、無意識に口が開きやすくなります。

④ 姿勢

頭が前に出る姿勢(猫背・ストレートネック)は下顎が後退し、口呼吸へつながります。

口呼吸と歯並びの関係

口呼吸は歯科領域に多大な影響を及ぼします。

❶ 顎の発育不足

鼻呼吸で得られる舌圧が失われ、上顎が十分に広がらず歯が並ぶスペースが不足します。

❷ 出っ歯傾向

舌の位置が下がることで、上顎前突(出っ歯)が進行することがあります。

❸ 開咬

舌の筋力バランスや嚥下の癖によって、前歯が閉じきらない「開咬」の原因になる場合があります。
歯並びは見た目だけでなく、噛む力・呼吸力・発音能力など、「人生の質」に深く関わる機能そのものです。

集中力だけじゃない!睡眠中の口呼吸が招くリスク

•虫歯や歯肉炎(口腔乾燥による自浄作用低下)
•感染症にかかりやすい(鼻フィルター機能の低下)
•アデノイド顔貌(長顔傾向)
•姿勢不良
•いびきや睡眠時無呼吸症候群

睡眠の質が低下するほど、脳の働き・学力にも影響します。

歯科でできる早期対応

伊皿子おおね歯科医院では、睡眠中の口呼吸が疑われる子どもに対し、以下の視点でアプローチしています。
【呼吸と口腔機能の総合評価】
•舌の位置
•口唇の閉鎖力
•鼻呼吸の可否
•咬合状態
•姿勢との関連

これらを総合的に診断し、口呼吸の根本原因を探ります。

スマイルキッズプログラムによる継続チェック

当院では、定期検診のたびに

•口呼吸傾向
•咀嚼力
•歯列の変化
•姿勢
•舌機能

を評価し、必要に応じて早期対策をご提案します。
口呼吸は数ヶ月~数年で定着してしまうことがあるため、成長過程の継続観察が非常に重要です。

MFT(口腔筋機能療法)

口呼吸から鼻呼吸へ切り替えるためには、舌・口唇・頬の筋力バランスを整える必要があります。
当院では、年齢や発達段階に合わせたMFTトレーニングを実施し、

•舌を正しい位置へ上げる
•口を自然に閉じる習慣
•正しい嚥下(飲み込み)

などを身につけていきます。

矯正専門医による評価(女医)

歯列や骨格の成長分析を行い、口呼吸によって狭くなった上顎や歯列アーチを専門的に評価。
必要であれば小児矯正を組み合わせ、正常な呼吸ができる口腔環境づくりをサポートします。

ご家庭でできるケア

① 姿勢を整える

食事や勉強の姿勢が猫背にならないよう注意。
顎の位置と舌の位置が変わり、口呼吸予防につながります。

② 鼻呼吸を促す声掛け

「鼻で息をしようね」と言葉で導くだけでも効果があります。

③ 寝姿勢の確認

枕の高さや寝姿勢が呼吸に影響する場合があります。

④ 鼻づまりのケア

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が疑われる場合は耳鼻科受診を。

よくある質問(Q&A)

Q1:寝ているときだけ口が開いているけど問題?

寝ているときだけでも要注意です。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、顎の発育にも大きく関わります。

Q2:何歳から歯科で対応できますか?

3歳頃から口腔機能の観察やMFTの導入が可能です。
小児矯正は永久歯萌出状況に応じて検討します。

Q3:口呼吸が自然に治る可能性は?

原因が鼻炎や扁桃肥大であれば改善例もありますが、舌位や習癖が関与する場合は歯科的介入が必要なこともあります。

まとめ

睡眠中の口呼吸は、

•集中力低下
•学習効率の低下
•睡眠の質劣化
•顎発達遅れ
•歯列不正

など、多くの問題につながる可能性があります。
ただし早期発見・適切な指導によって、改善・軽快が期待できます。
伊皿子おおね歯科医院では、
お子さまの呼吸・姿勢・口腔機能を多角的に捉え、
睡眠中の口呼吸の改善につながるサポートを行っています。
「口呼吸かも?」と感じたら、早めのご相談が未来の歯並びや集中力を守る第一歩です。

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乳歯列期の交叉咬合 ― 放置すると顔の左右差に?

はじめに

乳歯が生え揃う時期は、あごの発育や噛み合わせの基盤が形成される、とても重要な時期です。
その中で見落とされがちな噛み合わせの異常のひとつが「交叉咬合(こうさこうごう)」です。
交叉咬合とは、上下の歯の噛み合わせ位置が正常とは逆になり、横方向にずれ込む咬合異常を指します。
特に乳歯列期に起こる交叉咬合は、放置することで顔の左右差(顔面非対称)や顎の偏位を生む原因になることがあります。
乳歯だからそのうち生え変わる…と軽視されることも多い問題ですが、成長に影響する重要なサインです。
本コラムでは、乳歯列期の交叉咬合について、原因・症状・治療のタイミングまで詳しく解説します。

「交叉咬合」とは?

交叉咬合とは、本来上の歯が外側、下の歯が内側に位置する噛み合わせが、逆転してしまっている状態です。
一般的には

•上顎歯列:下顎より外側
•下顎歯列:上顎より内側

となるべきですが、交叉咬合ではこの関係が崩れ、横方向に歯列がずれ込む噛み合わせになります。
特に乳歯期の交叉咬合は、**片側性(右または左のみ)**で起こるケースが多く、これが後の成長に影響を与えるポイントです。

乳歯列期に交叉咬合が起きる原因

① 上下顎の発育差

顎骨の成長バランスが乱れると、左右的な噛み合わせのズレが起こることがあります。
本来、上顎は横方向に広がるように発育しますが、発達が不足すると歯列が狭くなり、下顎が上顎より外側に出てしまうことがあります。

② 歯の位置異常

特定の乳歯が内側や外側に傾斜して生えてしまい、その歯に誘導されて噛み合わせが交叉するケースがあります。

③ 指しゃぶり・口唇吸引癖・頬杖

無意識の癖による偏った力が噛み合わせや顎の発育に影響します。

•指を加える方向
•手の圧力
•頬杖による片側からの力

これらは上下顎のバランスを崩す原因となり、交叉咬合を招くことがあります。

④ 鼻閉・口呼吸

鼻づまりや扁桃肥大によって口呼吸になり、舌位が下がると上顎の側方成長が妨げられます。
その結果、下顎が相対的に外側へ張り出し、交叉咬合が成立しやすくなります。

放置するとどうなる?顔貌への影響

乳歯列期の交叉咬合で特に注意すべき問題が、**顎の偏位(片側へのズレ)**です。

なぜ顎が片側にずれる?

交叉咬合があると、上下の噛み合わせが自然に合いにくくなり、
子どもは無意識に「噛みやすい位置」を探して噛みます。
その結果:
✔ 片側での咀嚼が習慣化
✔ 顎が偏って成長
✔ 顔の左右差が形成される
症状が進むと

•鼻筋のズレ
•下顎の中心線の偏位
•咬合平面の傾斜

など、顔全体の非対称につながることもあります。

永久歯列にも影響します

乳歯列の交叉咬合は、放置しても自然改善することはほぼありません。
むしろ、

•永久歯が同じ方向へずれて生える
•歯列の狭窄
•骨格的なズレの固定
•習慣化された片側咀嚼

といった問題へ発展します。
特に乳歯列の咬合異常は、永久歯の萌出誘導の基準となるため、
早期治療が重要です。

保護者が気づけるサイン

以下のような様子がある場合、交叉咬合の可能性があります:

✔ 上の前歯が下の前歯より内側に入っている
✔ 左右どちらか一方しか噛んでいない
✔ 食事の際に顎が片側に寄る
✔ 正面から見た歯列が左右どちらかにずれている
✔ 下顎が片側に傾いて見える

鏡を見ながらチェックすることで早期発見につながります。

早期対応の重要性

乳歯列期は骨や歯列が柔らかく、成長発育を利用した改善が期待できる時期です。
顎位の偏りが固定化してしまう前に、噛み合わせを正しい位置へ戻すことで、将来の歯列不正や顔貌非対称を防ぐことができます。

歯科医院での治療方法

乳歯列期の交叉咬合では、小児矯正による早期介入が有効です。

① 咬合誘導(噛み合わせの位置を整える)

歯の傾きが原因の場合、歯列の誘導を行い、上下の噛み合わせを正常な位置に近づけます。

② 歯列の側方拡大(上顎を広げる)

上顎の横幅が不足している場合、歯列や顎骨の成長を促す装置を用い、上顎を適切な幅に拡大します。
これにより、下顎の偏位が改善され、噛み合わせも整いやすくなります。

③ 機能面の改善(MFT:口腔筋機能療法)

姿勢・舌位・口唇閉鎖力のトレーニングを並行して行い、
「正しい顎誘導」「鼻呼吸習慣」「舌の正常ポジション」を獲得します。
※ご依頼いただいている歯科医院では補助装置を用いない方針があるため、
咬合誘導と機能改善を軸に解説しています。

「様子を見る」は危険です

乳歯は生え替わるとはいえ、噛み合わせの位置情報は将来的な骨格形成に影響します。
交叉咬合を放置してはいけない理由は次の通りです:

•顎の偏位が固定化
•永久歯の生える位置が誘導されてしまう
•顔貌の左右差が目立ってくる
•噛み合わせがさらに不安定化
•咀嚼力や発語にも影響が及ぶことも

気づいた時点で介入することが、最も低侵襲で効果的な予防策です。

保護者ができるサポート

◇ 頬杖や片側噛みの習慣に注意

一方に力がかかる姿勢や咀嚼は顎偏位の原因となります。

◇ 姿勢と呼吸もチェック

猫背や口呼吸は舌位を低下させ、歯列発達にも影響します。

◇ 乳歯列の噛み合わせの確認

定期的に鏡でチェックし、異常があれば早めに歯科相談を。

結論

乳歯列期の交叉咬合は、「乳歯だから大丈夫」では済まない口腔機能異常のサインです。
幼少期の咬合異常は成長とともに顎骨の偏位となり、顔貌の左右差や噛み合わせ問題につながることがあります。
特に片側性の交叉咬合は頻度も高く、

•片側咀嚼
•顎の偏位
•開咬や上顎狭窄

といった発達の連鎖を招きます。
成長のエネルギーを利用できる乳歯期は改善のチャンスです。
気づいた時、気になった時には早めの歯科受診をおすすめします。

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姿勢の悪さが歯並びに影響?――スマホ姿勢と開咬・出っ歯の関係

はじめに

子どものスマートフォンやタブレット使用は日常となりました。
しかし最近、歯科の現場では**「姿勢の悪さ」と「歯並びの不正との関連」**が注目されています。
特に

•前歯が閉じない「開咬(かいこう)」
•上顎前突(いわゆる出っ歯)

といった歯列不正は、遺伝だけでなく姿勢が深く関わることが分かってきました。
本コラムでは「スマホ姿勢」が口腔機能に及ぼす影響を、小児歯科の視点から解説します。

なぜ姿勢が歯並びに影響するの?

歯並びは遺伝だけでなく、
「口腔機能」と「周囲の筋肉バランス」が大きく関与します。
姿勢が崩れる → 頭位が前方に出る → 舌や唇の位置・頬の筋緊張が変わる → 歯列や顎発育が歪む
この流れが成長期の子どもに特に影響します。

スマホ姿勢の典型例

•首が前に突き出る
•顎が下がる
•背中が丸まる
•気道が狭くなる

こうした姿勢は、口元の筋肉バランスを乱し、長期的に歯並びへ悪影響を及ぼすことがあります。

スマホ姿勢が招く2つの代表的な歯並びリスク

① 開咬(かいこう)

特徴:上下の前歯が噛み合わず隙間が空く状態
開咬は本来、指しゃぶり・舌突出癖などが主要因ですが、近年では
頭位が前傾したスマホ姿勢も要因の一つとして考えられています。

姿勢と開咬が結びつく理由
•頭が下がると舌は自然に後方・下方へ落ちやすい
•舌が上顎に接触しない
•前歯の萌出方向や噛み合わせ誘導が乱れる

舌は本来、上顎の口蓋に軽く触れ、歯列アーチを内側から支えています。
しかしスマホ姿勢により舌位が下がり続けると、
歯が外方向へ広がり、前歯が噛み合わない開咬傾向になることがあります。

② 上顎前突(出っ歯)

特徴:上の前歯や上顎が前へ出た状態
スマホ姿勢では

•下顎が後退しやすい
•唇の力が弱まる
•上唇閉鎖圧(歯を内側へコントロールする力)が低下

これにより前歯が前方へ押し出されやすい環境になります。
さらに、口呼吸傾向も誘発しやすく、
上顎骨の前方発育が助長され、いわゆる“出っ歯傾向”が進む可能性が指摘されています。

スマホ姿勢が間接的に歯並びを悪化させるメカニズム

① 舌位の低下

スマホを見る時、首が前に傾き顎が下がることで、舌は根元から落ち込みます。
舌が上顎から離れると、歯列は外へ向かって広がりやすく、噛み合わせ誘導が崩れます。

② 唇の閉鎖圧が弱まる

前かがみ姿勢では口元の筋緊張が低下しやすくなり、
口唇閉鎖力(歯列を適切に保持する力)が不足してしまいます。
唇の力が弱い → 前歯を抑える圧が減る → 歯が前に傾く

③ 口呼吸の誘発

首が前に傾く姿勢は気道を圧迫し、無意識の口呼吸を招きます。
口呼吸が続くと

•乾燥
•唾液自浄作用低下
•歯肉炎
•扁桃肥大

さらに舌位が下がり、上顎が狭くなり、歯並び不正の温床となります。

④ 全身姿勢と咬合への影響

骨盤の傾き、背骨の弧、肩の位置など身体全体の姿勢は、
顎位や噛み合わせにも連動しています。
特に子どもは成長途中で骨格が柔らかいため、
姿勢の崩れがそのまま顎発育と歯列形成に影響しやすいのです。

スマホ姿勢に要注意なサイン

以下が複数当てはまる場合は、歯科での評価をおすすめします:

✔ 食事中に口が開いている
✔ 会話時に舌が前に出る
✔ 前歯が噛み合わず隙間がある
✔ 前歯が前に傾いてきた
✔ 下顎が小さく見える
✔ 姿勢が丸く、猫背が目立つ

成長期に現れるサインを早く掴むことで、矯正治療の必要性や難易度が大きく変わります。

姿勢改善のために家庭でできる工夫

① スマホやタブレットの高さを調整する

目線より少し下程度に保持し、極端な前傾を避けましょう。

② 「肘を机に置く」の禁止

腕を固定して俯く姿勢は、舌位低下に直結します。

③ 1回の使用は30分以内

小休止を入れ、姿勢リセットを。

④ 正しい座り姿勢

•背筋を伸ばす
•足裏を床に付ける
•顎を引く

椅子と机の高さも大切です。

⑤ よく噛む習慣づくり

咀嚼は口腔周囲筋を鍛え、姿勢にも良い影響を与えます。

姿勢と歯並びの評価は歯科で可能です

歯科医院では

•舌位
•唇圧
•顎の発育状態
•噛み合わせ
•口呼吸傾向

などを総合的に評価します。
必要に応じて

•MFT(口腔筋機能療法)
•姿勢指導
•咬合誘導
•小児矯正

を組み合わせ、適切な成長発育をサポートします。

姿勢改善は矯正治療の効果も左右します

姿勢の崩れは、矯正治療後の後戻りにも影響します。
特に

•開咬傾向
•上顎前突

の改善を目指す場合、
「歯を動かす治療」+「姿勢や機能を整える取り組み」
をセットで行うことが大切です。
歯並びの見た目だけでなく、
「正しい噛み合わせ」
「健全な呼吸」
「舌や唇の正常な働き」
を守ることが、将来の健康につながります。

まとめ

✔ スマホ姿勢は舌位や唇圧を乱し、開咬や上顎前突を招くことがある
✔ 姿勢の乱れは口呼吸を誘発し、歯並び不正の背景になる
✔ 子どもの歯並び問題は、早期に気づけば改善しやすい
✔ 姿勢評価や口腔機能訓練は歯科の専門領域
✔ 歯列矯正と合わせ、成長期の姿勢管理が重要

姿勢は生活習慣の一部であり、
その積み重ねが歯列と顎の発達に影響します。
「最近スマホ時間が増えた」
「口が開いていることが多い」
「前歯が噛み合っていない気がする」
そんな気づきがある場合は、
一度歯科での口腔機能評価をおすすめします。
成長期に最適なサポートを行うことで、
将来の歯並びだけでなく、呼吸や姿勢、集中力や体の発達への良い影響も期待できます。

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地図状舌(ちずじょうぜつ)とは? 舌に現れる模様の正体とケアのポイント

はじめに

鏡を見ると舌の表面に「まだら模様」や「地図のような形」が見えることはありませんか?
一見すると不思議なその舌の模様、実は地図状舌(ちずじょうぜつ)と呼ばれる舌の変化です。
名前だけ聞くと病気のようで不安になりますが、多くの場合は自然に現れる生理的な変化で、軽度であれば治療を必要としません。
しかし、一部では口腔内の環境変化や体調不良、栄養状態などの影響とも関連するため、医学的知識として理解しておくことは非常に有益です。
本コラムでは、地図状舌とは何か、その原因、症状、生活上の注意点、歯科医院での対応まで幅広く解説します。

地図状舌とは?

地図状舌は、舌の表面に地図のような形をした紅斑(赤い斑状の変化)が見られる状態です。
特徴は以下の通りです:

•表面がまだら模様になる
•赤くなった部分と白っぽく見える部分が混在する
•日によって色や形が変わることもある

痛みを伴う場合と、無症状の場合がある

舌の表面には「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」と呼ばれる突起が存在します。
赤い部分は、舌乳頭が脱落して薄くなっている状態です。

病気ではない?多くは自然な変化

地図状舌は見た目にインパクトがあるものの、病気とは限りません
特に子どもでは、健康な状態でも見られることがあります。
下記に該当する場合は多くが経過観察で問題ありません:

•痛みがない
•食事に支障がない
•成長や発達への影響がない

一方、刺激物で舌がしみる、痛みが続く、全身症状を伴うなどがあれば歯科医院への受診をおすすめします。

地図状舌が起こる原因

原因はまだ完全には解明されていませんが、一般的に以下の要因が関与すると考えられています。

①栄養状態・ビタミン不足

特にビタミンB群の不足が舌粘膜の代謝低下につながり、表面変化として現れる場合があります。

②ストレスや疲労

精神的ストレスや体調不良のタイミングで発症するケースがあります。

③アレルギー体質やアトピー

免疫バランスが変化しやすい体質の方に現れることがあります。

④口腔内環境の変化

口呼吸、炎症、口腔乾燥などにより舌の粘膜が敏感になることも。

⑤遺伝的要因

血縁者に同様の症状が見られるケースも報告されています。

どんな症状がある?

地図状舌自体は無症状が多いですが、症状が出る場合もあります。

症状例

•舌のヒリヒリ感
•辛味・酸味の刺激に敏感
•熱い飲食物でしみる
•味覚異常感

見た目の変化が特に顕著で、「舌に模様がある」と驚いて受診されるケースもよくあります。

子どもにも多い地図状舌

地図状舌は小児にも比較的よく見られます
成長期の免疫・疲労・口腔内環境の変化が原因と考えられています。
特に以下の傾向が見られます:

•体調を崩した時期に一時的に発現
•舌の模様が日によって変わる
•成長とともに消えることも

保護者が「何かの病気では?」と心配されることが多いですが、痛みがなければほとんどの場合で心配はいりません。

地図状舌と関連しやすい生活習慣

口呼吸

口が開いている状態では舌が乾燥し、粘膜のバリア機能が低下します。

口内炎ができやすい人

粘膜代謝や免疫状態が不安定な場合、舌表面にも変化が反映されます。

偏った食生活

炭水化物中心、野菜不足など栄養バランスが崩れると舌の代謝にも影響します。

アレルギー傾向

花粉症・アトピーなど免疫反応に影響を受けやすい方に発症率が高いとされています。

治療が必要な場合は?

地図状舌は自然経過で軽快することが多く、舌表面が数週間~数ヶ月で正常に戻ることもあります。
しかし、以下の場合は受診や追加対応が必要です。

医療機関受診を考えるべきケース

•痛みが強く食事ができない
•原因不明の舌炎症状が続く
•舌が腫れたり、白苔が広がる
•口腔カンジダ症の疑いがある
•ビタミン欠乏が疑われる

必要に応じて、歯科だけでなく内科・皮膚科などの協力診療が行われる場合もあります。

日常的なケアのポイント

①刺激の強い食事を控える

•辛いもの
•酸味の強いもの
•熱すぎる飲食物

症状増悪の原因になります。

②口腔内の保湿

口呼吸対策、十分な水分摂取、舌の保湿ケアが推奨されます。

③ビタミン補給

特にB2・B6は粘膜代謝に重要です。
推奨食品:
納豆、卵、レバー、青魚、緑黄色野菜 など

④舌の過度な清掃はNG

舌ブラシで擦りすぎると粘膜を傷つけ、症状が悪化します。

地図状舌と他の舌症状の見分け方

地図状舌

模様が移動する、境界が滑らか

口腔カンジダ症

白いコケ状の付着物、こすると剥がれることも
>>口腔カンジダ症についてはこちらの記事をご覧ください。

舌炎

赤く腫脹し、痛みあり

扁平苔癬

白い網目状の模様

見分けには専門的な判断が必要なため、気になる場合は歯科医院へ。

当院におけるアプローチ

伊皿子おおね歯科医院では、地図状舌に対して以下の点に注目して診察を行います。

原因検索

•栄養状態
•口呼吸
•歯の噛み合わせ
•舌習癖
•口腔乾燥

特に子どもの場合は、口腔機能の発達段階との関連にも注目します。

スマイルキッズプログラムにおける口腔機能チェック

地図状舌が見られる場合、
•舌の動き
•姿勢
•咀嚼状態

なども合わせて評価します。

必要に応じた指導

•舌の保湿ケア
•栄養指導
•食生活見直し
•口腔筋機能療法(MFT)

症状によっては舌乳頭の代謝改善のため、生活習慣の提案も行います。

よくある質問(Q&A)

Q1. 地図状舌はうつりますか?

うつりません。 感染症ではなく、多くの場合体質や生活要因が関係します。

Q2. 子どもの地図状舌は治りますか?

成長とともに自然に軽快するケースが多いです。ただし症状が持続する場合は受診をおすすめします。

Q3. 痛みがある場合、薬は必要ですか?

ビタミン不足や炎症が考えられる場合は外用薬やサプリ等が処方されることがあります。

Q4. 歯や歯並びに影響しますか?

直接的な影響は少ないですが、背景に口呼吸や舌位低下がある場合は歯列発達へ間接的影響があり得ます。

まとめ

地図状舌は舌の乳頭変化によって模様が現れる状態で、多くの場合は病的なものではありません。
しかし、体調・栄養・免疫、さらには口腔機能低下のサインとして現れることもあります。
特に子どもで起こる場合、

•食事習慣
•口呼吸
•発達段階

と関連している可能性があるため、経過観察とともに歯科医院での評価が安心です。
舌は身体の状態を映す鏡でもあります。
地図状舌が気になったら、まずは歯科医院で相談することをおすすめします。

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過剰歯(かじょうし)とは? ― 永久歯の生え方に影響する“余分な歯”の存在

はじめに

「うちの子の永久歯がなかなか生えてこない」「歯並びがおかしい気がする」
そんな相談の背景に、過剰歯(かじょうし)という隠れた原因が存在することがあります。
過剰歯は、本来の本数よりも多く歯が存在する状態を指します。
特に乳歯期から学童期にかけての小児で見つかることが多く、永久歯の生え方を阻害したり、歯並びや噛み合わせに影響するケースもあります。
今回は、小児歯科で重要なテーマである「過剰歯」について詳しく解説します。

過剰歯とは?

過剰歯(Supernumerary Tooth)とは、正常な数以上の“余分な歯”がある状態を指します。
人間の永久歯は本来28本(親知らずを除く)。
しかし、何らかの理由で本来必要のない歯が形成されることがあります。
過剰歯はどこにでも発生しますが、特に多いのは以下の部位です。

•上顎の前歯部(正中歯)
•犬歯付近
•臼歯(奥歯)の周囲

子どもでは、乳歯列の段階でX線撮影を行った際に偶然発見されることもあります。

どうして余分な歯ができるの?

過剰歯の原因は明確には解明されていませんが、以下の要因が考えられています。

①遺伝的要因

家族や兄弟に過剰歯がある場合、発生する可能性が高いとされています。

②歯の形成過程の異常

歯胚(歯の芽)が二つに分かれたり、余分に形成されたりすることが原因と推測されています。

③症候群との関連

骨形成や成長に関わる一部疾患を持つ人に見られる例もありますが、多くは単独で発生するため、必ずしも病気につながるわけではありません。

過剰歯が与える影響

過剰歯が存在していても症状がなく、経過観察で問題ないこともあります。
しかし、位置によってはさまざまなトラブルを引き起こします。

主な影響

1. 永久歯の萌出遅延
過剰歯が前方に陣取ることで、本来生えてくるはずの永久歯の萌出が邪魔されることがあります。
2. 歯並びの乱れ
永久歯が傾いて生えたり、捻じれたり、スペース不足となって歯列不正の原因となることがあります。
3. 歯根への悪影響
過剰歯の位置が悪い場合、隣の歯の根に接触し、吸収や移動を引き起こすことも。

過剰歯が疑われるサイン

保護者の方が気づけるポイントとしては、以下のようなものがあります。

永久歯がなかなか生えてこない

前歯に多い傾向があります。

歯並びが急に乱れてきた

乳歯が抜けた後にスペース不調や傾きが起きた場合は注意。

歯の位置や形が左右非対称

隠れた過剰歯の影響で歯が押されている可能性があります。
少しでも気になる場合は、小児歯科へ相談をおすすめします。

過剰歯の診断方法

過剰歯の存在は、外見から判断できないことも多く、レントゲン検査が必須となります。

主な診断方法

•デンタルX線(部分撮影)
•パノラマX線(顎全体)
•CT撮影(必要に応じ)
位置や形状、永久歯との距離、萌出の影響などを総合的に判断します。

過剰歯の治療方針

治療は過剰歯の位置、永久歯への影響の有無、年代などにより異なります。
大きく分けると以下の2つです:

①経過観察

症状がなければすぐに抜歯せず、歯の萌出状態や歯列変化を定期管理します。

②抜歯(過剰歯の除去)

以下の状況では抜歯が検討されます:

•永久歯の萌出を妨げている
•歯列不正の原因となっている
•歯根など周囲組織を圧迫している
•痛みや感染リスクがある

抜歯時期は慎重に検討します。
永久歯の発育・骨形成・萌出方向などを確認しながら計画的に行います。
特に、正中部(上の前歯の真ん中)にある過剰歯は歯列不正の原因になることが多く、抜歯対応されるケースが比較的多いです。

過剰歯と歯列矯正の関係

過剰歯によって歯列に乱れが生じている場合、矯正治療によって歯並びや噛み合わせを整える必要があります。
伊皿子おおね歯科医院では、矯正を専門的に行う女医による評価のもと、歯列や顎の発達の整合性も合わせて確認します。
過剰歯の抜歯後に、永久歯が正しく生えてくるかどうかを予測し、必要であれば小児矯正を併用することで自然な歯列形成につなげます。

当院でのサポート

当院では、過剰歯の診断だけでなく、その後の歯列発育のフォローも重視しています。

スマイルキッズプログラム

定期検診のたびに、

•歯の生え変わり
•顎の成長バランス
•噛み合わせ
•舌の位置

などを細かくチェック。
永久歯萌出の遅れや歯列不正に早期に気づく体制を整えています。

矯正専門医の女医が常勤

CT解析や模型診査を通じて、
過剰歯による噛み合わせ不調や骨格発育への影響を総合的に評価します。
必要に応じて、

•抜歯のタイミング
•生え変わりのフォロー
•小児矯正の併用
•MFTで口腔筋機能の調整

など、一人ひとりに合わせた治療プランをご提案します。

よくある質問(Q&A)

Q1:過剰歯は自然に消えますか?

基本的に自然消失はしません。レントゲンで確認できた場合は、歯科医が位置と影響を評価します。

Q2:痛みがない場合は放置してもいいですか?

歯の萌出を妨げていない場合は経過観察も可能ですが、影響の有無を定期チェックすることが重要です。

Q3:抜歯は痛い?

麻酔下で行うため手術中の痛みは少なく、必要に応じて鎮痛管理も行います。

Q4:矯正治療は必ず必要?

過剰歯の影響で歯列不正が生じている場合に検討します。状況によっては不要な場合もあります。

まとめ

過剰歯は見逃されやすい異常のひとつですが、永久歯の萌出遅延や歯列不正の原因となることがあります。
特に子どもの成長期に発見できるかどうかで、その後の歯並びの安定性は大きく変わります。
「永久歯が生えてこない」「歯並びが気になる」
そんなときは過剰歯の存在を歯科医院で確認してみましょう。
伊皿子おおね歯科医院では、過剰歯の診断、治療方針の検討、萌出フォロー、矯正評価まで一貫してサポートいたします。
お子さまの歯の健康と未来の歯並びを守るためにも、早期発見が何より大切です。

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アフタ性口内炎とストレスの関係――子どもにも起こる繰り返し口内炎

はじめに

「子どもが口の中に白い潰瘍ができて痛がっている」
「食事のたびにしみてかわいそう」
保護者の方からよく聞かれる症状のひとつが「アフタ性口内炎」です。
アフタ性口内炎は、唇や頬の内側、舌、歯ぐきにできる浅い潰瘍で、多くの場合2週間ほどで自然に治癒します。
しかし、子どもに繰り返し発生する場合は、ストレスや免疫低下、口腔環境の問題などが深く関わっていることがあります。
本コラムでは、アフタ性口内炎が子どもに起こる仕組みやストレスとの関連、そして予防のポイントについて詳しく解説します。

アフタ性口内炎とは?

白い潰瘍が特徴的な粘膜の炎症

アフタ性口内炎は口腔粘膜に発生する浅い潰瘍(アフタ)が特徴です。
中央が白色〜黄色、周りが赤く縁取られた見た目になることが多く、触れると強い痛みを伴います。

子どもに見られやすい部位

•頬の内側
•舌の側面・先端
•下唇の内面
•歯ぐき付近

特に舌にできた場合、食事や会話に大きな支障が出ます。

なぜアフタ性口内炎が起こるのか?

原因は1つではなく、複合的な要因が関わるとされています。
特に子どもでは、以下が代表的です。

①ストレスと免疫機能の乱れ

意外かもしれませんが、精神的・身体的ストレスは子どもの口内炎を誘発する重要な要因です。
ストレスが加わると自律神経バランスが崩れ、

→ 唾液量が低下
→ 免疫力が弱まる
→ 粘膜バリアが脆弱になる

この流れが繰り返しアフタ性口内炎を起こす背景になると考えられています。

子どもの場合に見られるストレス例
•入園・入学、クラス替えなど環境変化
•生活リズムの乱れ
•習い事や宿題量の増加
•対人関係の不安
•保護者の状況変化(転居・仕事・出産など)
大人と同じように子どもも日々ストレスにさらされており、これが粘膜免疫の低下として現れることがあります。

② 栄養バランスの乱れ

特に以下の栄養素不足が指摘されています:
•ビタミンB群
•鉄
•葉酸
•亜鉛
成長期の食生活が偏ると粘膜機能が低下し、アフタ性口内炎を繰り返すリスクが高まります。

③ 口腔環境のトラブル

•歯ブラシの強い接触
•頬や唇の粘膜を噛んでしまう癖
•歯並びの不正で粘膜に擦れる
•矯正装置による接触刺激
粘膜の微細損傷から炎症が起きるケースもあります。

④ 免疫機能の低下時

風邪や感染症後、ワクチン接種後、睡眠不足などで免疫力が落ちた時に症状が現れやすくなることもあります。

ストレスとの関連性は医学的にも指摘されています

アフタ性口内炎の発生要因として最も有力視されているのが、免疫反応の乱れです。
ストレスは免疫細胞の働きを抑制するとともに、粘膜の再生能力も低下させます。
特に子どもは環境変化や気持ちの揺れに敏感で、ストレス反応が体に出やすい傾向があります。
「学校が忙しくなった頃から繰り返し起きている」
「新しい習い事を始めてから増えた気がする」
といった保護者の声は珍しくありません。

病気が隠れている場合もあります

多くは一過性ですが、以下の場合は他の病気を疑うこともあります:
•月に何度も繰り返す
•潰瘍の数が多い
•発熱や倦怠感を伴う
•3週間以上改善しない

ベーチェット病や腸疾患など、全身疾患の初発症状として現れることもあります。
反復する場合は歯科だけでなく医科との連携も必要です。

自宅でできる対策

①お口の清潔を保つ

歯磨きは刺激の少ないやわらかめのブラシで。

②栄養バランスを整える

•ビタミンB群(レバー・卵・魚)
•亜鉛(肉・ナッツ類)
•鉄分(赤身肉・豆類)

過度な偏食がないかも確認しましょう。

③規則正しい生活習慣

•睡眠不足
•不規則な生活
•運動不足

は免疫低下につながりやすい要因です。

④ストレスサインを見逃さない

「学校どう?」「最近困ってることある?」
些細な会話も、子どものストレス軽減につながります。

歯科でできるケア

①刺激源の確認

•歯の鋭縁が粘膜を刺激していないか
•抜歯や外傷後の傷はないか
•歯並びによる接触はあるか

原因となる部位を評価します。

②レーザー治療で痛みの緩和

口内炎部分へレーザーを照射することで

•痛みの軽減
•治癒促進
•再発予防

が期待できます。
照射は数分程度で、子どもも受けやすい処置です。

③再発予防の環境調整

唾液分泌、口呼吸傾向、磨き方、舌癖なども含め総合的に評価します。

ストレスと口内の不調は密接に関連しています

アフタ性口内炎は、子どもの心と体のバランスが崩れているサインであることも少なくありません。
•学校環境の変化
•生活リズムの乱れ
•保護者・兄弟との関係性
こうした背景を理解しながらケアする姿勢が大切です。
繰り返す場合や痛みが強い場合は、歯科医院での診察をおすすめします。

まとめ

✔ アフタ性口内炎は子どもにも繰り返し起こり得る
✔ 背景にはストレスや免疫低下が関係
✔ 栄養不足や口腔刺激も要因となる
✔ 再発性の場合は専門的評価が必要
✔ 歯科ではレーザー治療などで痛み緩和と回復促進が可能

「そのうち治る」と放置するのではなく、
頻度が多い場合は一度専門的なチェックを受けることで、原因を明確にし再発を抑えることができます。

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鼻づまりと歯並びの関係 ― アデノイド肥大がもたらす口腔機能への影響

はじめに

「子どもがいつも口を開けている」「寝ているときにいびきをかく」「口呼吸が多い」――
そんな様子に気づいたことはありませんか?
実は、その“鼻づまり”の裏に、歯並びや顎の成長に関わる深い問題が隠れていることがあります。
中でも代表的なのが、アデノイド肥大。鼻の奥にあるリンパ組織が大きくなることで、鼻呼吸を妨げ、長期的には口腔機能や歯列の発達に影響を及ぼします。
今回は、鼻づまりと歯並びの関係、そして歯科的視点からのアプローチについて詳しく解説します。

アデノイドとは?

アデノイドとは、鼻の奥(鼻咽頭)の上部にあるリンパ組織のことで、正式には「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」と呼ばれます。
免疫の働きを担う器官で、ウイルスや細菌をブロックする役割を果たします。
しかし、3〜6歳ごろに最も大きくなりやすく、成長に伴って自然に小さくなるのが一般的です。
それでも、肥大が強い場合や慢性的な鼻炎・アレルギーがある場合には、呼吸や睡眠、顔の成長にまで影響を及ぼすことがあります。

アデノイド肥大によって起こる「鼻づまり」

アデノイドが大きくなると、鼻の奥の通り道(上咽頭)が塞がれ、空気の流れが悪くなります。
その結果、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸をする癖がついてしまいます。

よくある症状

•常に口が開いている
•いびきや無呼吸が見られる
•鼻声(声がこもる)
•食事中に口が閉じられない
•集中力が続かない

これらは単なる“鼻づまり”ではなく、呼吸・睡眠・発達に関わるサインでもあります。

鼻づまりが歯並びに影響する理由

1. 口呼吸による顎の発育抑制

鼻づまりが続き口呼吸が習慣化すると、舌が下がった位置に固定され、上あご(口蓋)の発育が妨げられます。
本来、舌が上あごに触れることで内側から骨を押し広げ、横幅のある健全な歯列を作ります。
しかし、舌が下がるとこの力が働かず、上顎が狭く高く(狭窄歯列) なり、歯が並びきらなくなります。

2. 顔貌(がんぼう)への影響

口呼吸が続くと、下顎が後退し、口元が出て見える「出っ歯(上顎前突)」の傾向になります。
また、口が常に開いているため、“ロングフェイス(縦に長い顔)” になることも。
これは骨格形成期に多い特徴であり、早期介入が重要です。

3. 唾液分泌の低下と虫歯リスク

口呼吸では口腔内が乾燥し、唾液による自浄作用が低下します。
その結果、虫歯や歯肉炎が起こりやすくなり、さらに口臭の原因にもなります。

口腔機能への影響

アデノイド肥大による鼻づまり・口呼吸は、単に「歯並びの乱れ」だけでなく、口腔機能全体にも影響します。

舌・唇・頬の筋バランスが崩れる

•舌が下がることで舌圧が低下し、発音が不明瞭になる
•唇を閉じる筋肉(口輪筋)が弱くなる
•食べこぼしや「クチャクチャ食べ」などの咀嚼異常

嚥下(えんげ:飲み込み)の異常

舌を正しく使えないことで、飲み込みの際に前歯を押し出すような異常嚥下癖が定着します。
これも歯列不正の原因になります。

ご家庭で気づけるサイン

保護者の方が早期に気づくことが、口腔機能の健全な発達にとって非常に重要です。
チェックしてみましょう
•口をぽかんと開けている
•寝ているときにいびきをかく
•鼻声・発音がこもる
•食事中に口を閉じられない
•顔が長く見える、口元が出てきた
これらの症状が見られる場合、耳鼻科と歯科の連携が必要です。

歯科でできるサポート

伊皿子おおね歯科医院では、アデノイド肥大や鼻づまりによる口呼吸の影響を考慮し、口腔機能発達支援を行っています。

当院の取り組み

•スマイルキッズプログラム
定期検診のたびに、呼吸・姿勢・歯列・舌の位置を総合的にチェック。
•MFT(口腔筋機能療法)
舌や唇の筋力を鍛えるトレーニングを通じて、口呼吸から鼻呼吸への移行をサポート。
•矯正専門の女医による治療
歯列や顎の発育を専門的に評価し、必要に応じて早期矯正や拡大装置などで骨格の成長をサポート。
鼻づまりそのものの治療は耳鼻科領域ですが、歯科では「口呼吸によって崩れた機能の回復」を担います。

よくある質問(Q&A)

Q1. アデノイド肥大は自然に治りますか?

成長とともに小さくなるケースもありますが、長期間の鼻づまりや口呼吸が続く場合は医師の診察が必要です。

Q2. 鼻呼吸に戻すにはどうすればいいですか?

耳鼻科での鼻づまり治療と並行して、歯科でMFTや呼吸トレーニングを行うことが効果的です。

Q3. 歯列矯正で鼻呼吸も改善しますか?

骨格的な制限が緩和されることで鼻腔が広がり、結果的に呼吸しやすくなる場合もあります。

ただし、原因がアデノイドにある場合は耳鼻科での治療が優先です。

まとめ

鼻づまりやアデノイド肥大は、単なる「呼吸の問題」ではなく、歯並び・顎の成長・口腔機能の発達に密接に関わっています。
放置すると、出っ歯や開咬、口呼吸の固定化など、さまざまな形で将来的な影響を残すことがあります。
早期に気づき、耳鼻科と歯科の両面からアプローチすることで、
子どもの健やかな呼吸と美しい歯並びを守ることができます。
お子さまが「いつも口を開けている」「鼻づまりが続いている」ようであれば、
ぜひ一度、歯科医院でお口と呼吸の状態をチェックしてみてください。

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