白金高輪の歯医者伊皿子おおね歯科医院。白金高輪駅、泉岳寺駅徒歩5分

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「歯根破折」で抜歯は避けたい!歯の寿命を延ばす「ファイバーコア」という選択

歯の寿命を左右する「歯根破折」と「ファイバーコア」の重要性

歯は人体で最も硬い組織の一つですが、残念ながら永久に持つものではありません。特に、神経を抜いた(根管治療を行った)歯は、もろくなりやすく、さまざまなリスクを抱えることになります。その中でも、歯の寿命を大きく左右する深刻な問題が「歯根破折(しこんはせつ)」です。

歯根破折とは?なぜ神経を抜いた歯に起こりやすいのか

歯根破折とは、歯の根っこの部分にヒビが入ったり、完全に割れてしまったりする状態を指します。歯根破折が起こると、歯周組織との間に隙間が生じ、そこから細菌が侵入して炎症を引き起こします。自覚症状としては、噛むと痛い、歯茎が腫れる、膿が出る、歯がグラグラするといったものがありますが、初期の段階では自覚症状がないことも少なくありません。

神経を抜いた歯が歯根破折を起こしやすい理由はいくつかあります。まず、神経と共に血管も失われるため、歯への栄養供給が途絶え、歯自体が乾燥してもろくなります。例えるなら、生木が乾燥して枯れ木になるようなイメージです。また、根管治療の過程で歯の内部が削られることで、歯の構造が弱くなることも一因です。さらに、歯に大きな力が加わった際、例えば食いしばりや歯ぎしり、硬いものを噛んだ時、あるいは被せ物(クラウン)の土台に金属の芯(メタルコア)を使用した場合などに、その力が歯の根に集中し、破折を引き起こすことがあります。

一度歯根破折が起こってしまうと、多くのケースでその歯を保存することが困難になります。なぜなら、割れた部分を完全に接着して封鎖することが極めて難しく、そこから感染が繰り返し起こるためです。そのため、残念ながら抜歯を余儀なくされる場合がほとんどです。

歯根破折のリスクを低減する「ファイバーコア」

このように、歯の寿命を脅かす歯根破折を防ぐために、現代の歯科医療では様々な工夫が凝らされています。その一つが、根管治療後の被せ物の土台として使用する「ファイバーコア」です。

従来、神経を抜いた歯の土台には、金属製のメタルコアが使用されることが一般的でした。メタルコアは強度が高く、被せ物をしっかりと支えるという利点がありました。しかし、金属は非常に硬いため、歯に強い力が加わった際に、歯よりも硬いメタルコアが「くさび」のように作用し、歯根に無理な力を集中させてしまうことが、歯根破折の一因となることが指摘されてきました。

一方、ファイバーコアは、ガラス繊維強化樹脂を主成分とした土台です。その最大の特長は、天然の歯に近いしなやかさ(弾性)を持っている点にあります。このしなやかさにより、噛む力が歯全体に均等に分散されやすくなり、歯根に集中する応力を緩和することができます。その結果、歯根破折のリスクを大幅に低減することが期待できます。

また、ファイバーコアは金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がなく、歯茎が黒ずむ「ブラックマージン」といった審美的な問題も防ぐことができます。さらに、光透過性があるため、オールセラミックなどの透明感のある被せ物と組み合わせることで、より自然で美しい仕上がりを実現することも可能です。

歯の未来を守る選択

歯根破折は、一度起こってしまうと取り返しのつかない事態になることがほとんどです。
ご自身の歯をできるだけ長く健康に保つためにも、根管治療後の土台の選択は非常に重要です。ご不明な点やご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、皆様の大切な歯の未来を共に守るお手伝いをいたします。

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美しさと機能性を両立するセラミック治療 ― メリットと注意点を正しく理解しよう

虫歯治療や審美目的の補綴治療において、近年特に注目されているのが「セラミック治療」です。自然な美しさに加え、金属を使わないことで身体への負担も少なく、長期的に安定した口腔環境が期待できる点が大きな魅力です。
一方で、セラミック治療には保険が適用されないケースが多く、費用面や破損リスクなど、事前に理解しておくべき注意点も存在します。
このコラムでは、セラミック治療がなぜ選ばれているのか、その優れた点とともに、知っておくべきデメリットについてもわかりやすく解説いたします。

セラミック治療とは?

セラミック治療とは、虫歯や欠損歯などの補綴治療において、歯の一部または全体を「セラミック(陶材)」素材で修復する治療法です。主に以下のような補綴物に使用されます。
•インレー(詰め物)
•クラウン(被せ物)
•ラミネートベニア(前歯表面に貼り付けるシェル状の補綴物)
•ブリッジやインプラント上部構造など
セラミックはガラスに似た素材でありながら、耐久性や審美性に優れ、近年では「ジルコニア」や「e.max」といった、さらに高強度なセラミック素材も登場しています。

セラミック治療の優れている点

1. 審美性に優れる ― 自然な白さと透明感
セラミックの最大の特長は、天然歯のような美しい見た目を再現できる点です。色調の調整が細かく可能で、隣接する歯の色や質感に合わせた製作ができます。特に前歯など、見た目が重視される部位では、保険の金属やプラスチック素材と比べて格段に自然な仕上がりになります。
また、セラミックは経年変化による変色がほとんどなく、長期間美しい状態を保てる点も大きな魅力です。
2. 金属アレルギーの心配がない ― メタルフリー素材
保険診療で使用される金属(銀歯など)は、体質によっては金属アレルギーの原因となることがあります。セラミックは金属を一切含まないため、アレルギーの心配がなく、身体にやさしい素材として注目されています。
また、金属を使わないことで、歯ぐきとの境目が黒ずんで見えるような「メタルライン」も生じません。審美的にも清潔感のある仕上がりになります。
3. すぐれた耐久性と生体親和性
高強度なセラミック素材(ジルコニアなど)は、しっかり噛む奥歯にも使用できるほどの耐久性を備えています。また、表面が非常になめらかで汚れが付きにくいため、プラークの蓄積を抑えやすく、虫歯や歯周病の再発防止にもつながります。
さらに、歯ぐきとの適合性が良く、炎症が起こりにくいため、長期的に健康な歯周環境を維持しやすいのも特徴です。
4. 精密な製作が可能 ― 技工士との連携によるオーダーメイド
セラミック治療では、歯科技工士が患者さんの歯型や色調、咬合の状態に合わせて一つひとつ丁寧に補綴物を作製します。最新のCAD/CAM技術や手作業による微調整によって、高い精度とフィット感を実現できます。
こうした細かな仕上げが、装着後の違和感の少なさや、咬み合わせの安定性にもつながっています。
伊皿子おおね歯科医院では、特に色合わせ等の際にはトップクラスの歯科技工士さんに立ち会ってもらっています。
>>トップクラスの歯科技工士による補綴治療
>>歯科治療を支える“もうひとりの専門家” ― 歯科技工士の重要性について

セラミック治療のデメリット・注意点

1. 保険適用外 ― 自費診療になることが多い
セラミック治療は、基本的に**自費診療(保険適用外)**となるため、金属製の保険治療に比べて費用が高額になります。治療費は医院や使用する素材によって異なりますが、インレーで数万円、クラウンで10万円前後かかる場合もあります。
そのため、セラミック治療を検討する際は、見た目や機能性とのバランス、将来的な治療の回数や期間なども踏まえて総合的に判断することが大切です。
2. 強い衝撃で破折することがある
セラミックは金属のようにしなやかな性質ではなく、一定の衝撃には弱いという性質があります。特に歯ぎしりや強い噛みしめの癖がある方は、セラミックの破折リスクが高まります。そのような方には、ナイトガード(マウスピース)の装着を推奨することがあります。
また、治療前に噛み合わせのバランスをしっかり調整することが、トラブル防止の鍵となります。
3. 技術によって仕上がりに差が出ることがある
セラミック治療は、歯科医師の形成技術と、歯科技工士の製作技術の両方が求められる治療です。丁寧な型取り・咬合の記録・色調指示がなければ、どれだけ素材が良くても理想的な補綴物は完成しません。
そのため、経験豊富な歯科医院・技工所と連携しているかどうかが、結果の良し悪しを大きく左右します。治療前にどのような素材・手順で治療が進むのか、丁寧な説明があるかを確認すると安心です。

セラミック治療は「選べる時代」に

一昔前までは、「銀歯=当たり前」という認識が一般的でした。しかし、現在では審美性・健康面を重視して、セラミック治療を希望する方が年々増加しています。さらに、CAD/CAM技術の進歩によって、費用を抑えたセラミック製の保険診療(※条件付き)も一部で導入され始めています。
とはいえ、素材や部位によっては従来の保険適用外となるケースが多いため、自費診療のセラミック治療が依然として主流です。治療を検討する際は、「見た目」「機能」「健康」「費用」など、何を優先するかを明確にし、歯科医師と相談しながら最適な選択を行うことが大切です。

おわりに ― 10年先を見据えた治療を

セラミック治療は、「ただ見た目を良くする」だけでなく、再発のリスクを減らし、口腔内を健康に保ちやすい環境をつくるための選択肢です。もちろん保険診療にも良さはありますが、「より良いものを長く使いたい」という方にとっては、セラミック治療が大きなメリットをもたらしてくれます。
重要なのは、素材だけでなく「誰が・どのように治療を行うか」。納得のいく説明を受けたうえで、ご自身のライフスタイルや価値観に合った治療法を選びましょう。
セラミック治療についてご不明な点やご相談があれば、ぜひお気軽に当院までお声がけください。あなたの笑顔と健康を長く支える、最適な治療をご提案いたします。

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歯科のガムピーリングとは?

ガムピーリングとは、歯ぐき(歯肉)の黒ずみを取り除き、健康的なピンク色に改善する治療です。メラニン色素の沈着により、歯ぐきが黒ずんで見えることがありますが、これは遺伝や喫煙、加齢などが原因で起こります。ガムピーリングでは、レーザーや薬剤を用いて表面の色素を除去し、歯ぐき本来の自然な色を取り戻すことができます。治療は比較的短時間で済み、痛みや腫れも少ないのが特徴です。見た目の印象が大きく変わるため、笑ったときに歯ぐきが見える方や、口元の美しさにこだわりたい方に人気のある審美的な処置です。歯のホワイトニングと併用することで、より明るく健康的な印象を与えることができます。気になる方は一度、歯科医院で相談してみてください。

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気になる「口臭」の正体とその対策 ― 原因・予防法・歯科医院での治療について

人と話していて、「自分の口臭、大丈夫かな」とふと心配になった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。口臭は自分では気づきにくく、他人に指摘されにくい分、とてもデリケートな問題です。しかし、原因や対策を正しく知ることで、予防や改善は十分に可能です。このコラムでは、口臭の主な原因と日常でできる予防法、そして歯科医院で行われる具体的な治療について詳しくご紹介します。

口臭の主な原因とは?

口臭には大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。
1. 生理的口臭
これは誰にでもある自然な口臭です。例えば、起床直後や空腹時、緊張して唾液の分泌が減ったときに一時的に強くなります。これは口腔内の乾燥により、嫌気性菌が増殖しやすくなるためです。生理的口臭は、飲食や歯磨き、会話などで唾液が分泌されると自然に改善されることが多く、特に心配はいりません。
2. 病的口臭
こちらは、何らかの病気や異常が原因で発生する口臭です。原因として多いのが「口腔内の疾患」です。特に以下のようなものが挙げられます。
•歯周病:歯周病菌が歯周ポケットで繁殖することで硫化水素などの臭気ガスを発生させます。
•虫歯:進行した虫歯では、歯が腐敗し臭いの原因になります。
•舌苔(ぜったい):舌の表面に溜まった汚れ(食べかすや細菌)が原因で臭いが発生することがあります。
•合わない入れ歯や被せ物:清掃不良や細菌の繁殖によって悪臭を伴うことがあります。
•胃が悪い方:胃や腸の調子が悪い場合は食物の消化に時間がかかるため、多くの悪臭成分が発生して強い口臭になってしまいます。
•蓄膿症:副鼻腔に膿がたまり、それが原因で口臭になることがあります。
また、口腔内以外の要因としては、呼吸器や消化器の病気(副鼻腔炎、胃炎など)、糖尿病や肝疾患などの全身的な病気が原因となる場合もあります。

自宅でできる予防法

口臭予防の基本は、口の中を常に清潔に保つことです。以下のポイントを意識することで、日常的に口臭を予防することができます。
1. 正しい歯磨き習慣
1日2〜3回、特に就寝前の丁寧なブラッシングが効果的です。歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など、汚れがたまりやすい部分をしっかり磨くことが大切です。
2. デンタルフロス・歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは落としきれない歯間のプラーク(歯垢)を除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの併用がおすすめです。
3. 舌の清掃
舌の表面には食べかすや細菌がたまりやすく、臭いの原因となることがあります。専用の舌ブラシややわらかい歯ブラシで、優しく舌苔を取り除きましょう。
4. 唾液の分泌を促す
唾液には、口臭の原因菌を洗い流す働きがあります。ガムを噛んだり、水分をこまめに摂取したりすることで唾液の分泌を促しましょう。
5. 食生活の見直し
ニンニクやネギなどの強いにおいを伴う食べ物の摂取は、一時的に口臭を強くすることがあります。また、糖分が多い食事は虫歯や歯周病の原因にもなりやすいため、バランスの取れた食生活を心がけることも大切です。

歯科医院で行われる口臭治療

日常的なケアを行っても口臭が気になる場合は、歯科医院での診断と治療を受けることをおすすめします。以下のような診療を通じて、根本的な原因を突き止め、適切な対処が可能になります。
1. 歯周病・虫歯の治療
歯周病や虫歯が口臭の原因である場合は、それらの治療を優先的に行います。歯石除去や根管治療、被せ物の修復・再作製などが含まれます。
2. プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
専用の器具と薬剤を用いて、普段のブラッシングでは取り切れない歯垢や歯石を徹底的に除去します。定期的なPMTCは、口腔内の清潔を保ち、口臭予防にも大きな効果があります。
3. 舌クリーニングの指導
舌苔が原因の場合は、適切な舌の清掃方法を指導してくれることもあります。過度な舌磨きは粘膜を傷つける恐れがあるため、自己流ではなく専門家のアドバイスを受けることが安心です。
4. 生活習慣やセルフケアの見直し
患者様の生活習慣やセルフケアの方法を詳しく聞き取り、改善点を提案するカウンセリングを行う歯科医院も増えています。例えば、ドライマウス対策として保湿ジェルの使用を勧めたり、就寝前のケアの方法を再確認したりします。

おわりに ― 口臭は予防と治療で改善できる

口臭は非常に身近な悩みでありながら、原因や対策がわからずに放置されがちです。しかし、多くの場合、口腔内の清掃状態や疾患に起因しており、正しいセルフケアと歯科医院での適切な治療によって改善が可能です。
気になる場合は、一人で悩まず、まずは歯科医院で相談してみることが第一歩です。口の中を清潔に保つことで、見た目だけでなく、健康や対人関係の自信にもつながります。清潔で快適な口腔環境を維持し、笑顔で過ごせる毎日を目指しましょう。

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食事と歯磨きの正しい関係とは?

私たちが食事をすると、口の中は一時的に酸性に傾きます。この酸性の状態は、歯の表面(エナメル質)を溶かす原因となり、むし歯のリスクを高めます。特に、糖分を含む食べ物や飲み物を頻繁にとると、歯の再石灰化が追いつかず、むし歯が進行しやすくなります。

そこで大切なのが、食後の歯磨きです。ただし、食後すぐの歯磨きは避け、30分ほど時間を置いてから行うのが理想的です。これは、酸性になった直後の歯は柔らかくなっており、すぐに磨くと傷つけてしまう恐れがあるためです。

また、1日3回の歯磨きだけでなく、就寝前は特に丁寧に磨くことをおすすめします。夜間は唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすい状態になるからです。

食生活と歯磨きのバランスを意識することで、むし歯や歯周病を防ぐことができます。毎日のちょっとした習慣が、大切な歯を守る鍵となります。

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歯科治療を支える“もうひとりの専門家” ― 歯科技工士の重要性について

歯科医院で治療を受けた際、患者さんが目にするのは歯科医師や歯科衛生士など、診療に直接かかわるスタッフがほとんどです。しかし、その治療の質を陰で大きく左右している“もうひとりの専門家”がいます。それが「歯科技工士」です。歯科技工士は患者さんと直接対面することは少ないものの、詰め物や被せ物、入れ歯、インプラントの上部構造など、口腔内に装着される“人工の歯”をつくり出すプロフェッショナルです。
本コラムでは、歯科技工士の役割や重要性について、一般の方にもわかりやすくご紹介します。

歯科技工士とはどんな職業か?

歯科技工士とは、歯科医師の指示のもと、義歯(入れ歯)や補綴物(詰め物・被せ物)、矯正装置などの製作を専門に行う国家資格保有者です。歯科技工士になるには、厚生労働省認定の専門学校や大学で所定の課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。
一見、モノづくりの職人のようにも思えますが、単なる「形をつくる」作業ではなく、医療の一部として患者さんの健康や生活の質(QOL)に直結する、非常に重要な役割を担っています。

歯科技工士の主な仕事

歯科技工士が製作するものには、以下のようなものがあります。
● クラウン(被せ物)・インレー(詰め物)
虫歯などで歯が欠損した部分を補うための人工物です。見た目やかみ合わせ、耐久性などを考慮し、素材もセラミック、ジルコニア、金属など様々あります。
● 義歯(入れ歯)
歯を失った場合に使用される部分入れ歯や総入れ歯も、歯科技工士が一つひとつ手作業で作ります。
● インプラントの上部構造
人工歯根(インプラント体)に装着する“歯”の部分。咬み合わせや周囲の歯との調和を考え、非常に高い精度と審美性が求められます。
● 矯正装置
歯並びやかみ合わせを整えるための装置も、患者さん一人ひとりの口腔内に合わせてカスタマイズされます。
これらの技工物はすべてオーダーメイドで、ミリ単位の精密な作業が求められます。

歯科技工士が重要とされる理由

1. 治療結果の質を左右する
どれほど歯科医師が丁寧に治療しても、最終的に口腔内に装着される技工物の出来が悪ければ、治療の効果は十分に発揮されません。審美性や機能性に優れた補綴物を提供するためには、歯科技工士の技術と経験が不可欠です。
2. 審美性と機能性の両立
前歯など見た目が重視される部位では、歯の色、形、透明感を自然に再現することが求められます。一方で奥歯では、咀嚼機能を重視した形態が必要です。こうした複雑な要求に応えるのが、歯科技工士の技術力です。
3. 患者ごとに異なるニーズへの対応
歯の大きさ、口の動き、咬合のクセなどは人それぞれ異なります。歯科技工士は、歯型や咬み合わせのデータをもとに、患者ごとに最適な形や構造を設計・製作します。

院内に歯科技工士がいなくても、質の高い補綴治療は可能です

当院には常勤の歯科技工士はおりませんが、長年連携している信頼性の高い外部歯科技工所と密に協力し、精度の高い補綴物をご提供しています。
技工所との連携においては、単に技工物の製作を依頼するだけでなく、写真や模型、咬合データの共有、治療設計に関する詳細なコミュニケーションを行っています。また、色合わせが必要な場合には、患者様に直接技工所に出向いていただき、技工士が立ち会って確認を行うことも可能です。
このような綿密な連携により、院内に技工士が常駐していなくても、高水準の補綴治療を提供する体制を整えております。

歯を「家」に例えると…

歯科医師と歯科技工士の関係をわかりやすく例えると、次のように表現されます。
• 歯科医師は「土台」を整える建築士・施工者
• 歯科技工士は「上物(家)」を美しく仕上げる職人
たとえば、虫歯や根の病気で大きく歯を削った場合、歯科医師が基礎工事を行い、土台を整えます。そして、その上に被せ物という“家”を建てるのが歯科技工士の役割です。どちらが欠けても、快適な“住まい”=お口の健康は実現しません。

おわりに ― 見えないところにこそ技術が宿る

普段、患者様の目に触れることのない歯科技工士ですが、私たちが口の中で毎日使う「人工の歯」は、すべて彼らの手によってつくられています。審美性・機能性・快適性を兼ね備えた補綴物の完成には、歯科医師と歯科技工士の信頼と連携が不可欠です。
当院では、確かな技術を持つ歯科技工所と協力し、患者様一人ひとりに適した、質の高い補綴治療を心がけております。治療後も自然な見た目と噛み心地が長く続くよう、見えない部分にもこだわった治療を提供しています。気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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ゴールデンウィークの診療に関しまして

2025年5月3日(土)~5月6日(火)まで休診です。5月7日(水)より通常通り診療します。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

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妊娠と歯の関係 ~早産リスクを防ぐために~

妊娠中はホルモンバランスの変化や食生活の影響により、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。特に歯周病は、炎症物質が血流に乗って全身に影響を及ぼし、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があるといわれています。
そのため、妊娠中の歯科検診は非常に重要です。初期のうちに口腔内の状態を確認し、必要なケアを受けておくことで、母体と胎児の健康を守ることにつながります。
安定期(妊娠5〜7か月頃)は治療やクリーニングを受けやすい時期ですので、特におすすめです。
また、つわりや食事回数の変化により、口腔内が不衛生になりやすくなるため、毎日の歯磨きと定期的なチェックが大切です。
妊娠期こそ、口腔ケアを意識的に行いましょう。

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親知らずの炎症について知っておきたいこと ― 原因・治療法・抜歯の判断基準

ある日突然、奥歯のあたりがズキズキと痛み出し、口が開けづらい、食事がしにくい…そんな症状を経験したことはありませんか?その原因として多く見られるのが「親知らずの炎症」です。親知らずは、永久歯の中でも最後に生えてくる歯であり、さまざまなトラブルを引き起こしやすい部位でもあります。このコラムでは、親知らずの炎症が起こる理由や治療法、そして抜歯すべきかどうかの判断ポイントについて詳しく解説します。

親知らずとは?

親知らず(第三大臼歯)は、奥歯の一番後ろに生えてくる永久歯で、通常18歳〜25歳ごろに萌出します。「親に知られずに生えてくる歯」という由来からその名がつけられました。
しかし、現代人の顎は進化とともに小さくなってきており、すべての歯がきれいに並ぶスペースが不足していることが多く、親知らずが正しい方向に生えない「埋伏歯」や「斜めに生えている歯」が多く見られます。このような不正な生え方が、さまざまな炎症やトラブルの原因となります。
親知らずの炎症 ― 主な原因
親知らずのまわりで起きる炎症は、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれます。以下のような理由で発症することが多いです。
1. 歯ぐきの一部が親知らずを覆っている
親知らずが中途半端に顔を出している場合、その一部を歯ぐきがかぶっていることがあります。この部分に食べかすや細菌がたまりやすく、ブラッシングもしづらいため、炎症が起こりやすくなります。
2. 清掃不良
親知らずは口の一番奥にあるため、歯ブラシが届きにくく、汚れが残りがちです。これが原因で細菌が増殖し、歯ぐきに腫れや膿がたまることがあります。
3. 歯並びや咬み合わせの異常
斜めに生えている親知らずが、隣の歯(第二大臼歯)に押し当たることで、歯と歯の間に汚れがたまり、虫歯や歯周病を引き起こすことがあります。

親知らずの炎症によって起こる症状

智歯周囲炎が起こると、以下のような症状がみられます。
• 奥歯のあたりの痛みや腫れ
• 口を開けづらい(開口障害)
• 飲み込むと喉の奥に痛みを感じる
• 発熱や倦怠感
• 頬やリンパの腫れ
炎症が進行すると、膿がたまり、顔が大きく腫れたり、全身症状が現れることもあるため、早期の対応が大切です。

基本的な治療法

親知らずの炎症が起きた場合、以下のような治療が行われます。
1. 抗生物質・消炎鎮痛剤の投与
細菌感染による炎症であるため、まずは抗生物質を処方して細菌の増殖を抑えます。同時に痛みや腫れを抑えるために消炎鎮痛剤を服用します。
2. 口腔内の清掃と消毒
膿が溜まっている場合は、洗浄・排膿を行います。また、歯ぐきのポケットの中の汚れを取り除き、感染源を除去します。
3. 経過観察と再発予防
炎症が落ち着いた段階で、再発予防のための処置を検討します。症状が繰り返される場合や、将来的に問題が予想される場合は、抜歯がすすめられることが多いです。

抜歯を検討すべきケースとは?

親知らずは必ずしも抜歯が必要というわけではありませんが、以下のようなケースでは抜歯が強くすすめられます。
● 繰り返し炎症を起こす場合
一度炎症が治まっても、親知らずの生え方が原因で再び炎症を起こすケースは少なくありません。その場合は、炎症の根本原因を除去するために抜歯が適しています。
● 親知らずが横向き・斜めに生えている場合
斜めや横向きに生えていると、歯並びに悪影響を与えたり、手前の歯を虫歯や歯周病にするリスクが高まります。歯列の健康を守るためにも、予防的な抜歯が勧められることがあります。
● 隣の歯が虫歯・歯周病になっている場合
親知らずが隣の歯と密着していると、その部分が清掃しづらくなり、虫歯や歯周病を引き起こすことがあります。手前の歯を守るために、親知らずの抜歯が必要です。
● 歯列矯正を行う場合
矯正治療を行う際、親知らずが歯の移動を妨げる原因になることがあります。この場合も、事前に抜歯することが多いです。

抜歯のタイミングと注意点

炎症が強く出ている最中は、抜歯を行わないことが一般的です。腫れや発熱があるときは、抜歯によるリスク(感染の拡大、出血など)が高まるため、まずは抗生物質などで炎症を抑える治療が優先されます。
炎症が収まった後、レントゲンやCTで親知らずの位置や周囲の骨・神経との関係を確認したうえで、安全に抜歯を行います。特に下の親知らずは、下顎管という神経の通り道に近いため、慎重な判断が必要です。

親知らずと上手に付き合うために

すべての親知らずが問題を起こすわけではありません。まっすぐ生えていて、噛み合わせにきちんと関与している場合は、抜歯の必要はないこともあります。ただし、そのようなケースでも、虫歯や歯周病のリスクが高い部位であるため、定期的なチェックと丁寧な清掃が欠かせません。
もし違和感や痛みがある場合は、我慢せずに早めに歯科を受診しましょう。炎症が軽いうちであれば、治療も比較的スムーズに進みます。親知らずの状態は人それぞれ異なるため、まずは専門的な診断を受けることが、将来的なトラブルを防ぐ第一歩です。

まとめ

親知らずは、現代人の口腔内において「厄介者」になりがちな存在です。特に生え方が不完全な場合や清掃が行き届かない場合には、炎症を引き起こしやすくなります。しかし、炎症が起きても慌てず、適切な治療と対応を受けることで、症状は改善し、再発も防ぐことが可能です。
抜歯についても、「とにかく抜く」のではなく、「必要な場合に、安全に抜く」ことが大切です。自分の親知らずが将来的に問題を起こす可能性があるかどうかを、歯科医院で一度しっかり診てもらうことをおすすめします。

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臨時休診のお知らせ

2025年3月27日(木)28日(金)の診療は、院内研修のため休診です。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

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