白金高輪の歯医者伊皿子おおね歯科医院。白金高輪駅、泉岳寺駅徒歩5分

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「歯の萌出異常」とは? ― 気づきにくいサインと早期対応の重要性

はじめに

お子さまの歯の生え方を見て、「なんだか左右で違う」「前歯の位置が変?」といった違和感を覚えたことはありませんか?歯の生え方には個人差がありますが、中には“萌出異常(ほうしゅついじょう)”という、歯の発育や生える位置に問題があるケースも存在します。このコラムでは、歯の萌出異常についての基礎知識から、その影響、歯科医院での対応方法について詳しく解説します。

歯の萌出異常とは?

歯の萌出異常とは、乳歯や永久歯が本来の位置・時期に正しく生えてこない状態を指します。正常なタイミングより著しく遅れたり、違う場所に生えたりすることで、歯列や噛み合わせ、発音などに悪影響を及ぼすことがあります。

具体的には以下のような種類があります:

萌出遅延:生えるべき時期になっても歯が出てこない
異所萌出:本来とは異なる場所や方向に歯が生えてくる
埋伏歯:骨の中に埋まったままで生えてこない歯
過剰歯・先天欠如歯:本数が多い/少ないことによる萌出異常

原因は?

歯の萌出異常の原因は多岐にわたります。

遺伝的要因:親子で同じような異常が見られることもあります
外傷:乳歯をぶつけたことによる発育への影響
過剰歯や癒合歯:他の歯の異常が影響する場合
骨や歯茎の厚み・構造の個人差
顎の成長不足や、口腔習癖(指しゃぶり・舌突出癖)などの影響

気をつけたいサイン

次のような様子が見られる場合、萌出異常が疑われます。

・左右で歯の生え方や順番に違いがある
・乳歯が抜けたのに何ヶ月も永久歯が生えてこない
・斜めに生えている、歯の向きがおかしい
・乳歯がグラグラしないのに、隣に新しい歯が顔を出している
・「歯が足りない/多い」ように見える

歯科医院での診断と対応

萌出異常の判断には、視診だけでなくレントゲン検査が重要です。骨の中の歯の位置や方向、永久歯の有無、過剰歯の存在などを確認することで、適切な治療方針が立てられます。
対応方法は以下の通りです:

経過観察:自然に正しい位置へ移動することもあるため、定期検診が重要
抜歯:乳歯の晩期残存や過剰歯などが原因の場合、抜歯により永久歯の萌出を促す
矯正治療:永久歯の位置異常や歯列不正に対し、矯正専門医による誘導が必要なこともあります

当院の取り組み

伊皿子おおね歯科医院では、スマイルキッズプログラムを通して、お子さまの歯の生え変わりの過程を丁寧にモニタリングしています。乳歯列期から永久歯列期への移行期における小さな変化を見逃さないことが、萌出異常の早期発見・早期対応につながります。
また、当院には矯正専門の女性ドクターが在籍しており、必要に応じて矯正相談や治療もご案内しています。

まとめ

歯の萌出異常は、放っておくと歯並びや噛み合わせ、さらには発音や口元の印象にも影響を及ぼすことがあります。しかし、早期に発見し適切な対応を行えば、多くの問題は未然に防げます。
「ちょっとおかしいかな?」と思ったら、迷わず歯科医院にご相談ください。お子さまの成長に合わせた丁寧なサポートで、健やかな口腔発達を一緒に育んでいきましょう。

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ボトルカリエス(哺乳瓶虫歯)とは ― 赤ちゃんの歯を守るために知っておきたいこと

はじめに

赤ちゃんの可愛い乳歯が虫歯になってしまう——それは多くの保護者にとって大きなショックでしょう。中でも「ボトルカリエス(哺乳瓶虫歯)」は、まだ自分で歯みがきもできない時期に起こる虫歯として、注意が必要なトラブルです。早期発見と予防が何よりも大切です。本コラムでは、ボトルカリエスの原因、症状、予防法、そして治療についてわかりやすく解説します。

ボトルカリエスとは?

ボトルカリエスとは、哺乳瓶を使ってジュースやミルクなどの甘い飲み物を頻繁に、または長時間与え続けることで発生する乳歯の虫歯です。特に眠っている間に哺乳瓶をくわえたまま寝てしまう習慣があると、虫歯菌が糖を栄養源として酸を出し、歯を溶かしてしまいます。
主に上の前歯から進行し、複数の歯が一気に虫歯になる傾向があります。

なぜ哺乳瓶で虫歯になるのか

哺乳瓶で虫歯になる最大の理由は、「長時間にわたり口の中に糖が残る」ことです。
赤ちゃんは唾液の量が少なく、口腔内を清潔に保つ力が弱いため、糖分が歯の表面にとどまりやすくなります。特に就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、虫歯のリスクがさらに高まります。

どんな飲み物が危険?

・市販の果汁ジュースやスポーツドリンク
・加糖ミルクや調整粉乳
・乳酸菌飲料や炭酸飲料

これらを哺乳瓶で頻繁に与えることは、虫歯リスクを高めます。
注意点として、「100%果汁だから安心」という思い込みも危険です。天然の果糖も虫歯の原因になります。

どんな症状が出るの?

初期には白っぽい濁りや斑点が歯に現れます。その後、茶色や黒色に変色し、歯が欠けたり、穴があいたりします。進行すると、赤ちゃんが噛むのを嫌がる、食事量が減る、機嫌が悪くなるなどの変化が見られます。
気づいたときにはすでに複数の歯が虫歯になっていることも多く、早期発見が重要です。

どうすれば予防できる?

・哺乳瓶で甘い飲み物を与えるのは避ける(特に寝る前や夜間)
・1歳を目安に哺乳瓶からコップやストローに移行する
・食後やミルクの後には口をゆすぐ、またはガーゼで歯を拭く
・1日1回以上の仕上げみがきを行う(親が必ず)
・定期的に歯科検診を受ける(乳歯のチェックを含め)

治療が必要になったら?

虫歯が見つかった場合、年齢や虫歯の進行度に応じて、フッ素塗布、CR充填(プラスチックによる修復)、抜歯などの対応が取られます。小さな子どもでも治療が必要になることがあるため、恐怖心やトラウマを与えないよう、丁寧な説明と段階的な対応が重要です。
伊皿子おおね歯科医院では、保護者への説明とともに、お子さまが安心して通えるよう配慮しています。

まとめ

ボトルカリエスは、正しい知識と予防習慣で防ぐことができる虫歯です。赤ちゃんの健やかな口腔環境を守るためにも、保護者の方が早めに注意し、適切な生活習慣を整えることが大切です。
気になる症状がある場合は、どうぞ早めにご相談ください。早期発見・早期対応が、将来の健康につながります。

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MFTって何?:知られざる口腔筋機能療法の効果と必要性

はじめに

「口がぽかんと開いている」「歯並びが気になる」「舌の位置が正しくない」――こうしたお子さまの様子に気づいたことはありませんか? これらの背景には、口の周囲の筋肉バランスや機能の問題が潜んでいる場合があります。そうした機能の改善に役立つのが「MFT(口腔筋機能療法)」です。このコラムでは、MFTとは何か、その目的や効果、治療が必要なサインなどをわかりやすく解説します。

MFT(口腔筋機能療法)とは?

MFTは“Oral Myofunctional Therapy”の略で、日本語では「口腔筋機能療法」と訳されます。
舌、唇、頬など口腔周囲の筋肉の正しい使い方を学ぶトレーニングで、呼吸、嚥下(飲み込み)、咀嚼、発音などの機能を改善し、正しい歯並びや顎の成長を促す目的があります。
歯並びや咬み合わせだけでなく、口呼吸、発音、いびきなど、さまざまな症状に関係する“機能の問題”を根本から改善するのが特徴です。

MFTが必要になる代表的なケース

● 舌の癖とその影響

舌突出癖があると、前歯を押し出す力が働き、開咬やすきっ歯の原因になります。

● 口唇閉鎖不全

口を閉じる筋肉が弱く、口呼吸になりがちです。これは歯並びや顔貌の変化、虫歯・歯周病リスクの増加につながります。

● 指しゃぶりなどの習癖

長期間続くと歯列や顎の発育に影響を及ぼすことがあり、MFTによる補正が効果的です。

● 飲み込み方の異常

嚥下時に舌を突き出す癖があると、歯列矯正後の後戻りリスクが高まります。

● 発音の問題

舌の動かし方や位置に問題があると、サ行・ラ行の発音が不明瞭になることがあります。

MFTの主な目的と効果

● 舌の正しい位置を覚える

舌は本来、上顎に軽く接しているのが正常です。低位舌(舌が下がっている状態)はさまざまな問題を引き起こします。

● 鼻呼吸の定着

口呼吸は健康面に悪影響を及ぼすため、鼻呼吸への切り替えを重視します。

● 正しい嚥下パターンの習得

飲み込むときに舌が正しい動きをすることで、歯列や顎への過剰な力を防ぎます。

● 骨格バランスの整備

成長期の子どもでは、顔貌の形成にも影響するため、MFTによって良好な発育をサポートできます。

● 矯正後の後戻り予防

MFTを併用することで、矯正治療後の安定性が向上します。

MFTの具体的なトレーニング内容

● 舌の位置訓練

舌を上顎に正しく置く感覚を身につける練習を行います。

● 唇の閉鎖力強化

口輪筋のトレーニング(例:ストロー訓練、口すぼめ運動)を通じて、しっかりと口を閉じる力を育てます。

● 嚥下訓練

唇・舌・頬の協調運動を意識しながら、食べ物を飲み込むときの正しい筋肉の動きを習得します。

● 発音訓練

歯科医や言語聴覚士と連携し、舌の使い方や口の動きを見直しながら明瞭な発音を目指します。

トレーニングの進め方と期間

トレーニングは一人ひとりの状態に合わせてオーダーメイドで行います。
初期は週1回〜隔週の通院指導と、毎日の家庭での実践が中心です。
数ヶ月から1年程度かけて段階的に改善を目指します。
ご家庭での継続的なサポートが成功のカギとなります。

保護者へのアドバイス

● 日常の観察が第一歩

食べ方、話し方、寝相、表情、姿勢などの小さな変化にも注意を払いましょう。

● 早期相談のすすめ

違和感があれば、成長のチャンスを逃さずに歯科医院で相談を。

● 継続の大切さ

家庭でのトレーニング支援や声がけが、子どものやる気と定着につながります。

まとめ

MFTは、口腔の“機能”を整えることで、歯並び・発音・呼吸・姿勢など広範な影響を与える非常に重要な療法です。
とくに小児期の早期介入が将来的なトラブル予防につながります。
伊皿子おおね歯科医院では、成長段階に合わせたMFT指導を行っており、矯正歯科スマイルキッズプログラムとも連携してお子さまの健やかな発育をサポートしています。

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離乳食と小児口腔機能発達 ― 食べ方から始まる予防法

はじめに:離乳食期は「口の発達」が始まる重要な時期

赤ちゃんの健やかな成長にとって、離乳食は単なる栄養補給ではありません。この時期は、噛む・飲み込む・舌を動かすなど、「口腔機能」が本格的に発達を始める極めて大切なステージです。つまり、離乳食の与え方や赤ちゃんの“食べ方”が、将来の歯並びや発音、さらには集中力や学習能力にもつながる基盤になるのです。

離乳食と小児口腔機能の深い関係

口腔機能とは、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった基本的な口の働きを指します。離乳食期はこれらの機能の“土台作り”の期間です。ミルクを吸う動きから、舌を動かし、唇を閉じ、咀嚼し、飲み込むといった一連の動作を学ぶ中で、自然と舌や唇、顎などの筋肉が育まれます。

離乳食のステップと口腔機能の発達段階

離乳食は「初期」「中期」「後期」「完了期」とステップを踏んで進めますが、これは栄養面だけでなく口腔機能の発達とも密接に関係しています。

– 初期(5〜6ヶ月)… 舌を前後に動かす練習
– 中期(7〜8ヶ月)… 舌を上下に動かし、口の中で食べ物を移動させる
– 後期(9〜11ヶ月)… 歯ぐきでの咀嚼が始まり、舌や頬の筋力が発達
– 完了期(12〜18ヶ月)… 前歯でかじる、奥歯で潰す、唇を閉じて飲み込む動作が完成

このステップを飛ばしたり遅らせたりすると、口腔筋機能の発達に偏りが生じることがあります。

よくある誤解とその影響

「むせないように」と、とろとろの食事を長期間与えすぎてしまうと、舌や唇、頬の筋肉を使うチャンスを逃してしまいます。また、前歯が生えてきても「食べやすいように」と細かく切って与えすぎると、かじる動作が育たず、発音や歯並びにも影響を与える可能性があります。

舌・唇・頬の筋力を育てる食べ方とは?

正しい口腔発達には、赤ちゃん自身が「自分で食べる」ことが重要です。スプーンを口に突っ込むのではなく、赤ちゃんが自分から口を閉じて取り込むようにしましょう。また、もぐもぐする回数が増えるように少しずつ固さを変え、筋肉を自然と使うように促していくことが大切です。

手づかみ食べと姿勢の重要性

「汚れるから…」と手づかみ食べを避けていませんか? 手で食べ物をつかみ、口に運ぶ過程は、手先の発達だけでなく口腔機能の発達にも大きな影響があります。特に、姿勢を正し、足裏がしっかり床についている状態で食事をすることで、噛む力・飲み込む力が安定し、全身の成長にもつながります。

食べる力が育つと将来にどうつながるか

離乳食期に正しい食べ方を身につけた子どもは、口呼吸や誤嚥のリスクが減少し、集中力・姿勢の安定にもつながるとされています。また、口腔機能が十分に発達することで、歯並びの問題や発音障害の予防にも効果があるといわれています。

歯科医院でのサポート

小児歯科では、食べ方や口腔の発達状況をチェックし、必要に応じて食育指導や口腔筋機能療法(MFT)を行うことができます。特に、口がポカンと開いている、よくむせる、食事に時間がかかるといったサインがある場合は、早期の相談がおすすめです。

まとめ:予防は離乳食から始まっている

むし歯や歯並びの問題、そして集中力や学力の低下――。これらはすべて、離乳食期の“食べ方”が深く関係しています。離乳食を単なる栄養補給ではなく、「お口の機能を育てる大切なトレーニング」と捉えて、日々の食事に向き合っていくことが、お子さんの健やかな未来につながる第一歩となるのです。

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小児矯正と機能訓練 ― 早期介入で変わる成長経路

はじめに:歯並びの問題は“成長の中で整う”は本当?

「子どもの歯並び、いずれ整うだろう」と思っていませんか?確かに、乳歯から永久歯への生え変わりの過程で自然に改善するケースもありますが、近年では食生活や口腔機能の未発達、口呼吸などが影響し、自然には整わない歯並びの子どもが増えています。本コラムでは、成長期の歯並びの問題に対して早期に対応する「小児矯正」と「機能訓練(MFT)」の重要性について解説します。

小児矯正とは何か ― 大人の矯正との違い

小児矯正とは、主に6歳から12歳の成長期に行われる歯列矯正のことを指します。大人の矯正が「すでに完成した歯列の移動」であるのに対し、小児矯正は「顎の成長をコントロールする」ことが目的です。顎の成長を正しい方向に導くことで、歯がきれいに並ぶスペースを確保したり、将来的な抜歯や大がかりな矯正治療を回避できる可能性が高まります。

口腔機能と歯並び ― 噛む・飲む・呼吸するの連動

歯並びは、単に歯だけの問題ではありません。舌・唇・頬などの筋肉の使い方、噛み方、飲み込み方、呼吸の仕方といった「口腔機能」が密接に関わっています。特に「口呼吸」は歯並びに大きな悪影響を与えるとされており、上顎が十分に発達せず狭くなり、前歯の突出や開咬を引き起こす原因になります。

機能訓練(MFT)の役割とは?

MFT(口腔筋機能療法)は、舌・唇・頬・顎などの筋肉の正しい使い方を習得する訓練です。歯並びの乱れは、多くの場合、誤った舌の位置や呼吸習慣が原因であり、矯正装置だけでは根本解決ができません。MFTでは、舌の正しい位置、鼻呼吸の習慣化、嚥下や発音の正常化などを通じて、歯列を安定させる土台を作ります。

早期介入のメリット(顎の成長誘導、抜歯の回避など)

成長期の子どもにとっての最大のメリットは、「骨格がまだ柔らかく、誘導しやすい」という点です。上顎や下顎の成長方向を正しくコントロールすることで、将来的に抜歯や外科手術を必要としない自然な矯正が可能になります。また、子ども自身が治療に慣れやすく、習慣の修正がしやすいのも早期介入の利点です。

よくある誤解とその背景

「永久歯が生えそろってから治療した方が効率が良いのでは?」という考え方は今も根強くありますが、これは一部正しく、一部誤解です。歯の生え変わりを待ってしまうことで、骨格的な問題が固定されてしまい、より大がかりな矯正が必要になることがあります。また、悪習癖が固定化され、口呼吸や舌癖が改善しにくくなるリスクもあります。

保護者が気付きやすい“早期介入が必要なサイン”

– 口がポカンと開いている(口唇閉鎖不全)
– 食事中にくちゃくちゃ音を立てる
– 舌を前に突き出す癖がある
– いつも猫背で、姿勢が悪い
– 発音が不明瞭で聞き取りにくい

これらのサインは、口腔機能の不全や歯並びの問題につながる可能性があります。早期のチェックと対処がカギとなります。

歯科医院での診断と指導の流れ

歯科医院では、まず視診や模型、レントゲン撮影などを用いて顎の大きさ・歯の位置・噛み合わせなどを確認します。加えて、舌の動きや呼吸の状態、姿勢、筋肉の使い方なども総合的に評価し、必要に応じて矯正装置やMFTの提案を行います。

小児矯正と機能訓練の具体例

– 拡大床:上顎を拡げるための装置で、狭い歯列を改善
– マウスピース型矯正:取り外し可能な装置で、子どもの負担が少ない
– MFT:舌の体操、発音練習、呼吸訓練などを通じて歯列を支える筋肉を強化

これらを組み合わせることで、より自然で安定した矯正効果が期待できます。

まとめ:子どもの成長力を生かすなら“今”が大事

小児矯正と機能訓練は、単に歯並びを整えるためのものではありません。子どもの成長力を最大限に生かし、将来の健康や自信、学力や集中力にまで良い影響を与える「予防的な医療」としての側面を持っています。保護者が「今」気づき、歯科医院でのチェックを受けることで、お子さまの未来は大きく変わるかもしれません。歯並びに限らず、お口まわりに気になる癖やサインがある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

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【白金高輪の歯科医が解説】小児矯正は何歳から?

はじめに

「うちの子の歯並び、大丈夫かな?」「矯正って何歳から始めればいいの?」こうした疑問は、多くの保護者の方が抱くものです。今回は、白金高輪にある伊皿子おおね歯科医院の小児矯正専門医(女性医師)が、小児矯正の適切な開始時期とその判断のポイントについてわかりやすく解説します。

小児矯正は“何歳から”始めるべき?

一般的に、小児矯正は「第1期治療」と「第2期治療」に分かれます。第1期治療は6〜9歳ごろ、乳歯から永久歯への生え替わりが始まるタイミングが目安です。この時期の治療では、顎の成長をコントロールしたり、悪習癖を改善したりすることが目的です。
歯がすべて永久歯に生え変わった後(おおよそ12歳以降)に始まるのが第2期治療で、本格的な歯列矯正(ワイヤー矯正やマウスピース型矯正など)を行います。

“早く始める”メリットと注意点

6歳ごろから始める小児矯正には、以下のようなメリットがあります:

– 顎の成長を利用して自然な歯列を誘導できる
– 永久歯の抜歯を避けられる可能性が高くなる
– 悪習癖(口呼吸、舌癖、指しゃぶりなど)を改善しやすい

ただし、すべての子どもに早期矯正が必要というわけではありません。歯並びだけでなく、口腔習癖や顔貌のバランスも含めて、総合的に診断することが大切です。

こんなサインがあれば一度相談を

お子さまに次のような傾向が見られたら、一度矯正相談をおすすめします:

– 前歯が噛み合わず、隙間がある(開咬)
– 出っ歯や受け口が目立つ
– 口をポカンと開けている(口唇閉鎖不全)
– 舌の位置が低く、飲み込みが変
– 指しゃぶりや頬杖などの癖が続いている

こうした状態は、放っておくと将来的な歯並びや発音、呼吸に悪影響を及ぼすこともあります。

当院の取り組み ― スマイルキッズプログラム

伊皿子おおね歯科医院では、お子さまの健やかな成長を支えるために「スマイルキッズプログラム」を導入しています。このプログラムでは、定期検診ごとに歯の生え方や顎の成長、口腔衛生状態をチェックし、必要に応じて矯正の介入時期を見極めます。
虫歯や歯肉炎の予防にとどまらず、将来の歯並びや口腔機能の健全な発達をサポートすることが目的です。

矯正専門の女性歯科医による安心の診療

当院には、小児矯正を専門とする女性歯科医が在籍しており、お子さまにも保護者の方にも安心してご相談いただける体制を整えています。小さな変化を見逃さず、一人ひとりの成長に合わせた丁寧な診療を心がけています。

まとめ

小児矯正は、ただ歯を動かす治療ではなく、成長発達をサポートする医療です。6〜9歳のタイミングは、歯並びを整える“準備期間”として非常に大切な時期です。
「何歳から始めるべき?」と迷ったときは、ぜひ早めにご相談ください。伊皿子おおね歯科医院では、専門医による的確な診断と、スマイルキッズプログラムによる継続的なフォロー体制で、お子さまの健やかな成長をサポートしています。

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見落としがちな「子どもの歯周病」:思春期性歯肉炎から始まる危険性

はじめに:歯周病は大人だけの病気ではない

歯周病といえば、大人や高齢者の病気というイメージが強いかもしれません。しかし、実際には子どもでも歯周病の初期症状が見られるケースがあります。特に、思春期に差しかかる小学校高学年から中学生の時期に注意が必要です。この時期にはホルモンバランスの変化により「思春期性歯肉炎」と呼ばれる症状が現れやすく、そのまま放置すると将来深刻な歯周病につながることもあります。本コラムでは、見落とされがちな子どもの歯周病の兆候とそのリスク、予防・対応方法について詳しく解説します。

子どもの歯ぐきに起こる変化とは?

子どもは歯が生え変わる時期や成長期に、口腔内の環境も大きく変わっていきます。乳歯から永久歯への移行、唾液の分泌量の変化、食生活の変化などが歯ぐきに大きな影響を与えます。また、小学校高学年以降になると歯の本数も増え、磨き残しが多くなりやすいことから、歯肉に炎症が起きやすくなります。

思春期性歯肉炎とは何か

思春期性歯肉炎は、第二次性徴の始まる思春期に多く見られる歯肉炎の一種で、性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)の分泌が増えることにより、歯ぐきの炎症が起きやすくなる現象です。特にプラーク(歯垢)がたまっている状態でホルモンの影響を受けると、歯肉が赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。

思春期性歯肉炎の原因と特徴

– ホルモン変化による歯肉組織の感受性の上昇
– プラークコントロールの不十分さ
– 部活動や受験勉強などで歯みがきの時間が短くなりがちな生活習慣
– 甘いものや間食が増えることによる虫歯・歯肉炎リスクの増加

特に前歯や奥歯の歯肉が赤くなって腫れている、歯みがきのときに出血するなどの症状が見られます。

子どもの歯周病の進行と「若年性歯周炎」のリスク

思春期性歯肉炎が長期にわたって改善されない場合、まれに「若年性歯周炎(現在はStage分類におけるGrade分類で評価される)」へと進行することがあります。この病態は10代〜20代前半で歯周組織の破壊が急速に進行する特徴があり、場合によっては永久歯の喪失につながることもあります。早期の対応が極めて重要です。

どこで気づく?保護者と歯科医のチェックポイント

家庭では、お子さんが「歯みがきの時に血が出る」「歯ぐきがムズムズする」などと訴えていないか、よく観察することが大切です。また、歯並びが乱れている、ブラッシングが雑になりがちな場所(奥歯の後ろ側など)がないかもチェックしてください。歯科医院では、専門的な歯周ポケット測定やプラークの状態チェックなどを通じて早期発見が可能です。

こんな症状は要注意

– 歯みがき時の出血が2週間以上続く
– 歯ぐきが赤く腫れている
– 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
– 口臭が強くなった気がする
– 歯の根元が見えるようになってきた

これらの症状は軽視されがちですが、放置すると重度化する可能性があるため、歯科医師の診察を受けるようにしましょう。

予防の基本はやはり「正しい歯みがき」

子どもの歯周病予防の第一歩は、毎日の正しいブラッシングです。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに磨く方法を身につけることが重要です。年齢が低いうちは保護者の仕上げ磨きが必要であり、中高生になっても定期的に歯みがき方法を見直す機会を設けると効果的です。

歯科医院でできること:早期発見と適切なケア

歯科医院では、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯垢・歯石の除去、フッ素塗布、歯磨き指導などを行い、歯周病の進行を食い止めることができます。また、思春期性歯肉炎は一時的なものであっても、慢性化する可能性があるため、歯科医院での定期的なチェックが不可欠です。

矯正治療との関係:装置の影響とケアのコツ

矯正治療中の子どもは、ブラケットやワイヤーが口腔内にあるため、どうしても歯磨きが難しくなりがちです。その結果、歯ぐきに炎症が起きやすくなり、思春期性歯肉炎を悪化させる要因にもなりえます。当院のように矯正専門医が在籍している歯科医院では、矯正と歯周管理を一体で進めることができ、安心して治療を受けられます。

子どもの歯ぐきを守るために家庭でできること

– 朝晩2回の丁寧な歯みがき(特に寝る前)
– 定期的な仕上げ磨きの実施
– 甘いお菓子やジュースを控える食習慣
– 3ヶ月〜半年に一度の定期検診を習慣化
– 歯ぐきの色や腫れの変化に日々目を向ける

これらの生活習慣を見直すことで、子どもの歯周病予防につながります。

まとめ:今こそ「子どもの歯周病」に目を向けて

「子どもの歯周病」は決して珍しい病気ではありません。むしろ、成長期特有のリスクを抱えるため、保護者と歯科医が連携して見守る必要があります。思春期性歯肉炎を単なる一時的な炎症と見過ごさず、早期に気づいて正しく対応することで、将来の口腔トラブルを予防できます。毎日のケアと定期的なプロの診察で、お子さまの健やかな口腔環境を守っていきましょう。

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歯並びが発音に影響?構音障害の原因と歯科でできるサポートとは

構音障害とは何か?

構音障害とは、話すときの発音が不明瞭で、言葉が聞き取りにくくなる状態を指します。子どもが「さかな」を「たかな」と発音したり、「き」を「ち」と置き換えて話したりするのが代表的な例です。幼児期にはある程度自然な音の置き換えがありますが、年齢が上がっても改善されない場合、構音障害の可能性があります。

構音障害の種類

構音障害には大きく分けて3つのタイプがあります:

– 機能性構音障害:筋肉や器官に異常はないが、誤った発音の癖がついている
– 器質性構音障害:口唇裂や舌小帯短縮症など、構造的な異常が原因
– 運動障害性構音障害:脳や神経の障害により、話す筋肉の調整が難しい

それぞれの原因に応じて、必要なアプローチや専門職の連携が異なります。

発音に関わる器官とその役割

発音は、舌・口唇・歯・軟口蓋・声帯など多くの器官の協調によって成り立っています。例えば「さ行」の音を出すには、舌先を歯に近づけて息をこすらせる必要があり、舌の動きが非常に重要です。このため、舌の可動域や筋力に問題があると、正しい発音が難しくなるのです。

構音障害の原因となる歯科的要因

構音障害は言語発達の問題だけでなく、歯科的な要因も関与します。

– 開咬(前歯が閉じない)
– 出っ歯(上顎前突)
– 舌小帯短縮症(舌の裏のヒダが短く舌が動かしにくい)
– 歯の欠損や位置異常

これらの状態があると、音を正しく出すための舌や唇の動きが制限され、構音に支障が出ることがあります。

よく見られる誤音と年齢の目安

通常の発達でも、3歳〜4歳頃には「パ行」「カ行」「タ行」などがはっきりしてきます。

– 「サ行」や「ラ行」は発音が難しく、5〜6歳で確立されることが多い
– それ以降も発音にあいまいさが残る場合は専門的な評価が必要

保護者が「言い間違いかな?」と思っていたことが、実は構音障害だったというケースもあります。

構音障害のチェックポイント(家庭で気づけるサイン)

– 発音が聞き取りにくく、他人から「え?」と聞き返されることが多い
– 同年齢の子と比べて言葉が遅れている印象がある
– 特定の音(例:サ行・ラ行)をうまく言えない
– 舌を動かしにくそうにしている、舌の形が変
– 口呼吸や開咬がある

これらに当てはまる場合、一度歯科や言語聴覚士への相談が推奨されます。

歯科医院でできること

歯科医院では、口腔内の構造的な問題(舌小帯、歯列不正、咬合)を診断し、必要に応じて矯正治療や外科的処置(舌小帯切除など)を行います。また、構音障害に関わる筋機能の評価や、MFT(口腔筋機能療法)による訓練指導も可能です。言語聴覚士と連携し、発音面のサポートを行う体制が整っている医院もあります。

構音障害と向き合うために大切なこと

構音障害は、子どもの自尊心や社会性、学習にも影響を与えることがあります。だからこそ、「様子を見る」ではなく「早めに気づいて対応する」ことが大切です。歯並びや口腔機能の状態に応じて、歯科的アプローチからも改善できるケースが多いため、気になる症状があれば歯科医院にご相談ください。

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「噛む力」が集中力を支える?― 口腔機能発達不全と学力低下の意外な関係

はじめに:口の発達が“脳の働き”に影響する?

「うちの子、集中力がないんです」「すぐにぼーっとしてしまう」――そうした悩みを抱える保護者は少なくありません。その原因のひとつに、“お口の機能”が関係していることをご存じでしょうか。実は、噛む・飲み込む・呼吸する・話すといった「口腔機能」がきちんと発達していないと、脳への酸素供給が滞り、集中力や学習効率に悪影響を与えることがあるのです。本コラムでは、口腔機能発達不全と学力・集中力との関連について詳しく解説します。

口腔機能発達不全とは?

口腔機能発達不全症とは、噛む・飲み込む・発音する・呼吸するなど、口に関する基本的な機能が年齢相応に発達していない状態を指します。この状態が続くと、栄養摂取や言語発達だけでなく、姿勢・睡眠・集中力など全身の発達にも影響を及ぼすことが知られています。

噛む・飲み込む・呼吸する ― 基本機能の未発達が及ぼす影響

口の機能は相互に連携しています。例えば、噛む力が弱いと食事に時間がかかり、エネルギー摂取や咀嚼刺激による脳の活性化が不十分になります。また、正しい飲み込みができないと誤嚥のリスクや、舌・頬・唇の筋力低下を招きます。そして特に重要なのが「呼吸」の問題。口呼吸の子どもは常に酸素が不足気味になり、睡眠の質が低下して、日中の集中力にも大きく影響を与えるのです。

咀嚼と脳の血流・集中力の関係

しっかりと「噛む」ことは、単なる消化の第一歩ではありません。咀嚼刺激は脳の前頭前野(思考・判断・記憶に関与)を活性化し、集中力や記憶力の向上に関与していることが、近年の研究でも明らかになっています。実際に、ガムを噛みながら学習したグループの方が、記憶テストの成績が高かったという報告もあります。

口呼吸の子はなぜぼんやりしやすいのか

口呼吸は、鼻呼吸と異なり、空気が直接のどや肺に入るため加湿やろ過の機能が働きません。その結果、風邪をひきやすく、また浅い呼吸になることで脳への酸素供給が不足しがちになります。慢性的な酸素不足状態にあると、疲れやすさ・倦怠感・集中力の低下を招くほか、口を常に開けている状態が続くと歯並びや姿勢の乱れにもつながります。

発音と学習の関係 ― 言語発達の遅れからくる学力低下

口腔機能のひとつである「発音」も、学力と深い関係があります。発音に問題があると、語彙力や読解力の発達が遅れる傾向があります。また、正確に話す力が弱いことで、国語を中心とした教科学習や友人とのコミュニケーションにも消極的になる場合があります。

よくある家庭のサイン(食事中の様子、姿勢、会話)

以下のような様子が見られる場合、お子さんの口腔機能発達に注意が必要です:

– 食事が極端に遅い/早い
– 噛まずに飲み込んでいる
– 食事中に口を開けたまま噛んでいる
– 話し方が不明瞭で、発音が気になる
– 口がいつもポカンと開いている
– 姿勢が悪く、猫背になりがち

これらのサインは、口腔機能発達不全の可能性を示す重要な手がかりとなります。

歯科医院でできるアプローチ(MFT、姿勢指導、早期介入)

歯科医院では、お口の発達状態を評価する検査を通じて、口腔機能発達不全の兆候を早期に見つけることができます。とくに有効なのが「MFT(口腔筋機能療法)」です。これは、舌・唇・頬などの筋肉をトレーニングすることで、正しい嚥下・発音・呼吸を身につける療法です。さらに、姿勢指導や生活習慣のアドバイスを通じて、総合的なサポートを受けることができます。

保護者が家庭でできる取り組み

– よく噛む習慣づけ(食材の固さや調理法の工夫)
– 姿勢を正して食事をする
– 鼻呼吸を意識させる遊び(風車、風船)
– 音読や発声練習で口の動きを促す
– ポカン口を見かけたら声かけを

日常生活の中で、さりげない声かけや工夫を加えることで、お子さんの口腔機能は大きく改善されていきます。

まとめ:学力の基礎は「よく噛める」ことから

お口の機能が未発達だと、噛む力・飲み込む力・話す力が十分に育たず、それが脳の働きや学習能力にまで影響することが分かってきました。歯科は「むし歯を治す」だけの場所ではなく、お子さんの将来の集中力・学力を支える重要な役割を担っています。気になる症状があれば、ぜひ一度歯科医院に相談してみてください。

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「口腔がん」は他人事じゃない:早期発見が命を救うセルフチェックのすすめ

はじめに

「口腔がん」と聞いて、自分には関係ないと思っていませんか?実は、日本では毎年約8,000人以上が口腔がんと診断されており(※1)、その数は年々増加傾向にあります。しかし、他のがんと違い、初期段階で発見されれば予後が良く、命を救える可能性も高いのです。本コラムでは、口腔がんの基本情報やリスク因子、セルフチェックの方法、歯科医院でできる早期発見の重要性について解説します。

口腔がんとはどんな病気か

口腔がんは、舌・頬・歯ぐき・口蓋・唇・口腔底(舌の下)など、口の中にできるがんの総称です。もっとも多くみられるのは舌がんで、次いで頬粘膜がん、歯肉がんなどがあります。がん細胞は口腔内の粘膜の変化から発生し、周囲の組織に浸潤したり、頸部リンパ節に転移したりする可能性があります。

意外に多い?口腔がんの発症率とリスク

口腔がんはがん全体の中では比較的少ないとされるものの、高齢化や生活習慣の変化により増加傾向にあります。特に60歳以上の男性に多く見られますが、最近では若年層や女性の発症例も報告されています。

こんな人は要注意:口腔がんの主なリスク因子

– 喫煙(たばこに含まれる化学物質が口腔粘膜に長期にわたり刺激を与える)
– 飲酒(特にアルコールとタバコの併用は相乗的にリスクを高める)
– 合わない入れ歯や被せ物、慢性的な粘膜の傷
– ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
– 不十分な口腔衛生

これらの要因を複数抱えている方は、日常的なセルフチェックと歯科受診が重要です。

早期発見の重要性:治癒率を大きく左右するステージ

口腔がんは進行がんになると、手術で大きく組織を切除する必要があり、顔貌や発音、嚥下機能に影響を与えることもあります。しかし、初期の段階で発見されれば、比較的軽い処置や放射線治療で対応可能です。5年生存率は早期発見で約80%以上とされ(※2)、いかに早く見つけるかが命を守るカギとなります。

今日からできるセルフチェックのポイント

月に1回程度、ご自身で以下のポイントを鏡の前でチェックしてみましょう:

– 舌の裏・側面に赤みや白い斑点がないか
– 頬の内側にしこりや傷、ただれがないか
– 歯ぐきに出血や腫れ、硬い部分がないか
– 唇の裏側や口蓋にざらつきや変色がないか
– 痛みのない潰瘍が2週間以上続いていないか

こうした変化に気づいたら、すぐに歯科医院を受診してください。

歯科医院での定期チェックのすすめ

歯科医院では、視診・触診・専用ライトを用いた検診により、口腔がんの兆候を早期に発見できます。特に3ヶ月〜6ヶ月に1回の定期検診を受けることで、病変の変化を早期にとらえることが可能です。また、がん以外の口腔内疾患の予防や、歯周病・虫歯治療も同時に行える点がメリットです。

もし疑わしい症状が見つかったら

気になる症状がある場合は、歯科医院での初期診察を経て、必要に応じて病院の口腔外科やがん専門機関への紹介が行われます。細胞診や生検(組織を採取して検査する方法)により、がんかどうかの確定診断が行われ、早期であれば迅速な対応が可能です。

まとめ:口腔がんと共に生きないために ― あなたにできること

口腔がんは「早期発見・早期治療」が何よりも重要な病気です。決して他人事ではなく、誰にでも起こり得る可能性があります。日頃のセルフチェックと、信頼できる歯科医院での定期検診を習慣にしましょう。口の中に異変を感じたら、迷わず相談する勇気が命を守る第一歩になります。

※1:九州大学病院がんセンターのページを参照
https://www.gan.med.kyushu-u.ac.jp/result/oral_cancer/
※2:公益社団法人神奈川県歯科医師会のページを参照
https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/1199/

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